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近江路の秘仏(西国33所巡礼14番13番)

近江路の大津にある三井寺蔵の「如意輪観音菩薩坐像」。右は十四番札所の観音堂。
西国巡礼で最も美しいかも? 近江路の大津にある三井寺蔵の「如意輪観音菩薩坐像」。平安時代に作られた秘仏の観音様です。現在、サントリー美術館で開催中の「国宝 三井寺展」でお目にかかれますよ。右は十四番札所の観音堂。

2008年は、「源氏物語」の千年紀ということで、たくさんのイベントや出版がされました。さすが「源氏物語」、さすが千年の力です。
さて、「西国三十三所巡礼」も、起源は奈良時代(700年頃)といわれていますので、「源氏物語」よりももっと長い歴史をもつ、日本最古のいわば“千年巡礼路”。
観音様が33の姿になって導いてくれるという33の巡礼路は、風光明媚な土地を巡ります。旅行の楽しみもあるし、仏像の中でも観音様のお顔は柔らかで優しいということもあって、最近では仏像初心者の女性の人気も集めています
さて、2008から2009年5月までは、長い歴史史上初めて、33の全お寺が順次、秘仏の公開をするという一大御開帳が始っています。70数年に一度のご開帳という秘仏もあり、今しか会えないお姿もありますので、この機会にいかがですか?

西国巡礼を知らなくても、京都の「清水寺」は、ご存知の方も多いですよね。この「清水寺」も33寺のひとつ。行かれたときには「西国三十三所巡礼」の碑を探してみてくださいね。(ちなみに「清水寺」の秘仏は2009/3/1~5/31まで公開されます。桜の美しい季節の京都もいいですよね)ほかのお寺も趣きのあるお寺ですので、きっと面白い発見があることと思いますよ。

西国というのは、東の国の人からみた西の国⇒「西国」。当然のことながら京都・大阪周辺を中心に兵庫・滋賀・奈良・和歌山などにお寺が点在しています。

滋賀県の琶湖周辺(近江地方)には、6つのお寺があります。その中でも最も名前を知られているのが、14番札所の「三井寺」と13番の「石山寺」でしょう。


●14番札所〔三井寺〕
14番札所〔三井寺〕

皆さんよくご存知のあの弁慶が、三井寺の釣鐘を奪って一晩で比叡山に引きずっていったとか、歴史のお話に事欠かないのが三井寺。上の地図の右上の山が弁慶のいた「比叡山」、山のふもとの建物群が、三井寺の全体です。2寺の間には琵琶湖が横たわっているのですが、なんとも、たいした距離を持っていったものですねぇ。本当に怪力というか、荒ぶっているというか・・・。三井寺では、この引きずられた跡の残る弁慶の鐘も安置されています。


三井寺の中心をなす金堂。

三井寺の中心をなす金堂。秀吉の正室ねねによって建てられています。


平安時代から戦国時代のお坊さんがどれだけの力をもっていたかは、実際にお寺に足を踏み入れると、ひしひしひしと感じられます。他寺との抗争、信長が焼き払い、秀吉が潰し・・・といった権力者との歴史を体感できるのも、実際に足を運んでこそのお楽しみ。
そして意外にも、秀吉や正室ねねによって寄進されたお寺の建造物の多さにも、驚くのであります!
が、まぁ、そのあたりのお話は、歴史の本にお任せするとしましょう。(最近の本では加藤廣さんの「信長の棺」なども、このあたりの状況がよく分かって面白いかもしれません。)

「三井寺」は、京都から2つ目の「大津」駅で降りて、徒歩20分ほどの山のふもとに広がるお寺です。
「三井寺」は、京都から2つ目の「大津」駅で降りて、徒歩20分ほどの山のふもとに広がるお寺です。駅から歩いていくと、迷っても左手の山を眺めるとお寺が見えているので、露地を探検しなが歩いても安心です

