〈寅さん〉を生きて、幸せだったろうか、彼は――。

おかしな男 渥美清
読み仮名 | オカシナオトコアツミキヨシ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
ISBN | 978-4-10-115839-6 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | こ-10-39 |
ジャンル | 演劇・舞台、映画、タレント本 |
定価 | 734円 |
出会いは、1961年の夏。四角い顔に細い目のその男は、33歳。NHKのドラマで全国区の人気者になる寸前。僕は28歳で、小説を書き始めていた。〈芸〉への強い興味だけでつながっているような、奇妙な関係。底知れぬ凄みを示したかと思えば、なんともいえないおかしみも持っていた彼はやがて、〈寅さん〉となった――。虚構に殉じた男の若き日の素顔を丹念に浮かび上がらせる、実感的人物伝。
著者プロフィール
小林信彦 コバヤシ・ノブヒコ
1932(昭和7)年、東京・日本橋生れ。「ヒッチコック・マガジン」創刊から編集長を務めた後、作家として独立。主な作品に、『唐獅子株式会社』『ちはやふる奥の細道』『夢の砦』『東京少年』『うらなり』(菊池寛賞)『日本橋バビロン』など。『日本の喜劇人』(芸術選奨新人賞)『天才伝説 横山やすし』『テレビの黄金時代』『おかしな男 渥美清』ほか、大衆文化に関するエッセイ、コラムも多数。『定本 日本の喜劇人』が、2008(平成20)年に刊行された。