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【第31回山本周五郎賞決定発表】
【夏の時代小説特集】

小説新潮 2018年7月号

(毎月22日発売)

特別定価1,069円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/06/22

発売日 2018/06/22
JANコード 4910047010787
定価 特別定価1,069円(税込)
■まとめ テーマでくくる 本選びのヒント
「山本周五郎賞」歴代受賞作家と作品

■目次
【第31回山本周五郎賞決定発表】

[受賞作]小川 哲/ゲームの王国(抄)
——激動のカンボジアの過去、未来を舞台に、権力に抗い、生き抜き、そして理想を求めた、ある男女の交錯する運命

[巻頭グラビア]活況の記者会見をキャッチアップ!

[受賞記念エッセイ]選考会前後の大惨事と抱いた決意

[選評]石田衣良荻原 浩角田光代佐々木譲唯川 恵

[歴代受賞作家競作]
恩田 陸/楽譜を売る男
——コンサートホールのロビーで男が売るのは楽譜なのか

今野 敏/荷物 隠蔽捜査外伝
——まさかまた、俺は父に迷惑をかけてしまうのだろうか

重松 清/シリーズ『まなつ』 第一話 キープ・スマイル
——新たな命を迎えた安西家の日々は、こうして始まった

篠田節子/寿老人 肖像彫刻家 最終話
——別れた妻がある美術の賞を受賞し、連絡が復活したが

帚木蓬生ろす
——看護婦として戦争を生きた老女が語る、隠された悲劇

原田マハ/豪奢
——身分不相応と思いながらも、今の生活をやめられない

米澤穂信/守株
——私は落ち着いていますよどうぞ私を捕まえてください

【夏の時代小説特集】
〈新連載〉
安部龍太郎/迷宮の月
——時は七〇二年。遣唐使たちは大志を胸に則天武后が統治する唐へ向かった。作家生活三十周年記念連載、満を持して開幕!

〈特別対談〉
◆「文の国」中国に向き合う覚悟/安部龍太郎×氣賀澤保規(中国史研究家)
——唐と日本の関係を描く「迷宮の月」がより愉しめる必読の対談

◆木下昌輝/戀童れんどう夢幻 乱の章 前編
——信長様の寵愛を得たい。森乱の恋慕はやがて悲劇へと——

霧島兵庫/フラウの戦争論 ラ・ベル・アリエンスの飼い犬(後編)
——クラウゼヴィッツが人生を賭した「戦争」。その結末は……

志川節子/芽吹長屋仕合せ帖 それぞれのとき
——昔の稽古仲間が亭主に逃げられたと聞き、おえんは堪らず

藤原緋沙子/へんろ宿
——一弦琴の調べが聞こえる宿に、雨の中一人の浪人が訪れて

◆三好昌子/百鬼遊行絵巻 雨の段
——光信の絵師としての出発点には、ある出会いがあって——

諸田玲子/黒船 お鳥見女房ふたたび
——異国の船が浦賀沖に来航、その波紋が珠世たちにも……

【新連載長編小説】
黒川博行/熔果
——明日、わしにつきあえや——。電話の主は、元同僚の伊達だった。元大阪府警マル暴担当刑事コンビが小誌初登場!

【新連載エッセイ】
◆ハライチ 岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
——日常に潜む違和感を綴る、新感覚アルカイックスマイル・エッセイ

【大好評短期集中企画】
佐藤愛子/冥界からの声
——ついにひふみは天上界に上った……はずが、再び鳴る電話

【連載第二回】
西村京太郎/富山地方鉄道殺人事件

【連載エッセイ・ノンフィクション】
Oka-Chang/へそのお
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち
増田俊也/続 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
群 ようこ/じじばばのるつぼ

【バラエティコラム】
〈わたしの愛用品〉あやや
〈もういちど会いたい〉掟ポルシェ
〈いつか住みたい街〉杉田比呂美

【連載コラム】
◆本の森——新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉石井千湖
〈恋愛・青春〉高頭佐和子

【好評連載小説】
赤川次郎/いもうと
石田衣良/清く貧しく美しく
逢坂 剛/鏡影劇場
奥田英朗/霧の向こう
熊谷達也/我は景祐
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
楡 周平/鉄の楽園
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
初野 晴/世界の果ては二つ
早見和真/ザ・ロイヤルファミリー
藤野恵美/サバイバーズ・ギルト
薬丸 岳/刑事弁護人
山本一力/船旗を替えよ!
山本文緒/自転しながら公転する

第六回「新潮ミステリー大賞」募集要項
日本ファンタジーノベル大賞2018」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

大胆不敵な「二部構成」

 上巻ではポルポト政権下のカンボジアでの少年と少女の出会い、そして下巻では脳波測定を利用したゲームの開発——一見結びつき難い大胆な二部構成によって、小川哲氏の『ゲームの王国』は日本SF大賞を獲得し、今年の山本周五郎賞の選考会を白熱させました。詳細は選考委員各氏の選評をお読みいただくとして、この受賞作が、高いエンターテインメント性を兼ね備えていることは確かでしょう。巻頭グラビアや受賞記念エッセイで、31歳の俊英の素顔をお確かめ下さい。また、歴代受賞作家競作も豪華な顔触れ。恩田陸今野敏重松清篠田節子帚木蓬生原田マハ米澤穂信という文壇を担う先輩方が、存分にその腕前を披露しています。
「夏の時代小説特集」には、安部龍太郎氏の新連載「迷宮の月」に加えて、新鋭からベテランまで6氏が寄稿。さらに黒川博行氏の長編「熔果」、お笑いコンビ「ハライチ」岩井勇気氏のエッセイ「僕の人生には事件が起きない」の連載もスタートします。

小説新潮編集長 江木裕計

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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