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(何を読んでも君を思い出すようになったぽい。)

yom yom vol.42

(季刊誌 年4回発売)

910円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/11/01

発売日 2016/11/01
JANコード 4910090191266
価格 910円(税込)
◆NEW SERIES
三川みり「もってけ屋敷の本の怪人」
終活のためだ、この本もってけ!! 善良な中学生・鈴川有季が出会ったのは、自動販売機に身を潜め、人々に本を押しつけるはた迷惑な本好き怪人・七曲直だった!

◆SPECIAL STORY
万城目 学「パーマネント神喜劇」[前編]
二週間ぶりに自宅に戻ってきた、小学三年生の美琴。家族と一緒に「立派だった」神社に向かい、願うことはただひとつ――。

◆SERIES
辻村深月「一人娘の心得 ツナグ2」[第4回]
祖母のアイ子を亡くして以来の、身近な人の死。使者(ツナグ)として、自分に出来ることがあるとしたら――。逡巡する歩美だったが。

青柳碧人「ブタカン! 池谷美咲の演劇部日誌 第三幕」[最終回]
引退公演も終わり、美咲の舞台監督(ブタカン)生活もおしまいに。そこへナナコが留学すると宣言して美咲は――。「ブタカン!」感動の最終回!!

須賀しのぶ「夏の祈りは」[第2回]
甲子園の夢を誓いあった幼馴染のエース葛巻(くずまき)は、最近ひどく調子が悪い。そこに、恐ろしくマイペースの「宇宙人」宝迫(ほうさこ)が頭角を現して――。

トミヤマユキコ「たすけて! 女子マンガ」[最終回]
女の人生をマンガに教えてもらう本連載。なかなか人には聞けないエロ事情……でも大丈夫。マンガを開けば、エロをこじらせた女、清々しいまでにエロい女、そしてプロのエロい女たちがその生き様を見せてくれます。

朱野帰子「わたし、定時で帰ります。」[第2回]
双子を産んで一ヶ月半で職場復帰した超パワフルな先輩・賤ヶ岳(しずがたけ)。男に負けるかと息巻くその姿に、ギスギスしていく職場の空気を感じた結衣は……。

蒼月海里「夜と会う。」[最終回]
母親の言いなりを脱し、自分のなりたい将来の夢に向かって歩き始めた澪音(れいん)。 しかしそれを見つめるイザヨイのまなざしはどこか不穏で……。

谷 瑞恵「殻の祭壇」[第3回]
幼いころ離ればなれになってしまった妹の、記憶のよすがとなる毛糸玉を額装したいと申し出た女性。けれど夏樹はその依頼に胸騒ぎを覚え――。

吉川トリコ「マリー・アントワネットの日記」[第3回]
そっけない王太子、妖艶なデュ・バリー夫人、面倒なしきたり。
――やってらんねえ。アントワネット十四歳、とうとうキレる!

梶尾真治「Aクライ・プリンセス」[第2回]
酒に酔うことで超人的能力を発揮する栄子。美宇は栄子のパワーを人助けのために利用できないかと夢想する。だがその力には、恐ろしい弊害があるらしい……。

◆COMIC
益田ミリ「マリコ、うまくいくよ」[第10回]
変わろうと思う気持ちをどうか笑わないで。

error403「神梅さんが思うに。」[最終回]
神梅さんが思うに。これにて最終回。
でも、神梅さんの冒険はこれからだ!!

◆ESSAY&COLUMN
押見修造「表紙のBACK STORY」
大島 薫「見えざる檻」

この号の誌面

編集長から

世界が変わる一冊との出会い方は?

 食わず嫌い、とは少し違うのかもしれませんが、なぜかなかなか手が伸びない。そういう本ってありませんか? 出会ったものの、自分との関係がちょっと想像できない感じ。
 でも想像外の場所にこそ新鮮な出会いは待つわけで、「とにかく読みな!」から始まる最高の読書もあるでしょう。
 秋号新連載、三川みりさんの「もってけ屋敷の本の怪人」は、そんな最高の読書をめぐる物語です。

“終活”と称して道行く人に自分の蔵書を押し売りする変なおじさん。彼と思わぬきっかけから知り合ってしまった鈴川有季は、少々恥ずかしいタイトルも含む十冊を持たされ右往左往。なにせ自意識伸び盛りの中学二年生のことですから、オトナにはわからない読書のハードルがあるわけです。

 ところが、これならと仕方なく開いたヘミングウェイの『老人と海』には、周囲の期待通りの優等生路線を歩んできた少年にとって、名状し難いものぐるおしさを掻き立てる一文があり……。
 他者を求めるって、どういうこと? 運命とは、それに抗うこととは? そして、いま自分の胸を揺さぶっている感情こそが“孤独”なのだと知った時、少年の視界には新たな世界が広がります。

