旅カレンダー

世界では、日本ではどんなイベントがあるの?
編集部が面白がりながら厳選したイベント(お祭、催事)や小さな旅をご紹介

そのなかからピックアップしたおすすめ情報(週1更新)も、お楽しみに

おすすめ情報

9月1日~9月20日のイベントスケジュール(2010/8/20現在)

開催中~8月31日のイベントスケジュール(2010/8/20現在)


梅とパンダと熊野古道(西国33所巡礼1番、2番)

梅とパンダと熊野古道
今回は本格的に巡礼気分に浸ろうと、まずは夜行バスで出発してみることに。新宿発23:00「ドリーム和歌山号」、高速の夜行バス(¥8,910)です。はじめての夜行バスとあって友人を誘ってみると、「白浜のパンダ、見に行きたかったの~」とふたつ返事。私がいろいろ迷っていた夜行バスも、さっさと予約し、ほどなくパンダのお仲間がもう1人増えて、3人でバスに乗り込むことになりました。
バスは、週末のせいか、満席です。慣れた人は空気枕なんぞ膨らましています。テーブルに缶ビールとおつまみを並べて寝酒の用意をしている人も! 皆さん、なかなか達人ですねぇ。シートは3列。タオルケットもついていて、思っていたより快適です。甲州街道に出るまでの1、2分の間に、もう眠ってしまった私でした。

ドラマッチックな朝焼け

目が覚めたら目的地というのは、なにやら心躍るものがありますね。
朝日の気配で目覚めました。
ドラマッチックな朝焼け。元気がでそう


地図8時着の予定が、シーズンオフのせいでしょうか、30分も早く着きました!
さあ、ついに巡礼の始まりです。
JR和歌山駅から紀勢本線に乗って紀伊半島を半分回る旅。本日の予定はAll鈍行列車です。しかも4つの駅(地図の緑点のポイント)で途中下車し、夕方6時には宿に入るという、結構難度の高い旅なのであります。
が、地図をみてください。1番札所は南アフリカの喜望峰の裏側のような位置。難所の気配濃厚ですね…。
でもこの巡礼は、特急などはなるべく使わないでめぐってみたい気分。ただ、列車に1本早く乗れるか、逃すかでは、1日の予定が全く変わってくるのです。ま、そういうのも地方の鉄道ならではの面白味・・・というか、スリルというか、でも…大変です。ところが、バスの到着が早かったおかげで、予定より1時間も早い電車に乗れることになりました。ラッキ~♪です。

駅窓口で東京までの乗車券を買います。地図の左端の緑点からぐるっと紀井半島を回って、右端の名古屋を経由し東京まで帰るのです。(乗車券のみ5日有効/¥10,990)
ここでパンダに会いにいく2人と別れ、ひとり巡礼に向かいます。
土曜日の早朝、各停列車の中は大人の姿はほとんど見えないのに、通学の中高校生でいっぱいです。急に雲行きが怪しくなって、雪のようなあられが降ってきました。早速、「メールしちゃお♪」という女子高生の声。こんなことも、なにかものすごく楽しいらしい様子。笑い声の絶えない車内をあとに、2つ目の駅、紀三井寺駅で下車。


●2番札所〔紀三井寺〕
紀三井寺
たわわに実る金柑! 美味しそう 小鳥たちが、にぎやかに朝ごはんの真っ最中。こっちも釣られて、参道のお店で金柑を買ってしまいました。(¥250)
西国33所巡礼2番札所の「紀三井寺」は門をくぐると、すぐに急坂です。この後、女坂、男坂、厄年坂と、全部で200段に近い坂を上ります。まだ朝の8時過ぎなのに、もう参詣に来ているオバさまたちとすれ違います。「足が痛とうてねぇ」「私もよねぇ」というおふたりですが、この坂を上り降りできるんですから、たいしたものです。

