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【短期集中掲載】佐藤愛子
【特集 男たちの領分】
【特集 ロードノベル2018】

小説新潮 2018年3月号

(毎月22日発売)

特別定価1,069円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/02/22

発売日 2018/02/22
JANコード 4910047010381
定価 特別定価1,069円(税込)
■まとめ テーマでくくる 本選びのヒント
男たちの領分

■目次
【短期集中掲載】
――これだけは書き遺しておきたい――。著者から百万読者に向けた、最後のメッセージ。

佐藤愛子/冥界からの声
――「筆者」の古い友人で、熱血の人として知られる小児科医高林先生。高校生を対象にした講演を行うが、熱意が伝わらず鬱々とした日々を送っていた。そんなある日、講演に感動したという少女から一通の手紙が届き――

【特集 男たちの領分】

◇ノンフィクション・小説

増田俊也/続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか 新連載
――全身全霊をもって、木村政彦を現代に甦らせた前作から七年。木村生誕の地で感じた「ある決意」が、再び作家の筆を走らせる

◆足立 紳/妻としちゃった
――待ちに待った三か月ぶりのセックス。なのに、妻はつれなくて

三羽省吾/ブル
――試合に勝った直後に判明した病。引退の声が聞こえる中で――

◇マニアックエッセイ

◆安田理央/駅弁大会の密かな愉しみ
――百貨店の催事場で繰り広げられる「駅弁大会」。チラシの見方から駅弁遠足まで、おじさんたちのユカイな遊び方指南

◇特別観戦記

◆ゆでたまご 嶋田隆司/永遠のプロレス少年
――馬場、猪木に夢中だった少年は、その愛を自らの作品『キン肉マン』にぶつけた。一時代を築いた漫画家は、平成プロレスに何を見いだすのか

【特集 ロードノベル2018】

◆長岡弘樹/傷跡の行方
――被災地で乗り合わせたセダン。運転手は何か隠しているようで

水沢秋生/ヒッチハイカー
――情けで乗せてやったうらぶれた中年男に重なる三十年前の記憶

藤田宜永/銀輪の秋
――偶然併走することになった自転車の男の子。連れて行かれたのは

【シリーズ完結&新連載】
◆木皿 泉

◇かげ〈小説〉 シリーズ最終話
――動かなくなったペット用ロボ。その姿に自分の過去を重ねて

◇続・カゲロボ日記〈エッセイ〉 新連載
――小説を書いた夫婦脚本家に訪れたある地獄。大好評連載復活!

【連載インタビュー】
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち
 第五回 橋田壽賀子(脚本家)

【特選短編小説】
原田マハ/マドンナ
小田雅久仁/ミカラダ(二ヶ月連続掲載)
原田ひ香/住民会議 (後編)
畠中 恵/むすびつき しゃばけ

小説新潮作家名鑑
◆増田俊也
――好奇心旺盛、収集家の作家の仕事場は、さながら秘宝館

【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉畠山理仁
〈あのとき聞いた音楽〉三品輝起
〈マイルーティーン〉ヨモギダ

【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉 高頭佐和子

【好評連載小説】
あさのあつこ/ハリネズミは月を見上げる 最終回
石田衣良/清く貧しく美しく
乾 緑郎/杉山検校
逢坂 剛/鏡影劇場
奥田英朗/霧の向こう
乙川優三郎/二十五年後の読書
加藤 廣/余録・天草の乱 第二部・前編
窪 美澄/トリニティ
熊谷達也/我は景祐
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
高田崇史/姫神の葬祭―天照大神暗殺― 最終回
楡 周平/鉄の楽園
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
野口 卓/大名絵師写楽
初野 晴/世界の果ては二つ
薬丸 岳/刑事弁護人
山本文緒/自転しながら公転する

【連載エッセイ・マンガ】
Oka-Chang/へそのお
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
武田砂鉄/ポジティブ・ファシズム
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
西 きょうじ/そもそも 最終回
道草晴子/下北日記
群 ようこ/じじばばのるつぼ

第五回「新潮ミステリー大賞」募集要項
日本ファンタジーノベル大賞2018」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

94歳のラストメッセージ

 一昨年夏の刊行以来ベストセラー街道をひた走り、ついに100万部を超える大ヒットとなった『九十歳。何がめでたい』。その著者である佐藤愛子氏が、これこそ何としても書き遺しておきたいと筆を執ったのが、本号より集中掲載する「冥界からの声」だ。過去にも死後の世界、霊の世界への深い考察を綴ってきた氏が、今なお現在進行形で体験し続けている信じ難い出来事。今回はその発端が語られるが、小説顔負けの異常な展開には慄然とさせられる。94歳の最後のメッセージを、100万読者は噛みしめる必要があろう。
「特集 男たちの領分」では、熱い力作『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』で話題となった増田俊也氏が、その続編をスタート。また、かつて少年の心を鷲掴みにした『キン肉マン』作者のゆでたまご・嶋田隆司氏は、プロレスへの衰えぬ情熱を観戦記で吐露する。そしてペリー荻野氏「テレビの荒野を歩いた人たち」に登場するのは、大御所脚本家の橋田壽賀子氏だ。

小説新潮編集長 江木裕計

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