「はははは……」
声に出して笑ってみた。 自分の耳にも、笑ったようには聞こえなかった。ただ、ひらがなで「は」を4つ並べただけみたいな感じだった。
もう一度、西尾(仮名)はノートパソコンのパワースイッチに手を伸ばした。
なにをビクビクしてんのよ! そんなこと起こるわけないでしょっ! 消えちゃうわけないでしょ。 ほら、ボクは、ここにいるんだし、ちゃんと現実の人間として存在しているわけだし、ね?
うん。と、西尾(仮名)はうなずいた。 パワースイッチの上に指を置き、ディスプレイをにらみながら、その指先に力をくわえた。