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弱虫は、幸福をさえ
おそれるものです。
人間失格、空想好き。

yom yom vol.38

(隔月1、3、5、7、9、11月第三金曜日発行)

990円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/10/31

発売日 2015/10/31
JANコード 4910090191259
価格 990円(税込)
◆NEW SERIES
浅葉なつ「カカノムモノ」 
人の闇を呑め、それでもまだお前が人で在り続けたいならば――。
大人気シリーズ「神様の御用人」の著者が描く、もう一つの神様の物語。

藤井太洋「ワン・モア・ヌーク」 
もう一度、日本に核の惨禍を――。オリンピックを目前に控えた二〇二〇年、
多国籍のテロリストたちが東京に集う。その首謀者は美しき日本人女性だった。

◆SPECIAL STORY
朝井リョウ「何様」 
社会人になって一年目。自分の中身は変わらないのに、口にする言葉が
変わっていく。この嘘くささはなんだ? 『何者』アナザーストーリー第二弾。

三崎亜記「断層」
僕は平凡な日常を死にものぐるいで守り抜く。あの日、断層の
「むこう側」へ行ってしまった、最愛の妻との懐かしい未来のために。

◆WAITED
太田紫織「オークブリッジ邸の笑わない貴婦人#2」[第1回]
最初からちょっと合わないと思ってた後輩メイドのエミリー。
「仕事だけが友達とか、恥ずかしい」……意地悪な言葉が突き刺さる。

◆SERIES
櫛木理宇「FEED」[最終回]
住人たちの不穏な兆候から目を背け、グリーンヴィラを出て行った綾希。
残された眞実は、ひたすら墜ちていく。回避出来たはずの最悪の結末にむかって――。

福田和代「BUG――広域警察潜行盗聴班」[第5回]
「あなた、死刑囚の水城陸ね」――父を殺した長瀬への復讐を誓い、
ブティア博士の冤罪を晴らそうとする沖田の前に、滝が立ちふさがる。

浅生 鴨「終焉のアグニオン」[第5回]
大照射(グランデクス)を止めなければ――。
思考停止に陥っていた機関員(アルビトリスト)たちがついに動き出す。
一方、囚われた霧壁(フォール)の中で、ヌーは自分たちが造られた存在だと知ってしまい……。

畑野智美「消えない月」[第2回]
追われる者は、非が自分にもあったのかも、と思う。
追いつめる者はただ、自分のことだけを考えているのに――。

喜多喜久「創薬探偵からお祝いを」[最終回]
千佳は姫子の治療に失敗した元〈探偵〉たちと連携することを決意した。
だが恩讐を超えた共同作業が、ある人物の驚くべき過去を明かしてゆく。

青柳碧人「ブタカン! 池谷美咲の演劇部日誌 第二幕」[最終回]
地区大会の幕が開く! 全力で駆け回るキャストたち。なのに舞台裏では
演劇部史上最大の危機が……。早乙女先輩、あなたを信じてもいいんですよね?

東川篤哉「かがやき荘アラサー探偵局」[第6回]
深夜、お気楽に眠りこけている啓介のもとに謎の電話が。
「おまえの大事な女性が死んでいる」――いやしかし、誰だよそれ?

仁木英之「神仙の祈り――僕僕先生 零」[第2回]
世界を救う宝具「一」の欠片を手に入れた拠比たち一行は、炎帝の元に戻る。
だが、主君の工房で実験に巻き込まれた僕僕が次元に飛ばされ……!

坂木 司「女子的生活」[第9回]
まぬけな後藤が確かめもせず開けたドアの向こう。訪ねてきたのは、
あのおにぎり合コンのマナミちゃん。「私、来ちゃった」って……えええっ?!

少年アヤ「あれの・花園」[第3回]
とおい星にだって行けると信じることが大事だと、司書のおじさんは言った。
消えた彼女と峠の再会を祈るうち、杏仁の心には晴れない靄がたちこめて――。

最果タヒ「渦森今日子は宇宙に期待しない。」[第2回]
高校三年の途中で突然現れた美少女転校生。おかしい。妖しい。
謎を前に宇宙探偵部は調査を始める……けど、え、嘘。まさかあなたも、宇宙人?

