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【メディカル・マインドを求めて――医療小説特集】
【新鋭読み切り小説特集――なにかが違う世界】
第五回「日本医療小説大賞」決定発表
第三十五回「新田次郎文学賞」決定発表

小説新潮 2016年6月号

(毎月22日発売)

特別定価1,049円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/05/21

発売日 2016/05/21
JANコード 4910047010664
定価 特別定価1,049円(税込)

【メディカル・マインドを求めて――医療小説特集】

久坂部羊/吾輩はイヌである
――実験動物として売られた先の病院で、吾輩が目にしたものとは……

仙川 環/着任
――経営難の病院に招かれた企画室長だが、歓迎ムードとはほど遠く

藤岡陽子/水曜日はロードショー
――鳴るはずがないナースコールの明滅に、和音は一縷の期待を抱くが

知念実希人/永遠に美しく 統括診断部の事件カルテ
――本来喜ぶべき母親の“若返り”。しかし、怪しい男の影がちらついて

◆第五回「日本医療小説大賞」決定発表
[受賞の言葉・選評]篠田節子久間十義養老孟司
[受賞作(抄録)]中島京子/長いお別れ
ブックガイド 東えりか/二〇一五年医療小説総括

【新鋭読み切り小説特集――なにかが違う世界】

田中兆子/徴産制
――21世紀末。若年女性が激減した日本で施行された驚くべき制度とは

古谷田奈月/何もかもが新しい
――隣家のゴリラに息子がいた! この春から同じ高校に通うと言うが

◆阿川せんり/夜夜中のバックレさん
――バイトをすぐ辞める方法、知ってます? 飛んじゃえばいいんです!

◆詠坂雄二/王ノ町
――その町に安寧をもたらしてきた老いた男。最期に望むのは――?

【新連載スタート】
西村京太郎/琴電殺人事件
――香川県琴平町にある、最古の芝居小屋「金丸座」。春公演を目前に、「中止しなければ主役を殺す」という脅迫状が届き――

◆Oka-Chang/へそのお
――元モデル、元芸者という異色の経歴を持ち、美しき毒舌家として名を馳せた著者。更に舌鋒鋭く出版界にカムバック!

【特選読み切り作品】
角田光代/彼女の恋文
――亡き姑が密かに応募していた恋文コンテスト。なんと最優秀作に?

◆住野よる/か→く↓し←ご↑と
――ピュアな二人をみんなで見守っていたのに、恋心が暴走し始めて……

畠中 恵/暁を覚えず しゃばけ シリーズ最終話
――私だって仕事がしたい! 寝込み続きの若だんなに猫又からある薬が

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりのお薦めを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助/〈医療・介護〉杉江松恋/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史

【好評連載小説】
相場英雄/不発弾
赤川次郎/7番街の殺人
朝香 式/パンゲア5
伊吹有喜/カンパニー
小島慶子/陽だまりの宴
西條奈加/八人のゴメス
高杉 良/小説・めぐみ園の夏
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
増田俊也/北海タイムス物語
山本一力/カズサビーチ ようそろ 最終回
山本文緒/自転しながら公転する
柚木麻子/BUTTER

【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流 最終回
黒田龍之助/物語を忘れた外国語
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず) 最終回
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
椎名 誠/銀河系の針の穴
西きょうじ/そもそも
矢部太郎/大家さんと僕

第三十五回「新田次郎文学賞」決定発表
第四回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

最新号PICK UP

【メディカル・マインドを求めて――医療小説特集】
久坂部羊/吾輩はイヌである
仙川 環/着任
藤岡陽子/水曜日はロードショー
知念実希人/永遠に美しく 統括診断部の事件カルテ

第五回「日本医療小説大賞」決定発表
[受賞の言葉・選評]篠田節子/久間十義/養老孟司
[受賞作(抄録)]中島京子/長いお別れ
ブックガイド 東えりか/二〇一五年医療小説総括

【新鋭読み切り小説特集 なにかが違う世界】
田中兆子/徴産制
古谷田奈月/何もかもが新しい
阿川せんり/夜夜中のバックレさん
詠坂雄二/王ノ町

【新連載スタート】西村京太郎/Oka-Chang
西村京太郎/琴電殺人事件
Oka-Chang/へそのお

この号の誌面

編集長から

「キュア」ではなく「ケア」

 先日、家族が入院した。幸い症状は軽いのだが、病院が遠方にあり、頻繁に様子を見に行くことができない。そんな状況の中で、日本医療小説大賞の発表号を迎えるのも、何かの廻り合わせであるに違いない。受賞作は中島京子氏の『長いお別れ』。すでに他賞も授けられ、高く評価されてはいるが、医療小説という観点での顕彰には、また違った意味が生まれよう。
 今年から選考委員に加わっていただいた養老孟司氏の「『キュア』ではなく『ケア』」という選評の言葉が象徴的に思え、医療小説特集を「メディカル・マインドを求めて」と題した。久坂部羊仙川環藤岡陽子知念実希人の四氏による、ストーリーに溶け込んだ「医のこころ」とは何か。味読をお勧めする次第だ。
 第二特集「なにかが違う世界」は、進境著しい新鋭による不可思議な作品四編。それぞれの語り口は、すでにして独創的だ。新連載は西村京太郎氏「琴電殺人事件」と、Oka-Changの子育てエッセイ「へそのお」。


小説新潮編集長 江木裕計

バックナンバー

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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