紀三井寺
紀三井寺のお地蔵様インスタレーション。灰色の石像と赤いよだれ掛けが、とてもマッチしているので、いつもつい写真を撮ってしまいます。トップの右の写真もこのお寺のお不動様。お不動様とよだれかけのミスマッチが微笑ましくて
2番札所と水仙のお花。少しみぞれ混じりになってきて、南国といえどもひしひしと寒いです。正面はやはり桜の樹のアーチ。「日本桜の名所百選」に選ばれているほど。4月には悲しいほどに美しいお花が咲くことでしょう。


紀三井寺駅から1時間ほど列車に揺られると、御坊(ごぼう)、道成寺といった歌舞伎のような駅名が続きます。もうお察っしかと思いますが、この地は安珍、清姫の物語の舞台なのです。この深い山に、どんな生物が棲んでいてもおかしくないかも?と思わせられる原始的な山々が続きます。
道成寺を過ぎたころから小さな梅林がぽつぽつ目立ち始めてきました。お天気も回復して、車内にも陽がさしています。山には桜でしょうか、なんとなく薄ピンクにけぶっています。手入れされている感のない鬱蒼とした深山ですが、桜の頃は華やかな姿になるに違いありません いつかまた見にきたいものです。
さっき買った金柑を食べてみます。さすが、みかんの産地、こんなおいしい金柑は食べたことがありません! 列車にはほとんど乗客がいないので調子にのって…そして10分後、金柑独特のピリピリ感が強烈に唇の端にやってきて…。でも、金柑の逆襲を受けながらまた食べてを繰り返し、風景に見惚れていたのでした。
切目(きりめ)というなんだかスゴイ名前の駅をでると、その名のとおり山里がすっぱり切れてパッと、いきなり海になりました! 驚きつつも、自然は潔いいなぁと、海にくぎづけです。ほんと、ドラマチックな和歌山です。

今回は、「旅カレンダー」でもご紹介している“日本一の梅の里”南部(みなべ)の梅林にも行ってみたくて、ここまでやってきました。列車は、“日本一の梅林”岩代駅に到着しています。岩代の梅林は眼下に海が見渡せて、さぞかし良い眺めなのだろうな~と惜しみつつ、もう1駅先の南部へ。「旅カレンダー」で和歌山の梅林を知ったときに、“梅林”と“梅の里”、どちらにしようかと迷って、“梅の里”というやさしい響きをとったのでした。

さて、実は、ここに来る前に、「旅カレンダー」の確認のために「梅の里観梅協会」にお電話をしたところ、「う~ん、3月8日の閉園のつもりだったんやけんどね~。今年はもうねぇ、花がねぇ終わりそうなんよ~、22日で終わりにするかもしれんし~」と、何とも心もとない正直なお答。はたして…。

南部(みなべ)の梅林

見渡すかぎり梅林また梅林。目の前の山の斜面も、その両側の山も、その奥の山も! 一目百万本、香り十里と呼ばれるだけあります。まさしく“梅の里”。のんびりしていて、桃源郷の風景です。


南部(みなべ)の梅林

南部は県内でも暖かい土地らしく、今年はことのほか春が早かったようです。
老若男女、沢山の家族連れが訪れています。道の脇には小さなお店が並んでいます。「やっぱりこういうところはお買い物が楽しいなぁ」と、すれ違うオバさまたちの声。なぜか大根を買いこんでいる人も多いのです! お土産やさんに大根のお漬物も多いということは、大根の名産地なのかも?(ということで、私もついウッカリ買ってしまいました。聖護院大根(¥100)。甘くて美味しいんですよね~。ナゼか2つも…。手作りの梅酢、もちろん梅干しも。粒は特大です


*開園中は南部駅からシャトルバス(片道¥250)もでてます。
*梅花テレフォン情報 0739-74-3219
*梅の里観梅協会 0739-74-3464


先日、南海電鉄のKさんから、勝浦方面にいくのなら是非、串本にある無量寺の長沢芦雪の襖絵をみてきてください、と勧められていました。誰かが、パッションをもって勧めるものはきっと何かがあるものです。…ということで、梅の里をパタパタと足早に切り上げ、(買い物も出来たし…ん?なんか違いますね)一路串本へ!

