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金閣寺

三島由紀夫/著

737円(税込)

発売日:1960/09/19

書誌情報

読み仮名 キンカクジ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-105008-9
C-CODE 0193
整理番号 み-3-8
ジャンル 文芸作品
定価 737円

コンプレックス。挫折。美。23歳の男は、なぜ金閣を炎上させたか。

一九五〇年七月一日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み――ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇……。31歳の鬼才三島が全青春の決算として告白体の名文に綴った不朽の金字塔。

  • 受賞
    第8回 読売文学賞 小説賞
  • 舞台化
    金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-(2014年4月公演)

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

 写真や教科書で、現実の金閣をたびたび見ながら、私の心の中では、父の語った金閣の幻のほうが勝を制した。父は決して現実の金閣が、金色にかがやいているなどと語らなかった筈だが、父によれば、金閣ほど美しいものは地上になく、又金閣というその字面、その音韻から、私の心が描き出した金閣は、途方もないものであった。
 遠い田の面が日にきらめいているのを見たりすれば、それを見えざる金閣の投影だと思った。福井県とこちら京都府の国境をなす吉坂峠は、丁度真東に当っている。その峠のあたりから日が昇る。現実の京都とは反対の方角であるのに、私は山あいの朝陽の中から、金閣が朝空へ聳えているのを見た。(本書6ページ)

*金閣 一三九七年(応永四)西園寺家の山荘北山殿を足利三代将軍義満が譲り受け、金閣などの殿楼を造営したのに始まる。義満の没後は、その遺命により、これを禅寺に改め、インドの鹿野苑の名をとって鹿苑寺と名づけた。当初は舎利殿(金閣)のほか十数の殿舎が立ち並び壮観をきわめたが、応仁の乱で多くが失われた。金閣は名園鏡湖池にのぞむ三層の楼閣。初層は藤原期の寝殿造、中層は鎌倉期の武家造、上層は禅宗の仏殿造で、屋根は唐様を用いた。浄土信仰と禅宗信仰、仏殿と住宅建築という異種のものの結合は、伝統の公家文化と新興の禅宗文化の融合を象徴したものといえる。また漆地に金箔を押したところから金閣寺と通称され、創建当時のまま厳存されてきたが、昭和二十五年焼失。現在のものは昭和三十年に再建。(注解・田中美代子 本書331ぺージ)

一行に出会う

寺が寝静まる。私は金閣に一人になる。(本書168ページ)

著者プロフィール

三島由紀夫

ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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