
千羽鶴
605円(税込)
発売日:1989/11/17
読み仮名 | センバヅル |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
ISBN | 978-4-10-100123-4 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | か-1-18 |
定価 | 605円 |
電子書籍 価格 | 605円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/12/01 |
父の女と。女の娘と――。背徳と愛欲の関係を志野茶碗の美に重ねた、川端文学の極致。
どういう本?
タイトロジー(タイトルを読む)
菊治は道をゆずるように立ちどまって、
「栗本さんのお茶席は、この路の奥でしょうか。」
と、たずねてみた。
「はあ。」
二人の令嬢は同時に答えた。
聞かなくてもわかっていることだし、令嬢のきもので茶室へ行く路と知れているのだが、菊治は自分をはっきり茶会へ行かせるために言ったのだった。
桃色のちりめんに白の千羽鶴の風呂敷を持った令嬢は美しかった。(本書15ぺージ)
*千羽鶴の風呂敷 この作品の題名ともなった風呂敷の由来については、著者が「独影自命」のなかで詳しく説明してある。(注解・郡司勝義 本書302ページ)
著者プロフィール
川端康成
カワバタ・ヤスナリ
(1899-1972)1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行。以降約10年間にわたり、毎年伊豆湯ケ島に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋で自死。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。
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