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疲れた胃腸を元気にする 週末ビーガン野菜レシピ

本道佳子/著

1,430円(税込)

発売日:2017/04/27

  • 書籍
  • 電子書籍あり

調子がいいのは野菜のおかげ! 肉魚抜きでもボリューミーで美味しい、奇跡のヘルシーメニュー。

ビーガン料理とは、野菜、果物、海藻などの植物性素材だけで作る、動物性ゼロの完全菜食のこと。低脂質で食物繊維豊富な料理がお通じを良くし、腸内環境を整えて免疫力もアップさせます。主菜から副菜、ごはんにスイーツまで、世界で活躍する「野菜の伝道師」が75レシピを紹介。毎日は難しくても、週末なら始められる菜食生活。

目次
まえがき
週末ビーガンのすすめ
ビーガンの◯と×
大切な野菜選び
ビーガンの味方、からだにやさしい調味料
Part 1
残りもの野菜でビーガンに挑戦
だいこんでにぎやかな食卓を
だいこんの日向ぼっこソテー/パレットだいこんもち
にんじんは甘みと食感が決め手
にんじんのカラメリゼ/にんじんとせりのパリパリサラダ
キャベツは大胆に使うこと
キャベツとパクチーの合わせそば/円盤キャベツのだいこん合わせ
Part 2
ビーガン主菜で大満足
大豆もやしのピーナッツバター鍋
シャキシャキそうめんチャンプルー
青菜の山椒炒め
山芋とアルファルファのしゅうまい
コロコロ秋味コロッケ
夏野菜の焼きポン酢
不思議なつかし豆腐オーブン焼き
Part 3
食卓を彩るビーガン副菜
セミドライなすの薬味和え
さやいんげんの揚げきんぴら
さつまいものみそナッツ和え
カリフラワーケーキ
なすのディップ バゲット添え
ズッキーニとオレンジのノンオイルマリネ
色とりどり野菜マリネ
しらたきのアマランサス和え
おかひじきと菊の白和え
黒豆と菊ときのこの酢の物
切り干しだいこんのエスニック風サラダ
温野菜のミントサラダ
2色のさつまいもサラダ
ミルフィーユサラダ トマトドレッシング添え
アボカドのボートサラダ
フルーツとかいわれのグラノーラサラダ
はるさめが主役のサラダ
フルーツおめでたサラダ
Part 4
腹ぺこにはビーガンごはん
きのことトマトのノンオイルリゾット
トマトが決め手のあぶら麩丼
お漬け物入り手巻き寿司
笑顔寿司
オリーブごはん
カリフラワーの炊き込みカレーピラフ
おとなキャベツサンド
ブロッコリーと大葉ペーストのパスタ
ねぎと豆腐のほんわかパスタ
酒粕入り豆乳グラタン
パリッと焼きそば
油とろろそば
ごまだれそば なすのビュレ添え
変わりお好み焼き
丸もちとさといも雑煮
Part 5
あったかビーガンスープ
重ね煮みそ汁
白のポタージュ ポルトガル風
やさしいクレソンスープ
ココナッツ MISOスープ
丸麦のヤングコーンスープ
白菜とさつまいもの白みそポトフ
じゃがいもとわかめの切り干しだいこんスープ
Part 6
自然な甘みのビーガンスイーツ&ドリンク
豆腐クリームサンデー
金時しゅうまい
ところてんポンチ
お茶がらのパンケーキ
スイカのキラキラ寒天ゼリー
アジア風豆乳マンゴーそうめん
ごまバナナ豆乳とバナナのごまよごし
レモンジンジャーとスイカパンチ
スパイシー豆乳チャイとみりんレモン
Part 7
便利なビーガンの作り置き
トマトの作り置き
トマトのオイル漬け/トマトと豆腐のみそスープ/オイル漬けトマトサラダ
ひじきの作り置き
ひじきの酢漬け/きゅうりと山芋のひじき酢和え/ひじき酢ごはん
かぼちゃの作り置き
かぼちゃの煮物/ラディッシュかぼちゃ/かぼちゃのディル和え
トマト+ひじき+かぼちゃ
油揚げのカナッペ
ビーガンに国境はない
あとがき

書誌情報

読み仮名 ツカレタイチョウヲゲンキニスルシュウマツビーガンヤサイレシピ
装幀 佐藤茂(アイズフォトスタジオ)/撮影、鈴木恵美/ブックデザイン
発行形態 書籍、電子書籍
判型 A5判
頁数 96ページ
ISBN 978-4-10-350921-9
C-CODE 0077
ジャンル クッキング・レシピ
定価 1,430円
電子書籍 価格 1,144円
電子書籍 配信開始日 2017/10/13

