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「鍋料理」写真の撮り方

カメラマンのSです。今回は「鍋がおいしい日本の宿」(「上海」特集1月号掲載)の撮影で金沢へ。ちなみに、1月号で私が担当したのは金沢の海鮮いしる鍋と、日立のアンコウ鍋の撮影です。

金沢駅でレンタカーをゲットし、編集部のMタロウの運転で金沢茶屋へ直行。金沢茶屋は駅のすぐ近くにあって、大きなビルに囲まれるように建っています。

今回、取材でお世話になった金沢茶屋さんのエントランス。

今回、取材でお世話になった
金沢茶屋さんのエントランス。


ビルに囲まれて建っているが、和モダンな雰囲気が目をひく。

ビルに囲まれて建っているが、
和モダンな雰囲気が目をひく。


いつの間にか上手くなっていたMタロウの運転で細い道を入って玄関に。
玄関を見るととても趣きがあって、そこだけ違う空気を感じます。
エントランスもモダンで照明も感じ出してます。

●海鮮いしる鍋
金沢茶屋のおすすめ鍋は「海鮮いしる鍋」。“いしる”は能登半島の珠洲(すず)産のイカのものを使用しているとのこと。“いしる”は魚醤独特のにおいがあるけど、一度嵌まると忘れられなくなります。
だから、贅沢な食材たち、甘海老、ずわい蟹、加賀野菜が入ったとなればうまいんです。

こちらが、海鮮いしる鍋。

こちらが、海鮮いしる鍋。
料理撮影のなかでも、難易度が高くて気を使うのが鍋。
湯気がたっているのに、なかなか写ってくれない。


撮影前には、湯気をどう見えるようにするかとか、撮影時に鍋の具材たちはどんな状況になっているとか「鍋の中の景色」をイメージしたり、料理長さんたちと野菜や豆腐の投入はどのタイミングがいいかなどを打ち合わせしたりと、やることが結構あるんです。
もちろん撮影後には、活躍してくれた食材たちをありがたく頂戴いたしました。
やっぱ、“いしる”のにおいは、グッときます。

こちらは「ブリしゃぶ」。 こちらは「ブリしゃぶ」。

こちらは「ブリしゃぶ」。こちらもおすすめ。11月下旬から2月にかけては、寒ブリの旬。ササーッと湯にくぐらせていただきます。寒ブリ、最高です。


●もうひとつの金沢旅行、小説「ゼロの焦点」の地へ
1月号別冊付録「松本清張の小説のゆかりの地を訪ねる」 1月号別冊付録「松本清張の小説のゆかりの地を訪ねる」の取材のため、鶴来(かくらい)、能登へも行ってきました。
目的地に行くには能登有料道路を走る。……となると、ドライブしてみたいのが「千里浜なぎさドライブウェイ」! 日本で唯一、天然砂浜を走れるドライブウェイなのです!
全長8km! ここでしか味わえない! 

……ところが、そう、雨です!……これは雨?……というか暴風!……台風なのか??!!
ああ、この度もついてきました、台風が。
前日の天気予報で聞いてたけど、こんなに本気出さなくっても。。。

涙をのんで砂浜をあきらめ、有料道路を走る。でも視界は悪いし、前を走るトラックは暴風のためグラグラ揺れてるし。Mタロウ、ごめん(雨男で)。揺れるトラックよりも、Mタロウの目が怖いので謝っておく。(編集部より:Sカメラマンの雨男伝説にご興味のある方は、【旅なび~最新号こぼれ話~】「スイスの車窓から」「ヘレンド陶磁器工房へ」もどうぞ)

暴風雨のなか、決死の覚悟で撮影した日本海。

暴風雨のなか、決死の覚悟で撮影した日本海。清張作品のイメージに
ぴったりな海の景色。と思ったのですが、本誌では採用されず。残念。


●鍋写真は、湯気がいのち! (Sカメラマン料理写真Q&A)

