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特集【Story Power 2016】谷川俊太郎/伊坂幸太郎/彩瀬まる/酒井順子/小野寺史宜/梶尾真治/我武者羅應援團 武藤正幸

小説新潮 2016年3月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/02/22

発売日 2016/02/22
JANコード 4910047010367
定価 947円(税込)

特集【Story Power 2016】

谷川俊太郎/死んでから
――あれからずいぶん時間が流れた――一体、何が起きたのだろうか

伊坂幸太郎/無事これ貴人
――何気ない日々の中で人知れず奇跡は起きている。それはあなたにも

彩瀬まる/ゆびのいと
――ずっと一緒にいようね。きらめく夫婦の約束は突然断ち切られ――

酒井順子/地震と独身の追伸
――五年後の彼らには、再会の喜びと驚きの連続が待ち受けていた!

小野寺史宜/十年後の二羽
――止まってはいないが、緩慢と流れる時間。時計の針を動かしたのは

梶尾真治/悪鬼岳の山頂にて
――もう後悔はしたくない――病を押して使命を果たそうとする老人に

◆我武者羅應援團 武藤正幸/生きる
――これ以上なく頑張っている人に、送るべきエールはあるのだろうか

【新連載スタート】
小島慶子/陽だまりの宴
――専業主夫になった浩介。娘連れで出かけた公園には母子ばかりで

【連載第二回】
高杉 良/小説・めぐみ園の夏
――児童養護施設に預けられた亮平たち。天国みたいな所と言うが――

畠中 恵/長崎屋の怪談 しゃばけ
――納涼怪談で語られた“大あたり”。程なく怪しいことが起きはじめ

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりのお薦めを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子

【好評連載小説】
相場英雄/不発弾
赤川次郎/7番街の殺人
伊吹有喜/カンパニー
逢坂 剛/鏡影劇場
近藤史恵/スティグマータ
西條奈加/八人のゴメス
谷村志穂/アンクランプ
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
初野 晴/世界の果ては二つ
増田俊也/北海タイムス物語
山本一力/カズサビーチ ようそろ
山本文緒/自転しながら公転する
柚木麻子/BUTTER

【連載エッセイ・ノンフィクション】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
黒田龍之助/物語を忘れた外国語
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
西きょうじ/そもそも
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル

第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
第五回「日本医療小説大賞」候補作発表
次号予告/編集後記

編集長から

物語の力
 かなりの数の本を読んでいても、「人生を変えた一冊」を即座に言える人は少ないだろう。持つ人はもちろん幸せだが、ないからと言って、それが読書の価値を決めるものでもない。
 とはいえ、人生は変えないまでも、今の気持ちを変えることは出来るはずで、読後、上手くは説明できないけれど、何となく「明日も頑張ろう」という気持ちになったという経験はいくらでもあるし、落ち込んで何もかもが嫌になったときに、「もうすぐ次の○×があるから、それまで頑張ろう」、と持ち堪えたことも、一度や二度ではない。
 小説に限らず、テレビでも映画でも漫画でも、何らかの物語に支えられたり、鼓舞されしたりした経験は、きっと誰しもあるはずだ。
 物語は、目の前の餓えた子供を救うことはできないが、気持ちの空腹を癒やすことはできると、そう信じている。
 そんな物語の力を改めて示したく、文字通り「物語の力」と題した特集を企画した。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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