書評

心も満たす「和ビーガン」

馬場典子

 小学校の給食ではおかわりの列に並び、大学では男子学生向けの丼ものも完食していた食いしん坊の私。旅行のガイドブックは、いつもグルメページからめくります。美味しいものをいただくことが何よりの楽しみで、一番のストレス発散法でもあります。
 それでよく誤解されるのですが、実は私は胃腸が強くありません。消化能力が低いらしく、レアのお肉は消化し切れず、サシの入ったA5のお肉は胃もたれします。収録の合間に急いでお弁当を掻き込むと、10分後には胃がまるでストを起こしたかのように固まり、しばらく痛くて動けません。
 社会人となったある日、小さい頃から油ものが苦手だった私が、奮発して天ぷら屋さんデビューしたときのこと。まず、揚げ物ばかりをお腹いっぱい、最後まで美味しく食べられたことに驚きましたが、もっと驚いたのは、翌朝。久しぶりに空腹で目が覚めたのです。油ものが悪かったのではなく、いい油かどうか、新鮮な油かどうかが大事なのだ、と身を以て知りました。
 そして四十代になると、食べものだけでなく、服の素材で肌の感触が変わったり、一晩夜更かししたら回復するのに一週間かかったり……なんて経験もして、量より質という意味、体を労る大切さが身に沁みてきました。
 本道佳子さんに初めてお会いしたのは、そんな、色んなことの本質がちょっと見え始めたとき。ジャンルを問わず好奇心が旺盛なところ、自分自身が体験・体感することに面白みを感じているところ、人が喜んでくれると嬉しいところ、そして、美味しいものを頂くのが大好きなところ。なんだか同じにおいがして嬉しかったことを覚えています。
 なんと佳子さんは、高校生ですでに「世界のお母さんになろう」と心に決めていたそう。そして、25歳のときに、世界中の人が集まり、世界中のお母さんの料理に触れられるだろうという理由で、ニューヨークに渡ります。そこで美味しいものは世界の共通言語だと確信し、やがて完全菜食のビーガンと出会ったそうです。
 佳子さんが提唱する「和ビーガン」という言葉に込められているように、原点が、「世界中の人々が、安心して同じものを食べられて、笑顔で食卓を囲み、平和を分かち合い広めるため」であることは、いま流行りの他のビーガンとは一線を画しています。
 メニューを決めずに買い出しをして、お野菜に合わせて創られる佳子さんのお料理は、彩り、香り、味、食感、調理法……と自在な変化があって飽きないし、胃が疲れることもありません。むしろ、食べれば食べるほど身も心も元気になります。馴染みの食材には新鮮な驚きがあり、珍しい食材には懐かしさがあります。例えば、ビーガンなのに豚肉の混ぜごはん? と思ったら、よく見ると割干し大根だったり。甘辛の煮ごぼうかと思ったら酸味があったり。
 ある冬のこと。「煮ものにしようと切ってみたらあまりに瑞々しかったので、生がいいと思って」と言いながら佳子さんがふるまってくれた大根は、1センチほどの賽の目にして醤油で和え、柚子の皮を散らしただけの簡単な一品に。ところが、食べてみてその奥深さにびっくり。それ以上小さかったり薄かったりすると水が出やすいし、香りは飛び、食感も半減してしまう。そんなことを瞬時に見抜き、目の前の野菜の魅力を最大限に引き出すのだから本当に凄い。その大根は幸せなほど優しい甘さで、初めて、種としてではなく、一本の大根の「個性」を味わいました。もし、手にした大根がもう少し固めのものだったら、お箸ですっと割れるほっこりした煮ものが、私たちを笑顔にしてくれたのでしょう。
 佳子さんのお料理の多彩さは、大地の恵みの多彩さ、豊かさそのものと気づかされます。人と人に限らず、食材とも一期一会。料理とも一期一会。なのですね。
 最後に、本書で初めて知ったのですが、佳子さんはビーガンにとって貴重な甘味料であるはちみつを使わないそうです。その理由が何とも佳子さんらしく、思わずクスッと笑ってしまいました。曰く、蜂が自分たちのために一生懸命集めたものを横取りしたくないから、なんですって。

(ばば・のりこ フリーアナウンサー)
波 2017年5月号より

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著者プロフィール

本道佳子

ホンドウ・ヨシコ

東京都生まれ。高校卒業後、フードコーディネーターの道に進み、25歳で単身ニューヨークへ。高級レストラン「Hudson River Club」で修業後、現地のVIPが集う「野村エグゼクティブダイニング」でスーシェフ(副料理長)に抜擢。その後、ロサンゼルスへ。ケータリングを手がけながらオーガニックやマクロビに触れる。2000年の帰国後、フリーの料理人として、映画の撮影現場やコンサートツアーの帯同シェフを務める。2010年、「国境なき料理団」を立ち上げ(2013年にNPO認定)、その本拠地として植物性の食材だけを使った野菜料理のレストラン、湯島食堂をオープン(2014年にクローズ)。自然災害被災地での炊き出し、そして医療施設などで、出張料理人としても活躍する。著書に、『湯島食堂 ちからがわく野菜の100皿 大人気野菜レストラン』『夢を叶える精進料理 湯島食堂のミラクルごはん』など。

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