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香港うまっ!食大全

 15年ぶりの香港は、ずいぶんと洗練されたように感じました。
 英国の統治から中国への返還、その後、北京オリンピック開催と中国の目覚しい経済発展など状況の変化を背景に、日々変化し続けてきたこと自体が香港らしさなのかもしれません。
 そんな印象を受けた今回の現地取材のチャンスをつくってくれたのが著者・菊地和男さんです。「香港通」というひと言ではとてもすませられないほど、かの地を知り尽くした「通」中の「通」。撮影に際しても、行く店行く店のスタッフやご主人ととても親密に交流している様子から、いかに足繁く通って親交を深めていらしたかをうかがい知ることができました。更にいえば、香港人の心をつかむコツを熟知しているということなのでしょう。

 これまでに菊地さんが撮りためた写真だけでも、一冊の本を作るには十分だったと思います。けれども、本書のために最新の写真を撮り下ろしてくださるとのことで、今回二十数軒を回り、150品以上の撮影を敢行しました。どの店も実物を撮らせていただくわけですから、撮影後はその料理をありがたくいただくことになります。どれも、本当においしい! しかし、人間の胃袋の許容量には限界があることは言うまでもなく……残しちゃってすみません。
 けれども驚いたことに、念のために日本から持参した胃腸薬はついぞ、使うことがありませんでした。「食べ過ぎた~」と思っても、胃もたれや胸焼けがまったくないのです。まさに中国料理の「医食同源」を実感した次第でした。
 さて、出来上がった本書は、広東、潮州といった現地ではおなじみの料理に始まり、文化としての食、習慣としての食をテーマに展開します。手にとってご覧いただければお分かりの通り、写真の多さが自慢です。現地に持ち込んでいただければ、言葉ができなくても指差しで注文オーケー。「通」ならではの耳よりトピックスも、きっとお役に立つと思います。



2010/06

[特別対談]中谷美紀×赤木明登
「つくること、演じること」
 中谷美紀+赤木明登
「波」2011年7月号より

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