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瀬戸内寂聴全集([第一期]全20巻/[第二期]全5巻)

著者プロフィール

瀬戸内寂聴

瀬戸内寂聴セトウチ・ジャクチョウ

(1922-2021)1922年、徳島県生れ。東京女子大学卒。1957(昭和32)年「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞、1961年『田村俊子』で田村俊子賞、1963年『夏の終り』で女流文学賞を受賞。1973年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴(旧名晴美)。1992(平成4)年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、1996年『白道』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年に『風景』で泉鏡花文学賞、2018年『句集 ひとり』で星野立子賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。著書に『比叡』『かの子撩乱』『美は乱調にあり』『青鞜』『現代語訳 源氏物語』『秘花』『爛』『わかれ』『いのち』『私解説 ペン一本で生きてきた』など多数。2001年より『瀬戸内寂聴全集』(第一期全20巻)が刊行され、2022(令和4)年に同全集第二期(全5巻)が完結。2021年11月9日99歳で逝去。

読者のみなさまへ

 今から二十年前、『瀬戸内寂聴全集 全二十巻』が新潮社から刊行されました。私が七十九歳の時でした。およそ物書きを「なりわい」とする者にとって、自分の作品の全集が刊行されることは、夢のまた夢で、生涯の憧れの頂点でしょう。
 真赤な装幀の抱えきれない全集を抱きしめた時、私は「ああ、死んでもいい」と思ったでしょうか。死んでなるものか、このつづきを書きあげるまでは! と、胸がふるえたのです。
 私にとっては、生きることはひたすら書くことにつきます。今、数えを百歳になった私は、前の全集のつづきの作品をまとめ、全巻を前に、ああ、もう死んでもいいとため息をついています。
 私の作品をご愛読下さった皆々様に、どうか、この全集も、ひきつづきご愛読下さいますよう、伏してお願い申し上げます。

二〇二一年十一月 瀬戸内寂聴

推薦の言葉

川上弘美

川上弘美カワカミ・ヒロミ

寂庵に繁く通っていた知人がいる。寂聴さんの小説は読むの? とある日聞いたら、いいえ、読まないわ、お話を聞くだけでじゅうぶんなの、と言う。一冊だけでも読んでみてと『場所』を送った。数週間後、「驚きました。こういう厳しくて孤独な寂聴さんがいるから、ああいう情に通じたお話ができるのね」という葉書がきた。瀬戸内さんの言葉は、近くにも、遠くにも、届く。
平野啓一郎

平野啓一郎ヒラノ・ケイイチロウ

二十三年前に初めてお目に掛かった瀬戸内さんは、『源氏物語』の現代語訳が大ブームを巻き起こし、老大家というより、現役バリバリの小説家という感じだった。そして、その後の八十代、九十代の旺盛な仕事の数々! 圧倒的な全集の続編。
田中慎弥

田中慎弥タナカ・シンヤ

瀬戸内さんの小説は大胆で奔放なだけではない。恐れやためらいがある。時に不器用でさえある。だから匂いがある。無味無臭な小賢しい構築ばかりが求められる我々世代の書き手にはない野性が、ギラギラと輝いている。
伊藤比呂美

伊藤比呂美イトウ・ヒロミ

仏教に関心を持って日本の古典を読み解いていくと、日本文学はみな仏教文学だと思うようになった。出家ということを考えていくと、それは生きながらの自殺だと思えた。寂聴文学とは、この世を離れると決意して実行した人がたどっていった、仏教文学そのものだと思った。
高橋源一郎

高橋源一郎タカハシ・ゲンイチロウ

「いよよ華やぐいのちなりけり」は、岡本かの子の晩年の傑作『老妓抄』に出てくる、老いてなお噴き出んとする主人公のいのちの輝きを歌った、有名な一節だ。寂聴さんは、この岡本かの子を描き、この歌からタイトルを得た別の作品も書いている。いまとなっては、そして、この全集におさめられた、著者八十代を過ぎての作品を一望してみるなら、一読者として、ただこの言葉を呟くのみである。

[第二期]全巻の内容

第二十一巻 小説・長篇

秘花
月の輪草子
解説・川上弘美

第二十二巻 随筆

奇縁まんだら 『奇縁まんだら』
『奇縁まんだら 続』
『奇縁まんだら 続の二』
『奇縁まんだら 終り』 全四巻収録
解説・平野啓一郎

第二十三巻 小説・短篇

藤壺
風景 第三十九回泉鏡花文学賞
わかれ
求愛
ふしだら 電子書籍小説 初活字化
解説・田中慎弥

第二十四巻 戯曲、句集、追悼文

歌舞伎脚本
「源氏物語 須磨の巻・明石の巻・京の巻」
「源氏物語 藤壺の巻・葵・六条御息所の巻・朧月夜の巻」
能「夢浮橋」「蛇」
狂言「居眠り大黒」「木賊」
オペラ「愛怨」
人形浄瑠璃「モラエス恋遍路」
句集ひとり 第六回星野立子賞、第十一回桂信子賞
追悼文・弔辞(一九九五年~二〇一九年)
解説・伊藤比呂美

第二十五巻 近著、新作

死に支度
いのち
あこがれ
著作目録・年譜・アルバム
解説・高橋源一郎

[追悼 瀬戸内寂聴]「新潮」2022年1月号より

21世紀の読者に向けて自らが精選した決定版全集。

書籍一覧

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