鮒寿司のお店「阪本屋」さん。(右)町内総出でわらを使って縄をなっているのでしょうか? こんな光景に出会うのも露地散歩の楽しみのひとつです。
路面電車の線路にレトロさを感じながら露地をうろうろ。偶然見つけた鮒寿司のお店「阪本屋」さん。気になるなぁ。開いてなくて残念! 鮒寿司は近江の食のポイントですので、次回のチャンスを待ちましょう。町内総出でわらを使って縄をなっているのでしょうか? こんな光景に出会うのも露地散歩の楽しみのひとつです。

(左)疎水を過ぎると、三井寺の裏門に着きます。(中)14番札所から三井寺の中心に向かう途中の階段。ともに、立派な桜の木に囲まれているので、その季節には、美しいこと、間違いなしですよ。
(左)疎水を過ぎると、三井寺の裏門に着きます。(中)14番札所から三井寺の中心に向かう途中の階段。ともに、立派な桜の木に囲まれているので、その季節には、美しいこと、間違いなしですよ


●13番札所〔石山寺〕
「石山寺」は、京都から4つ目の「石山」駅から、バスで20分ほど瀬田川に沿った場所にあります。
「石山寺」は、京都から4つ目の「石山」駅から、バスで20分ほど瀬田川に沿った場所にあります。宮廷の女性たちに人気だったというのもうなずける、なんともたおやかなお寺。「花のお寺」という呼び名もあるくらいです。紫式部が「源氏物語」を書く前にこのお寺にこもり、構想を得たことでも有名ですね。
この日は1月の末の粉雪舞う寒い朝。バス停の桜も寒そうでしたが、きっと今頃は桜の芽も春っぽく薄ピンクに膨らんでいることでしょう。境内の中央は桜の木のアーチになっているので、春の景色が楽しみです

13番札所の本堂を下から見上げます。

13番札所の本堂を下から見上げます。「清水寺」に似た張り出し舞台のような廊下から下界(?)が見渡せて、気持ちのいいお堂です。


奇岩、巨石の、自然の手によるインスタレーションが本堂の周りにいっぱい! 本堂も岩盤の上に建てられているとか。石山寺とは、本当によく名づけられたものです。

奇岩、巨石の、自然の手によるインスタレーションが本堂の周りにいっぱい! 本堂も岩盤の上に建てられているとか。石山寺とは、本当によく名づけられたものです。


(左)陽のよく当たる斜面の梅林、(中)うっすら雪化粧の中庭、(右)紅と緑のコントラストが美しい寒つばき。
(左)陽のよく当たる斜面の梅林、(中)うっすら雪化粧の中庭、(右)紅と緑のコントラストが美しい寒つばき。

本堂の裏手の山全体に、牡丹をはじめ、様々な花が「一目千両」といった具合に配置されていています。
本堂の裏手の山全体に、牡丹をはじめ、様々な花が「一目千両」といった具合に配置されていています。千年前も今も人気のはずですね。

反対側の山にはミニ33巡礼のできる(気分になれる)山道が作られています。入り口には、ほら、こんな石造も。赤いよだれ掛けが可愛いんですよね。
反対側の山にはミニ33巡礼のできる(気分になれる)山道が作られています。入り口には、ほら、こんな石造も。赤いよだれ掛けが可愛いんですよね。この巡礼の目印かも。

石山寺の幼稚園児のお散歩と遭遇。女性らしいお寺なので、園児の姿がよく似合います。

石山寺の幼稚園児のお散歩と遭遇。女性らしいお寺なので、園児の姿がよく似合います。満開の桜の下の園児の図が浮かんで、ほほえましくなったところで石山寺をあとにしたのでした


〔関連イベント〕
●特別公演「三井寺の声明(しょうみょう)
2009/3/3 サントリー美術館 03-3479-8600
仏教儀式に用いられる美しい調べの宗教讃歌「声明」を鑑賞する会です。(満席のため申し込み終了。2/24)

「国宝 三井寺展」
~2009/3/15 サントリー美術館 03-3479-8600
2009/4/1~5/10 福岡市博物館  092-845-5011

「源氏物語千年紀 石山寺の美 観音・紫式部・源氏物語」
2009/3/7~29 そごう横浜店 045-465-0926

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