南部から白浜を過ぎる辺りまで、梅林が結構続いています。梅干にもバリエーションがありそう。次にくるときは、梅干研究したいものです。この辺りは「クエ」の養殖に成功したとかで、クエ鍋も盛んなのです。今回は、いろんな誘惑を振り切っての巡礼旅なのです(涙)。白浜といえば、今頃パンダ組は興奮しまくっているんでしょう。
途中、お昼用に買った紀州名物「さんま寿司」を車中でほお張り、デザートは金柑という紀州尽くしで、しのぎます。

車窓

突然、またしても海が広がります。これは! 世に言う「絶景駅」なのではないでしょうか?
時間があれば1時間くらい降りて、ぼ~としていたい気もします。(注:でも時刻表と要相談ですよ。くれぐれも。)



無量寺

無量寺。禅宗のお寺なのでシンプルです。でも、さすが串本、お寺も南国風。芦雪は無量寺以外のこの地の禅寺にも襖絵を描いているそうです。それらを訪ねる旅もまた面白いかもしれません。


門前のヒマラヤ杉から落ちてくる松ぼっくり。

無量寺のお土産。門前のヒマラヤ杉から落ちてくる松ぼっくり。掃き清められた杉の下にハラリと落ちている姿は、まるでバラの花。珍しいので1個だけ拾ってきました


芦雪は江戸時代の絵師。円山応挙の弟子で、虎と龍の襖絵が特に有名ですが、仔犬や猫や猿、雀といった小動物、子供たちの描写もとてもオチャメでいいんですよね~。展示室は保管にも展示にも心配りされていて、墨絵の襖絵をタップリ堪能させていただきました。なんか潤ったな~。Kさん、有難うございました
串本応挙芦雪館¥1,000

表の看板になっている芦雪の虎。左は我が家のトラ猫くん。

表の看板になっている芦雪の虎。(かなりコピーされたものなので、本物とはなにか違うものに……。)猫を虎に見立てて描いたのでは、という説もあるそうです。川面の魚を狙う猫の姿が、魚の眼にはこう映っているのだとか。なるほど! 左は我が家のトラ猫くん。怒っているので、虎っぽい?


駅前の干物屋さんで出会った珍品「さんまの丸干し」。

駅前の干物屋さんで出会った珍品「さんまの丸干し」。冬しかない紀州の名産なのだそうです。秋から北海道で取れた脂ののった秋刀魚が、紀州まで降りてきたのを“吊し干し”したもの。南下するうちに、脂はほどよく抜けているのだそう。これと、関西圏独特の食材クジラのコロを購入(なんだか、買い物ツアーの様相になっていますね…。)



串本から本日の最終地点、紀伊勝浦まで、列車は、豊かな岩の造形が目を楽しませてくれる、和歌山きっての景勝地を走ります

串本から本日の最終地点、紀伊勝浦まで、列車は、豊かな岩の造形が目を楽しませてくれる、和歌山きっての景勝地を走ります。
和歌山県側は太平洋の荒波にもまれているせいか、雄雄しく尖った岩が多い。(上)の橋杭岩のように、気が付けば奇岩がいっぱい!


本日の最終駅、紀伊勝浦駅から17時発のバスにて「那智の滝」へ。約30分(¥600)

どっちを向いても山、山、山!

バスに10分ほど揺られるうちに、こんな深い山の中にはいってきました。
空気が違います。ピンと張りつめたような空気。
どっちを向いても山、山、山!