◆COMIC
益田ミリ「マリコ、うまくいくよ」[第6回]
――キャリアを重ねた分だけ 若さという価値は失われる。

error403「神梅さんが思うに。」[第6回]
ハマるつもりはなかった……。そんな神梅さんが
落ちたのは「ぬいぐるみ沼」でした。

◆ESSAY&COLUMN
押見修造「表紙のBACK STORY」

◆小説検定 テーマは「権力」 出題:南陀楼綾繁

この号の誌面

編集長から

「神様の御用人」の浅葉なつさん、新連載スタート!

お待たせしました。yom yom秋号、今回は曜日の関係でいつもより一日早く10月31日発売です。
 今号も注目作が満載、まずは新連載のご紹介から。

 累計75万部「神様の御用人」シリーズでおなじみの浅葉なつさんが、「カカノムモノ」をスタートします。冥府の女神に仕える魚の子孫である主人公・浪崎碧は、人の闇を祓い、それを体に取り入れなければ人間として生きられない呪いに犯された青年。一見すると人助けに見える「心の闇を祓う」行為、彼にとっては生きるために必要なことで、優しさから生まれたものではありません。 少しダークな幕開けのこの物語は、人の心の闇とは何かという問題に真っ直ぐに向き合います。「神様というものを『神様の御用人』とは違う切り口で書いてみたい」というのが、この作品に込めた浅葉さんの思いだそうです。いくら心の闇を祓っても、またすぐに穢れていく……。そんな人間が嫌になりながらも、それでも闇を呑んで人であり続けようとする碧は、つらいことや苦しいことを呑み込むすべての人々に寄り添ってくれる主人公であるように思います。「月刊コミック@バンチ」に「応天の門」を連載中の灰原薬さんによる美麗イラストもお楽しみください。

 さて、一時は冬の時代とも呼ばれたSFが、ふたたび熱を帯びてきているこの数年です。「機龍警察」の月村了衛さんや、『盤上の夜』が直木賞候補に選ばれた宮内悠介さんなど、SFファン層にとどまらず広汎な読者から支持を得た書き手が次々と登場しています。
『オービタル・クラウド』で日本SF大賞を受賞した藤井太洋さんも、間違いなくその旗手の一人。藤井さんは、二〇二〇年オリンピック前夜の東京を舞台にした「ワン・モア・ヌーク」を執筆開始されました。
本作では“ヌーク”、つまりテロリストによって東京に密かに持ち込まれた核をめぐる息詰まる攻防が描かれます。なぜこの国を生け贄に選んだのか。国籍も背景もバラバラな三人のテロリストを駆り立てるのは、それぞれに違った強烈な動機です。罪の意識なき者どもへの罪穢の宣告――荘厳な悲劇の幕が上がりました。

 太田紫織さんの連載「緑羅紗扉の向こうの時間」は、書籍化第一弾での改題にあわせ「オークブリッジ邸の笑わない貴婦人」としてシーズン2が始まりました。残された人生の時間は完璧な英国スタイルで過ごしたい――そんな老婦人の夢を叶えるために、“ヴィクトリアン・メイド”として住み込みでお仕えすることになったアイリーンこと愛川鈴佳の物語は、新たな同僚、エミリーを迎えてますます快調。いや、快調なのは太田さんの筆運びで、水と油のように性格が合わないエミリーと組むアイリーンにとっては、もうどうにもアタマの痛い話ですが……。新潮文庫nexより発売中の『オークブリッジ邸の笑わない貴婦人―新人メイドと秘密の写真―』と一緒にお楽しみください。

 そのほか、朝井リョウさんの特別短編「何様」は直木賞受賞作品『何者』のアナザーストーリー。社会人になって一年目。自分の中身は変わらないのに、口にする言葉が変わっていく。この嘘くささはなんだ? 三崎亜記さんの読み切り中編「断層」では、とつぜん出現した異次元とも別世界ともつかない断層の「むこう側」へ行ってしまった妻との別れを控え、「僕」は残された彼女との平凡な日常を死にものぐるいで守ります。思わず脱力してしまう甘~い会話の向こうにある、とてつもなく悲しい不条理。まさに三崎ワールドならではの不思議で鋭利な作品です。

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yom yomとは?

世界はこんなにも様々な可能性に満ちているから。

「yom yom」はそんな物語の囁きを、あなたがこっそり聞きに来る雑誌です。あなたと一緒に歩いてくれる、あなたのための物語が、見つかる場所になりたいのです。それでお気に入りを読み終えたら、「しょうがない。明日も生きていってやるさ」とでも思っていただければ幸せです。注目作家の小説も詩もコミックも……文芸の「イマココ」に必ず出会えるボリュームたっぷりの文芸誌です。