とんぼの本 |
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池波正太郎と歩く京都
急性白血病のため一九九〇(平成二)年三月、三井記念病院に入院されてから二月とはなかった。五月三日には池波正太郎は逝ってしまわれた。作家自身の最後の企画本となった『剣客商売庖丁ごよみ』を翌年四月に出版したのがつい昨日のことのようでもあるが、没後二十年の日が近づいていた。〈とんぼの本〉シリーズでは十三回忌を機して、作家と江戸・東京をテーマに『池波正太郎が残したかった「風景」』を刊行させていただいている。今度は京都をテーマにしよう、と思ったまではよかったが、これが難物だった。作家自身が『散歩のとき何か食べたくなって』の文庫本化に際して「あとがき」に〈この四、五年間に、世の中は、じりじりと変ってきていて、その変化は当然、各種の職業に影響をおよぼしつつある。/時代が変れば人の心も変る。人の心が変れば、店の経営も味も変ってゆく。これは仕方もないことなのだ。/おもって見れば、五年前は、いまにくらべると、まだまだ「よい時代」だったのかも知れない。〉としるしている位だ。没後二十年は重い。
でも、思いがけない出会いが、作家がどこかで後押ししてくれているのではないか、と思える位多々あり、どうにか一冊になった。本書を「思いがけない出会い」の報告書と受けとめて下さる方が多ければ編集者冥利というものだろう。
2010/04
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