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 24:03 青山一丁目駅-赤坂見附
 西尾琢郎(仮名)
(にしお たくろう)


     ゴックン、と西尾(仮名)は唾を呑み込んだ。

「はははは……」

 声に出して笑ってみた。
 自分の耳にも、笑ったようには聞こえなかった。ただ、ひらがなで「は」を4つ並べただけみたいな感じだった。

 もう一度、西尾(仮名)はノートパソコンのパワースイッチに手を伸ばした。

 なにをビクビクしてんのよ!
 そんなこと起こるわけないでしょっ!
 消えちゃうわけないでしょ。
 ほら、ボクは、ここにいるんだし、ちゃんと現実の人間として存在しているわけだし、ね?

 うん。と、西尾(仮名)はうなずいた。
 パワースイッチの上に指を置き、ディスプレイをにらみながら、その指先に力をくわえた。

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