とんぼの本 |
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荒木経惟 トーキョー・アルキ
荒木さんの「トーキョー・アルキ」に何度かお供させていただきました。
毎回、スタイリッシュかつ個性溢れるジャケットに、オリジナル1点もののTシャツ(ご自身の作品がプリントされたもの)、首にはカメラという出で立ち。目立ちます。時折、道行く人と言葉を交わしつつ、ふらふらと歩くうち、これは! という被写体に出会うと、歩調が急加速。ついていくのが大変です。
そして驚いたのは(当然といえば当然なのですが)、荒木さんが東京のどの街にもとっても詳しくて、しかもそれぞれの場所に彼の「物語」があること。ノスタルジックな思い出の物語だけじゃありません。現在進行形です。歩いていると、何かに出会って、何かが起こってしまうのです。さすが、天才アラーキー!
銀座の街角で知り合った女の子がきっかけで「トーキョー美女アルキ」が始まったり、雨のそぼふる渋谷でカップルを追跡したり、向島では不朽の名作『さっちん』を彷彿させる元気な子供たちに遭遇したり。ふだん、時間にばかり追われてなにげなく通り過ぎている街に、こんなにもたくさんの物語があって、そして、私たち自身もその物語の一部なんだ、ということを、荒木さんに教わった気がします。
東京を愛する人はもちろん、街を愛する人、人を愛する人に、ぜひ手にとっていただきたい本です。

「街が撮って、っていうからシャッターを押すんだ」

本郷で、一輪車のナミちゃんに導かれて……。「生まれも育ちも本郷だって? よ~し、今日はとことんついて行くゾー!」

佃島にて。「高層ビルは都会の男根であり、墓標である」
2009/06
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