 変なおじさんは、もしやいい人? いえいえ、そのあたりはまだわかりませんが、この先、毎回様々な実在の物語が登場します。
 作者の三川みりさんは、ライトノベル『シュガーアップル・フェアリーテイル』シリーズなどで知られる実力派。尾道の美しい風景の中で繰り広げられるかけがえのない「とにかく読みな!」に、どうぞご期待ください。

 さて、もちろん新連載以外も充実の誌面。
 辻村深月さんの「ツナグ2」は、待望の新編をお届けします。
 生きた人間と死んだ人間を会わせてくれる、使者(ツナグ)。生者も死者も会えるのはたった一度、一人だけ。自分を捨てた父親に、敬愛する歴史上の人物に、先に逝ってしまった娘に……何にも代えられぬ決断に臨む人々の姿を描く連作は、読むたび私たちの胸に深々とした感動を呼び起こします。
 今回の「一人娘の心得」は、使者の歩美がその役目を祖母・アイ子から継いで以来、初めて身近な人の死を経験します。自分に出来ることがあるとしたら――。歩美が逡巡の末に導き出した答えは、彼がまた一つ、大きな人生の転機を迎えつつあることを示しているのかもしれません。

 万城目学さんからは前号に続いて特別読み切りをいただきました。ユーモラスで饒舌な神様のおしゃべりが、とあるきっかけから聞こえなくなってしまい……。「パーマネント神喜劇」(前編)、期待に違わぬ面白さです。
 そのほか青柳碧人さん「ブタカン! 池谷美咲の演劇部日誌 第三幕」が感動のフィナーレ。女子のモヤモヤを解消する沢山の傑作マンガをご紹介いただいたトミヤマユキコさん「たすけて! 女子マンガ」と、蒼月海里さん「夜と会う。」も最終回。「夜と会う。」は次号からシーズン2に突入です。

 二〇一七年、本誌は創刊十周年を迎えます。長年のご愛読に感謝を申し上げるとともに、さらなる飛躍を誓います。

「yom yom」編集長 西村博一

次号予告

2017年冬号は、2月1日発売です。
浅葉なつさん、蒼月海里さんの連載シーズン2が始まります。
成田名璃子さんほか豪華新連載も準備中。
2017年もどうぞよろしく!

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

yom yomとは?

どんなに親切な人に囲まれていても、やっぱりわたしはダメなんです。
友情や愛情や、絆やお金や、いろんなものを与えてもらい、時には自分から差し出してみたりもするのですが、わたしはいつも破れていて、温かなものは心からダダ漏れに漏れていってしまうのです。

それで自分の気持ちをもてあますと、わたしは物語を探します。
縁もゆかりもないはずの誰かの壮絶な戦いや、未来に人類が見つけ出す希望だとか絶望だとか、あるいは恋やら萌えやらに夢中で悶絶している少年少女……。そのままの自分が描かれるでなし、そして必ずしも幸せばかりの結末でもないのに、何で物語というものは、心を立て直してくれるのでしょう? 登場人物という人々は、わたしの丸まりきったこの背中を、さすって叩いて、伸ばしてくれるのでありましょう?

文字を覚えてからこの方、いや誰かに読み聞かせてもらっていたあの頃から、たくさんの物語に出会ってきたと思います。そして物語は、ああダメダメで困ったなどと呟く面倒くさいこのわたしに、幾度も見知らぬ世界を見せてくれました。
あるときは「なるほど、オトナになったらこんな恋とかしちゃうのね」と身の程知らずのドキドキを教え、またあるときは「がーん…自我崩壊! でも、でも、立ち上がるし!!」と若干キレ気味の元気を絞り出させる。しかしてその実体は、いつも困っているその人に、「世界はこんなにも様々な可能性に満ちているから。あなたの袋小路、そのうち出口できちゃいますから」と囁きかける、不思議な力を宿していると思うのですよ、物語というものは。

「yom yom」は、そんな物語の囁きを、あなたがこっそり聞きに来る雑誌になりたい。ダメな人と(ダメでしょ? あなたも)一緒に歩いてくれる、あなたのための物語が、見つかる場所になりたいのです。それでお気に入りの物語を読み終えたら、「まーしょうがない。明日も生きていってやるさ」とでも思っていただければ幸せです。

切れ味鋭い読み切り小説に加え、長編やシリーズ作品の掲載にも力を入れます。最近の文芸誌の流行に逆らうようではありますが、長いお話の面白さというのも、やっぱり捨て難い気がするのです。その分、この公式サイトでは、各作品のあらすじや登場人物の紹介に頑張ります。
それでは見知らぬ物語の世界へ、ようこそ――。

「yom yom」編集長 西村博一

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞

yom yom

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