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慢性寂しい症候群は、言葉のシェアで治ります。

yom yom vol.37

(隔月1、3、5、7、9、11月第三金曜日発行)

990円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/08/01

発売日 2015/08/01
JANコード 4910090190955
価格 990円(税込)
◆NEW SERIES
畑野智美「消えない月」 
桜が散る頃に、ふたりの間に咲き始めた恋のようなもの。
ありふれたかたちで進み、やがて終わる。はずだった――。

最果タヒ「渦森今日子は宇宙に期待しない。」 
西赤石高校、宇宙探偵部。何その部活、と聞かれると答えに困る謎の集団。
でも、誰より大きな秘密を抱えているのは、私・渦森今日子で――

◆SPECIAL STORY
乃南アサ「くらわんか」
見知らぬ街まで追いかけた、よく知る男。私を棄てた男。
この悲しみ、くらわんか。ここで山ほど、くらわんか――。

森川智喜「うぐいす茶碗と指おばけノ巻 トリモノート/科学的ロマン探偵小説」
十八世紀の山中で見つけたのは、未来の指紋検出キット!?
お星と舟彦はこれを用いてある窃盗事件を解決しようと試みるが、はたして――

◆SERIES
辻村深月「母の心得 ツナグ2」[第3回] 
会いたいのは、娘です――。子どもを亡くした母親の願いは、ただひとつ。
死者と生者を一度だけ再会させる、使者(ツナグ)・歩美のもとに新たな依頼が。

少年アヤ「あれの・花園」[第2回]
闇に向かって歩きはじめたふたりのシルエットが揺れる夜、
峠は思い出の場所で、うしなった恋について語りはじめた。

坂木 司「女子的生活」[第8回]
主役を攫ったトモコに敵じゃないアピール、マイノリティー的立ち位置も確保。
この合コン、滑り出しなら悪くなかった。衝撃の昭和系おにぎり女が来るまではね。

太田紫織「緑羅紗扉(グリーンベーズドア)の向こうの時間」[最終回]
十九世紀をクビになった。でも、私はまだアイリーンでいたい。
奥様の秘密を知りたい。完璧な貴婦人の、完璧なメイドとなるために。

櫛木理宇「FEED」[第4回]
「馬鹿はあたしらの食い物よ」。海里の言いなりになる眞実。経済的に自立していく綾希。
二人を分けたのは金か、運か、価値観か。確かに存在した友情が引き裂かれていく――。

喜多喜久「創薬探偵からお祝いを」[第2回]
視神経の腫瘍に冒された野球選手と、同じ病で片目を失った少年。他人のはずの
二人には遺伝子だけが知る絆があった。千佳と遠藤はその絆が創る未来に賭ける――

福田和代「BUG――広域警察潜行盗聴班」[第4回]
父を殺し自分を嵌めたのは、長瀬だった。そして今、ブティア博士も陥れられようとしている。
もう、お前の好きにはさせない! 復讐を胸に、沖田は極秘計画を立てるが。

東川篤哉「かがやき荘アラサー探偵局」[第5回]
金曜の夜になると出かける老人。これは七十の坂を越えての色恋沙汰か?
法子夫人の命令で、三人組はチャーリーズ・エンジェルっぽく張り込みを開始。

七尾与史「バリ3探偵 圏内ちゃん――忌女板小町殺人事件」[最終回]
無関係に見えた四つの殺人を繋ぐ謎の人物〈カノンコード〉。惨劇の準備は、
ある少女の孤独な死から始まった――。名推理炸裂、怒濤のシーズン2最終回。

浅生 鴨「終焉のアグニオン」[第4回]
暴走するアレックスを止めるため動き出す機関員(アルビトリスト)たち。
一方、霧壁(フォール)の中でヌーを捕らえた男は自らを監理者と名乗り、「目的は復讐か」と尋ねた。
二つの世界が今、重なり始める。

◆COMIC
益田ミリ「マリコ、うまくいくよ」[第5回]
――嘘つけば、いくらでも優しくなれるけど。

error403「神梅さんが思うに。」[第5回]
デジタルネイティブ・神梅さん。とはいえ
ググれないものだってあるのです。

◆ESSAY&COLUMN
押見修造「表紙のBACK STORY」

◆FEATURE
新潮文庫nex一周年

ラインナップ全作品紹介
[鼎談]足立梨花×美山加恋×大森望
[スピンオフ競演]
知念実希人「ゴミに眠る宝 天久鷹央の推理カルテ」
天才女医・天久鷹央が“病”に隠された謎を解き明かす――。
病院外での事件を描く、大人気シリーズ・ファーストスピンオフ!

