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特集【時代小説 桜舞】伊東 潤/梶よう子/梓澤 要/辻井南青紀/澤田瞳子/植松三十里

小説新潮 2016年4月号

(毎月22日発売)

特別定価1,049円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/03/22

発売日 2016/03/22
JANコード 4910047010466
定価 特別定価1,049円(税込)

特集【時代小説 桜舞】

伊東 潤/黄金の城
――敵方の農民が信雄軍に捕らえられた。無視できない話があるらしい

梶よう子/足袋のこはぜ みとや・お瑛仕入帖
――幼馴染みが残した一言に動揺するお瑛。店も客足が途絶えたままで

梓澤 要/醜(しこ)の丈夫(ますらお)
――自堕落な麻呂に突如下った軍事命令。従者の夏雄は意気込むものの

辻井南青紀/三つ子の魂 結婚奉行
――新しい世の子育てとは――朋友の愚痴をきっかけに、大久保は動く

◆澤田瞳子/幻の梅
――師匠に後ろめたく思いつつ、他座の勧進能に足を向ける豊太郎だが

◆植松三十里/流人富士
――遠島に処された旗本。罪の意識と父との確執が、気持ちを重くする

特集【Hello&Good-bye】

彩藤アザミ/時の尾
――代々大切に守ってきたという生き神さま。まさか、実在するなんて

こざわたまこ/すべてを持った女の子
――雪の日、あの街角で私たちは出会った。そこから伝説が始まった

森 美樹/蕾の夜明け
――職場にうんざりしている冬美恵の足元に、ある日椿事が舞い込んで

◆仲村かずき/女の子ではありません
――「おかあさんみたい」その言葉にずっと苦しめられてきた私だけど

水沢秋生/私の理想の王子さま
――小さい時に出会った「神様」に言われた言葉が、いつも私の頭の中に

【新連載スタート】
椎名 誠/銀河系の針の穴
――シーナさんが解明する、大きな世界と小さな世界のでっかい秘密

◆矢部太郎/大家さんと僕
――引っ越し先の大家のおばあさん。ご挨拶は「ごきげんよう」!?

【連載第二回】
朝香 式/パンゲア5
――弁護士になる夢を捨て、僧侶になった旧友。あまりの変貌に蓮太は

小島慶子/陽だまりの宴
――口先ばかりでイクメン気取りの夫。育児ストレスを抱える恵は……

【好評読み切り】
◆芦沢 央/ありがとう、ばあば
――常に従順なわたしの孫。何を考えているかすべて分っていたはずが

◆奥田亜希子/五つ星をつけてよ
――私の人生を照らしてくれた母。他に誰を信じれば、光が見えるの?

桜木紫乃/ごめん、好き
――幸せな夫婦の話を聞き、将来に不安を覚えた私は魔が差してしまい

◆住野よる/か く し ご と
――何でそんな感情を持つんだ!? あの子が気になって仕方ない俺は

畠中 恵/はてはて しゃばけ
――慌てた男にぶつかられ菓子が台なしに。お詫びに差し出されたのは

◆詠坂雄二/石ノ町
――いまや住む者もない死の町。旅人は奇怪な噂の漂う廃墟を探るが

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりのお薦めを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助/〈医療・介護〉東えりか/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史

【好評連載小説】
相場英雄/不発弾
赤川次郎/7番街の殺人
伊吹有喜/カンパニー
近藤史恵/スティグマータ 最終回
西條奈加/八人のゴメス
高杉 良/小説・めぐみ園の夏
谷村志穂/アンクランプ 最終回
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
増田俊也/北海タイムス物語
山本一力/カズサビーチ ようそろ
山本文緒/自転しながら公転する
柚木麻子/BUTTER

【連載エッセイ・ノンフィクション】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
黒田龍之助/物語を忘れた外国語
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
西きょうじ/そもそも
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル 最終回

第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

Hello & Good-bye
 一気に咲き誇り、潔く散る桜は、いかにも「出会いと別れ」を象徴しているようで、古くから暦に関係しているのだろうと思い込んでいたが、調べてみると、「学校年度」などが、現在のように四月スタートになったのは、明治以降のことらしい。
 もし、年度カウントの開始時期が異なっていたら、象徴としての花は何かに取って代わっていただろうか、などと考えてみるのも面白い。
 今月は、恒例の春の時代小説特集に加え、「Hello & Good-bye」と題して、文字通り「出会いと別れ」をテーマにした特集を企画した。一口に出会いと別れと言っても、解釈の仕方で幾万の情景が生まれる。その妙味を味わっていただきたい。
 そして、特集テーマと重なったのはまったく偶然のことながら、丸六年勤めて参りました編集長を、この号を最後に交代することになりました。今までのご愛読に感謝すると共に、今後とも「小説新潮」をどうぞよろしくお願いいたします。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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