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編集者のことば

宇野千代 女の一生

 桜の着物の似合うひと。いっぱい恋をしたひと。とっても長生きをしたひと……。
 宇野千代さんは、明治30(1897)年、山口県の岩国に生まれ、名作「おはん」を生んだ作家として、着物のデザイナーとして、98年の生涯を、夢中で駆け抜けました。
 その一生は、結婚3回、引越し20回。「泥棒と人殺しのほかは何でもした」と自ら有名な台詞を残すほど、波乱万丈。しかし、いつだって明日より先を見つめながら、日々を歩んできました。机に向かわない日は一日たりとてなく、生涯現役。シンプルに、自然体で、飾ることなく、恋も暮らしもつねに前向きに楽しんだのが、宇野千代さんです。

 たとえば、“華やかな男性遍歴”を云々されますが、千代の恋は、身勝手な男たちに尽くした挙句に振られるパターン。いいえ、真実は、男から別れを切り出せるように仕向けてやって、自分はどんなに辛くても男を追わないのが宇野千代流。これぞ女の中の女、「恋愛の武士道」なのではないでしょうか。
 本書では、宇野千代の放浪、恋愛から、暮らし、食卓、ファッション、旅、宝物、交友、そして本の装幀まで、“人生に恋した女”のすべてを美しいヴィジュアルとともに紹介します。美しく、凛々しく生きるとは、どういうことなのか。「本当の幸せ」とは何なのか。そのヒントがたくさん詰まっています。
 明日が見えない、閉塞感漂うこんな時代だからこそ、前を向いて歩きたい。宇野千代流“幸せの手ほどき”を、とくに多くの女性たちに手にとっていただければ幸いです。

故郷岩国の郷土料理「岩国鮨」。千代自慢の一品で、伊万里の大皿に盛って客をもてなした。

昭和11年、日本初のファッション雑誌「スタイル」創刊当時の編集室にて。

2006/11

[特別対談]中谷美紀×赤木明登
「つくること、演じること」
 中谷美紀+赤木明登
「波」2011年7月号より

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