円居 挽「金田一剛助の事件簿 シャーロック・ノート」
凶悪事件に立ち向う存在として「探偵」が職業化された社会。
探偵養成学校に通う剣峰成は、そこで伝説の名探偵に出会う――

太田紫織「執事、スペイン風邪をひく 緑羅紗扉(グリーンベーズドア)の向こうの時間」
我らが執事の一大事。総司令官(奥様)のもと、オークブリッジ邸が総力をあげて
挑みます。nex刊行記念! 弱ったユーリさんがなんだかかわいい特別篇。

◆小説検定 テーマは「四季」 出題:南陀楼綾繁

この号の誌面

編集長から

辻村深月さん「ツナグ2」、夏号は「母の心得」

ああー、もう。いまこの原稿を書いている私の目の前で、レタスチャーハンのレタスだけを几帳面に食べ残した皿を下げもせず、ソファーに寝転がって「コロコロコ●ック」を読み始めた人にイラッとします。定年退職後のおとーさんは家族から鬱陶しがられるのが相場と聞き及びますが、こいつらコロコロ星人たちもなかなかどうして。学校行けよって言いたいけど、まだ一カ月も休みが続くし……。

「子供がウザい」とはあまり公然とは言えないのですが、夏休みに入ってしばらくすると、お子さんがいる家庭では微妙にピリピリ感が高まりませんか? 部屋の中はいつもの5割増しで散らかるし、料理作ると手抜きだとか言われるし、どこか連れてかないと甲斐性なしみたいな気持ちになるし。

 でもですね、そういう気持ちを反省しましょうという話では決してないのですが、コロコロ星人の姿を見ていると思い出さずにはいられない作品がyom yom夏号には載っています。辻村深月さんの連作小説「ツナグ2」、今号は「母の心得」というストーリーをいただきました。

 死んだ人間と生きた人間を一度だけ会わせることができる使者“ツナグ”――。時に戸惑いながらもその不思議な役目を果たしている青年・渋谷歩美が、今回向き合ったのはいずれも娘を亡くした二組の依頼人。片や事故から守れなかった幼子を、もう一人は病を得て若さの盛りで逝った子を、血が流れるような後悔とともに悼んできた母の物語です。
 親となり新しい命を得ることは、もしかするとその子の生涯すべてを、どんな形であれ肯定することなのかもしれません。

 そして夏号注目の新連載は最果タヒさんと畑野智美さん。
 最果さんは2008年に中原中也賞を受賞した気鋭の詩人であり小説家です。本誌の連作小説「渦森今日子は宇宙に期待しない。」で、目眩く言葉の魔術をご堪能あれ。
 2010年に小説すばる新人賞受賞以来数々の注目作を発表し続けている畑野智美さんは、本誌では間もなく単行本が発売(8月21日)される『みんなの秘密』(2013年~14年連載)に続いて二度目のご登場。新作「消えない月」では、自己愛の重さによって崩壊してゆくかのような人間の心の闇に迫ります。

 七尾与史さんの「バリ3探偵 圏内ちゃん――忌女板小町殺人事件」と、太田紫織さんの「緑羅紗扉(グリーンベーズドア)の向こうの時間」は最終回を迎えました。二作とも8月末には新潮文庫nexとして刊行されますが、いずれも思わず唸ってしまうヒネりの利いた展開です。やっぱり少しでも早く、雑誌で読まないと損ですよ~。
 なお太田さんの「緑羅紗扉の向こうの時間」は、書籍化にあたって『オークブリッジ邸の笑わない貴婦人―新人メイドと秘密の写真―』と改題。また、両作品ともにシリーズは継続です。つまりお話はこの先も続きますのでご心配なく。

「キャラクター」と「物語」「文学」の融合を掲げて産声を上げた新潮文庫nexが1周年を迎えました。特集ではその全40タイトル紹介のほか、キャラクター小説の魅力をテーマに女優の足立梨花さん、美山加恋さんに書評家の大森望さんが加わったスペシャル鼎談を企画。さらには知念実希人さん「天久鷹央の推理カルテ」など人気シリーズのスピンオフ短編3作を掲載しました。

 そのほか乃南アサさんの特別読み切り短編「くらわんか」や、同じく森川智喜さん「うぐいす茶碗と指おばけノ巻 トリモノート/科学的ロマン探偵小説」など、ファン待望の必読作多数。
 コロコロ星人たちが寝静まった後にでも、どうぞじっくりご堪能ください。夏休みのピリピリ解消にyom yomを!

「yom yom」編集長 西村博一

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

yom yomとは?

世界はこんなにも様々な可能性に満ちているから。

「yom yom」はそんな物語の囁きを、あなたがこっそり聞きに来る雑誌です。あなたと一緒に歩いてくれる、あなたのための物語が、見つかる場所になりたいのです。それでお気に入りを読み終えたら、「しょうがない。明日も生きていってやるさ」とでも思っていただければ幸せです。注目作家の小説も詩もコミックも……文芸の「イマココ」に必ず出会えるボリュームたっぷりの文芸誌です。