こちらは茨城県日立のはぎ屋旅館さんのアンコウ鍋。

こちらは茨城県日立のはぎ屋旅館さんのアンコウ鍋。
いい感じで湯気が撮れた写真。ひと安心。


Q:前回の雨男伝説のインタビューで、上の嵐の海写真が掲載されるという予告をしていたけれど、雨男だけに、流れてしまったってことですね。
A:うまいこというね。
Q:前回登場した時、写真があまりにきれいなので、評判でしたよ。
A:うれしいけど、僕、一応カメラマンなんで、編集部のみんなの写真と較べられても……。
Q:そうそう、そのプロに聞いてみたいことが。今回のテーマ、お料理写真を美味しそうに撮るコツを教えて。
A:お料理には、大きく分けて(1)柔らかいもの(2)固いもの(3)生のものの3種類画あるって思って。(1)の柔らかいものは、油もの・フライもの。光を吸収してしまうので、やや強目の光を当てないと立体感がなくなってしまうの。(2)の固いものは、ステーキのような黒いもの。いくら光を当てても、黒は黒。なので、写しこみを入れるの。
Q: 「写しこみ」とは?
A:例えば料理の横にトレペをたらして、そこに光を当てるとか。その柔らかくなった光をステーキに写しこむわけ。(3)の生ものは、光を当てると見た目に“照り”が出るの。スーパーのお刺身売り場だと、すごく美味しそうにみえるでしょ? あれです。当てすぎるとワザとらしくなるから、キラッとするくらいがいいかな。
Q:なるほど。でも素人には光の具合の前に、まずは構図かな? とも思うけど。
A:そうか。僕の場合、料理のお皿がでてきたら、まずはそのお皿をひと回しするの。自分がいいなあと思う料理の表情があるんだ。1周させたら、今度は上下から見てみるの。上から見たり、下から覗いたり。下の表情もあるの。エベレストみたいに見えたりしてね。
Q:楽しそうですねぇ。お鍋の場合もそうやって構図を考えるの?
A:そう。でもお鍋で一番大事なのは、湯気と煮立ち感かなあ。湯気は、背景の色で見え方が全然違ってくるの。上のアンコウ鍋はいい感じで湯気が撮れました。料理人の方は、さすがプロ、鍋のふたの開け時がわかっているんだよね。
Q:でも、それは、一番いい食べ時でしょ?
A:確かに。そうなの。。。写真では、野菜はシャキッとしてたほうがいいし、豆腐もとろける豆腐の場合もあるので、こちらもちゃんと形になってないと変だしね。僕らは、写真のためのベストタイミング。ちょっと違うから、やっぱり事前打ち合わせには気を使うよね。汁はいつもより少なめにとか、予備の野菜は必ず横に置いてもらっておくとか。
Q:鍋だと、アク取りもしないとね?
A:そう。一応、必ずアク取りシートはハンズで買って持っていってる。
Q:さすが! ところで湯気の撮り方って?
A:……うーん。やっぱり背景を選んでってこと。それと、ちょっとしたコツもあるんだけど……それは、ごめんなさい、企業秘密にさせて。
Q:ええッ!?
A:まあ、料理写真も、自分の構図を見つけたら、自然光で撮ってみたらいいんじゃないかなあ。自然光は写真の強い味方だもの。
Q:でもSさんの場合、雨の日多いじゃない?
A:雨の日でも太陽は上にあるの! ないわけはない!! 皆さん、頑張って自然光ポイントを探してね。あと、ピントはちゃんと合わせてね。

●“いしる”コレクション
今までの取材で、すっかり“いしる”に嵌ってしまいました。出張先のスーパーに寄って買うことが多いです。地元の人用にイワシやサバの“いしる”もありますが、私は「いか」の“いしる”が好きです。

私の“いしる”コレクション。

私の“いしる”コレクション。
“いしり”というところもあります。
右端が一番使っているイカのもの。


海鮮いしる焼き、うまいです。刺身にお醤油代わりにつけるとうまいです。里芋とタコの煮物、肉じゃが、シチュー、カレーにも隠し味で入れるとコクがでます。(と思います。)

(by Singo。最近は晴れの日もあります!)


◆松本清張の小説の世界、鶴来の旅行案内は、【旅なび~最新号こぼれ話~】「思い立ったら石川旅行♪」もどうぞ。

2009年12月22日   食べる
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