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「養老先生と遊ぶ」サイト内、質問コーナは2005年4月から9月の毎月第2月曜日更新! お楽しみに!


季刊誌「考える人」では養老先生が「万物流転」を連載中です。
詳しくは「考える人」ホームページをご覧ください。



 





「遊ぶ」編集部より

「若いうちは迷います」
 ムックをつくるきっかけになったのは、養老孟司さんのこの言葉でした。若いうちは、誰でも迷う。しかし「迷う」ということは選択肢がたくさんある、可能性がたくさんあるということなんだから幸せだと思えばいい、と養老さんは続けます。
 でも、迷ってばかりじゃなにもできない気がする。どうしたらいいんだろう。当然、そんな疑問もわきます。
 それに対して、養老さんは、自分で経験して考えろ、と繰り返すばかりです。それじゃ養老さん自身は、どんなふうに迷ったのか、どんな選択をしてきたのか、その「経験」を教えてもらおう。そんな風にはじまったのがこのムックなのです。
 ヒゲボソゾウムシの標本を求めて、世界を冒険したり、解剖という「古ぼけた」学問を三十年以上研究し続けたり、トガリネズミという世界で一、二を争う小さなネズミに凝ったり、「東京大学革命論」を叫んだり、まんがを読み漁ってなぜ日本人がまんが好きかを考察したり、美しい身体を見せることに尽力したり、「唯脳論」で社会に警鐘を鳴らしたり……過去の「経験」をざっとあげただけでも大変です。
 さらにこのムックの中では養老さんが縦横無尽に好奇心のおもむくまま走り回る最近の姿をご紹介しています(「こっちが好きで走り回ったんじゃない。そっちが引っ張りまわしたんだろう」と養老さんはおっしゃるでしょうが)。
 あるときは、本屋の店長に就任してレジに立ち、またあるときは憧れの漫画家、高橋留美子さんに会いに行き、さらにリニアモーターカーに試乗してみたり、オランダで延々とサイクリングをしてみたり……。
 なにせ口癖が「やってみなけりゃ、わからない」。追いかけるこちらのほうが大変でした。
 なにをしても、養老さんは新しい部分を発見しておもしろがります。こちらには想像もつかないような疑問を持ち、そこから考えはじめます。そして、ひとつのことをじっくりと考えて、答えを出すのに一生かかってもいいじゃないか、と言います。
 昨秋、鎌倉で養老さんは小学四年生に虫とりを教える授業をしました。一人の男の子からのリクエストに応えて、その授業は実現したのです。このとき、ある生徒はこう感想を書きました。
「養老先生は、虫の事だけでなく、医者をやっていてびっくりしました」
 この生徒は、養老さんは単なる虫好きのおじさんだと思っていたふしがあります。別の生徒はこう書きました。
「養老先生がくるときお年よりか40歳ぐらいか気になっていました。自分が考えていたよりちがっていました」
 小学生たちには養老さんはどんな人に見えたのでしょうか。
 もちろん、「虫好き」や「医者」だけではなく、養老さんにはさまざまな顔があります。ご本人は「自分の生きかたを他人に勧めようとは思わない」と言いますが、その生き方、遊び方を見ていると、何だか心が躍ってくるのです。
 そのせいか、いつのまにか、追いかけているうちに「先生」と呼ぶようになりました。
 このムックを通してそれぞれの「養老先生」を見出していただければと思っています。その先に、みなさんそれぞれの「遊び方」が待ち受けているのではないでしょうか。「養老先生」と遊ぶのは、「養老先生と遊ぶ」を体験したその人自身なのです。
 その遊びは一筋縄ではいきません。脳が刺激され、これまでの常識が覆される――そんな興奮にあふれているのです。(2005年4月号「波」より)