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第七回 テーマは「映画」解答と解説 出題:南陀楼綾繁
yom yom vol.7の「小説検定」、挑戦して頂けましたでしょうか?
たくさんの方から解答をお送り頂きました。ありがとうございました。
vol.7の「今号のお題」の解答と解説を以下に掲載致します。ぜひご覧下さい。


問9 今年七月に公開される重松清原作、廣木隆一監督の映画『きみの友だち』で、病気の由香がずっと探していたものは?
a・流れ星 b・飛行機雲
c・七色の虹 d・もこもこ雲
 d・もこもこ雲
子どものときから入院していた大学病院の「お友だちの部屋」の天井に描かれた「もこもこ雲」が好きだった由香。恵美は、それと同じ雲を友だちのために見つけようとする。映画版で恵美が撮る写真は、写真家の原田奈々によるもの。


問10 小津安二郎が愛読し、影響を受けた作家・里見弴。里見原作の小津映画を以下から選べ。
a・晩春 b・彼岸花
c・東京物語 d・小早川家の秋
 b・彼岸花
小津は里見について「僕は長い間の愛読者の一人なのですが、今では時々、先生の小説を、無断であちこち借用しては、映画のシナリオのねた(傍点付す)にする、まことに、たち(傍点付す)の悪い愛読者の一人かも知れません」と書いている。『彼岸花』と『秋日和』は里見の原作となっているが、じっさいには、里見と小津、シナリオライターの野田高梧が話し合った上で、それぞれが小説と脚本を書いたのだという。


問11 家庭を顧みず、女と酒に明け暮れ自暴自棄に生きる男を描いた『火宅の人』。その作者と映画版の主演俳優を選べ。
a・太宰治 b・中原中也
c・檀一雄 d・水上勉
ア・真田広之 イ・西田敏行
ウ・岡田裕介 エ・緒形拳
 c、エ
深作欣二監督による映画版では、緒形が主人公の「桂一雄」を演じる。回想シーンでは、真田広之が中原中也、岡田裕介が太宰治を演じている。西田敏行は今年公開の『丘を越えて』(原作は猪瀬直樹『こころの王国』)で菊池寛を演じた。


問12 山崎ナオコーラの『人のセックスを笑うな』で、十九歳の「オレ」と付き合う三十九歳のユリ。小説では彼女は美術の専門学校でデッサンを教えているが、映画では変えてある。その教科は次のどれ?
a・写真 b・映画
c・彫刻 d・リトグラフ
 d・リトグラフ
映画版(井口奈己監督)では、ユリがオレにリトグラフのやり方を教えるシーンがある。ほかにも、蒼井優が演じるえんちゃんの実家の仕事や、ユリが突然旅立った国の名前など、少しずつ変えられている。


問13 長嶋有原作の映画『サイドカーに犬』(根岸吉太郎監督)の中で、竹内結子が演じる洋子さんが読む太宰治の文庫本は次のどれ?
a・津軽 b・走れメロス
c・ヴィヨンの妻 d・斜陽
 c・ヴィヨンの妻
原作にも『ヴィヨンの妻』が登場する。「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」と言い切る妻と、独自のルールにしたがって生きる洋子さんが、どこかで重なって見える。



問14 「ハナニアラシノタトヘモアルゾ/「サヨナラ」ダケガ人生ダ」。井伏鱒二が訳したこの詩を愛し、井伏原作の映画『貸間あり』の中でも使った映画監督は?
a・川島雄三 b・浦山桐郎
c・今村昌平 d・大島渚
 a・川島雄三
『貸間あり』は原作では東京の阿佐ヶ谷が舞台だが、映画では大阪に変更されている。「ハナニアラシノ―」は井伏鱒二『厄除け詩集』に収録されている。共同で脚本を書いた藤本義一の「生きいそぎの記」には、川島がこのコトバを入れるよう指示する場面がある。


問15 以下の引用文を読み、その書名を選べ。さらに文中で触れられている映画のタイトルを選べ。

「あまりに喉がべとついていた私は、パクサンハンのコテージの暗い洗面所で、コップの濁った水を飲んでしまい、次の日はひどい下痢と腹痛に悩まされながら、撮影を見学した。ジャングルの中で虎に襲われそうになった一人の兵士が「ファッキン・タイガー」と叫びながら戻って来て、機銃を乱射しながらLSTが岸辺を離れる、というシーンのマスターカットだった」
a・大江健三郎『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』  b・『村上龍映画小説集』
c・今野敏『隠蔽捜査』 d・阿部和重『アメリカの夜』
ア・『アラビアのロレンス』 イ・『ロング・グッドバイ』
ウ・『甘い生活』 エ・『地獄の黙示録』
 b、エ
『村上龍映画小説集』は、各篇がひとつの映画のタイトルになっている。「地獄の黙示録」は、フィリピンに同作のロケを見に行くところから始まっている。『隠蔽捜査』には、堅物の主人公が『風の谷のナウシカ』に感動する場面がある。『臈たしアナベル・リイ―』と『アメリカの夜』は映画をめぐる物語である。

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