那智の滝

気がつくと、ドドドドーーッという、
お腹に響く音が近づいてきました。
どんどん響いてきます。

ついに那智の滝とご対面!
本物の滝の迫力に言葉もありません。


今夜の宿は、「宿坊 尊勝院」です。(1泊2食付/¥8,400/0735-55-0331)バス停まで、お寺の方が迎えに来てくださいました。今夜は宿泊者が少ないので、手取り足取り。ここまできて、温泉にも入ってないとわかると、総勢4名の宿泊者を那智駅に隣接した公共温泉(源泉掛け流しです!私はここで、寒冷ジンマシンが治ってしまいました!!)まで連れて行ってくださるし。初心者には有難いお心遣いでした。

宿坊 尊勝院

那智の滝がすぐそこに望める宿坊。
1番札所「青岸渡寺」も、このすぐ上に。


この宿坊に来て、はじめて、熊野古道をどういうコースで歩くのがいいのか分かった気がします。ここを基点に4~5泊で歩く外国のお客様も多いとか。熊野古道はいろいろな入り方ができますが、この那智の地が、熊野古道の一旦であることも、遅ればせながら、やってきてはじめて理解できたのです。

夜、北斗七星が目の前に巨大な姿で横たわっていました! 星の色まで分かるほどの空。こんなことにも、素直に感動してしまうくらい、この山の空気は澄んでいました。


●1番札所〔青岸渡寺〕
朝5時、青岸渡寺の扉は開かれます。西国巡礼33寺のうち、1番札所のこのお寺だけが、朝5時からの拝観を受け付けておられます。宿坊に泊まったのは、この拝観を体験するためでもありました。

手を清め、本堂へ。

手を清め、本堂へ。
暗闇のなか、ここだけが
灯をともしている。


拝観の後、火鉢で暖をとりながらお話をすることになりました。
お堂にはひとり年配の男性の方が。拝観の後、火鉢で暖をとりながらその方とお話をすることになりました。その方は、7年間をかけて、500回お参りをされているのだそうです。あと5日で満願とのこと。開いた“御朱印帳”の1ページ目は、写真のとおり真っ赤。495回、このお寺で御朱印が押されてきたからです。お寺が出してくださったお茶をいただきながら、じっくりお話を伺うことができました。
ここでお目にかかったのも何かのご縁。この方の帰り道、先達として古道を一緒に歩いていただくことに。

お寺の階段を降りると、目の前に広がる墨の濃淡の世界。

お寺の階段を降りると、目の前に広がる墨の濃淡の世界。山の端の朝日の光が感動的!
山門の仁王様、熊野那智大社への丁寧なご挨拶をひとつひとつされていく先達の動作に、無駄はありません。


那智大社の先にある大門坂を下ります。

那智大社の先にある大門坂を下ります。先達の足なら、上り25分、下り20分だそうです。下りでも、こちらは足手まといにならないように、ついていくのがせいいっぱい。満月の夜は神秘的に美しいとか。


大門の入口にでました。まばゆい朝日!
大門の入口にでました。
まばゆい朝日!

先達とここでお別れ。足早に歩かれる後ろ姿は、アッという間に道の向こうに消えていきました。こういう一期一会も、旅なればこそ。
さて、人は、何ゆえに巡礼をするのでしょうか? 雑誌「新潮」2009年2月号に掲載された橋本治さんの「巡礼」のような答えもあれば、今日はじめてお目にかかった先達の巡礼もあれば、私の巡礼も。その答えは今はまだ考えないでおきましょう。

那智大社の先にある大門坂を下ります。

こうして、鈍行の旅は名古屋まで続いたのでした。そうやって、すこしずつ東京時間に戻すのです。今回は、名古屋からは一気に新幹線でした。チケットには、途中下車の印が


〔3月に秘仏公開している西国33所のお寺〕
青岸渡寺、石山寺、清水寺、壷阪寺、松尾寺など。

〔白浜のふたごの赤ちゃんパンダに会いたい方こちらへ〕
アドベンチャーンワールド
アドベンチャーンワールド(パンダランド)

2009年03月10日   おすすめ情報
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