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編集者のことば

写真の歴史入門 —第4部『混沌』現代、そして未来へ—

 2005年3月から、2カ月に1冊ずつ順次刊行してきた『写真の歴史入門』シリーズも、とうとう完結編です。シリーズの最後を締めくくる『第4部』のテーマは、1970年代以降の写真世界。本書の帯には「写真はどこへゆく?」というコピーをつけました。

 現代写真を取り巻く状況は混沌としています。カラー写真が当たり前のように普及し、美術館が写真作品の収集に力を注ぎ始め、写真専門のギャラリーも次々とオープンしました。写真集は怒濤の刊行ラッシュを迎え、そしてデジタルカメラが急速に普及……。このような状況のなか、写真はどこへ向かってゆくのでしょうか? 
 著者の中村浩美さんは、本書のエピローグで、ふたつの言葉を紹介しています。
「いい趣味でも悪い趣味でもない、わたしの趣味である」(ニーチェ)
「私が映画だ」(フェリーニ)
 写真世界が激動とカオスのなかにあること、それは間違いのない事実でしょう。しかし、写真の行く末を考えた場合、そんな外的な要因はじつはなんら関係がない、とも思います。著者の中村さんが指摘しているように、写真の形式がアナログであろうとデジタルであろうと、それは作品の良し悪しとは無関係なはずです。
 写真好きの編集者のひとりとして願うことは、ただひとつ。「わたしの趣味である」あるいは「私が写真だ」、そう言い切ってくれる写真家が、これからもどんどん登場してきてくれることです。

東京都写真美術館
10周年特別企画展
「写真はものの見方をどのように変えてきたか」
第4部「混沌」〜11月6日(日)まで

東京都写真美術館ホームページ
http://www.syabi.com

鮭と鰈とハイヒール、「EAT」より
今道子
「EAT」は、生魚を使ったオブジェを撮ったシリーズ。「非普通、非日常を写真にして、絵空事のようなことを実現したい」。

2005/09

[特別対談]中谷美紀×赤木明登
「つくること、演じること」
 中谷美紀+赤木明登
「波」2011年7月号より

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