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それが過去であれ現在であれ、未来であっても「あの頃」に還れる。そんな気がした。これが希望というものだと思った。(誌面のことば――橋爪駿輝「さよならですべて歌える」より)

yom yom vol.59 2019年12月号

(隔月1、3、5、7、9、11月第三金曜日発行)

770円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2019/11/15

発売日 2019/11/15
JANコード F803341
価格 770円(税込)

◆NEW SERIES
磯谷友紀「ぬくとう君は主夫の人」
いまの暮らしを始めてから、大切な人との向き合い方が少し上手になったかも――。家事をしてると毎日あきない、抽冬優太くん的「主夫の愉しみ」。

谷口菜津子「今夜すきやきだよ」
ご飯の相手がいると嬉しいです。でも、それと結婚とかは別の話で。女子のもやもや解消ふたり暮らし漫画、開幕。

南 沙良「届かない手紙を書きたい」
夢と言葉に、私を探す。

最果タヒ「森森花畑ぼく森森海/森森花畑ぼく森森海 雷雷雷」
蝶/氷/リアリティー/桜/森林浴

◆CLOSE UP
そして、僕たちは舞台に立っている。[連続企画第6回]
俳優・平間壮一インタビュー

ふみふみこ×渡辺ペコ[特別対談]
本当は憎しみと違うものを探していた
辛かったのは、母親を好きと言えないことかもしれない。「家族」の物語を描く二人が漫画を通して追いかけるもの――。

◆SPECIAL STORY
榎田ユウリ「死神の弟子」 画:THORES柴本
死を自覚していない人を、速やかにあの世へ送る死神、余見よみとおるが新人教育を任されたのは……。大人気「死神」シリーズ特別編。

◆SERIES
小松エメル「銀座ともしび探偵社」[最終回] 画:しきみ
不思議を集める同業者がいるのではないか。突如浮かび上がった疑いに、所長はいないと断言するが――。

柏井 壽「祇園白川 小堀商店 いのちのレシピ」[最終回] 画:中川学
地元民に愛されてきた、味自慢の〈一条食堂〉この店が間もなく閉店するという。食べることは生きること――。京都グルメ小説、完結篇。

橋爪駿輝「さよならですべて歌える」[最終回] 写真:池谷 陸
神様、僕に音楽の才能をください。彼女の命の灯が消えるまえに。

燃え殻「これはただの夏」[第3回] 画:森 優 デザイン:熊谷菜生
キミもボクもたくさんの嘘の結晶。

小佐野 彈「我とひとしき人しなければ」[第3回] 写真:Dan Osano
やんちゃで、おしゃれで、まっすぐで――僕はハヤトに恋をした。最注目の歌人が綴る、美しく残酷な青春の日々。

馳 星周「極夜」[第5回] 画:ケッソクヒデキ
楊偉民と呉國邦の友情に決定的な亀裂が走る。偉民は姿を消した國邦の行方を追うが――。

橋本長道「覇王の譜」[第2回] 画:サイトウユウスケ
苦悩するプロ七年目の棋士、直江大。生意気な天才少年、高遠拓未。ふたりの真剣勝負がはじまる――。

門井慶喜「地中の星」[第12回] 画:山田ケンジ
いよいよ営業を開始した地下鉄は連日の大行列。早川徳次の妻も、友人とその群衆に加わった。

成田名璃子「ヤマワラウ」[第2回] 画:Miltata
豪華な祝言を挙げた若乃。一方はじめて桐生を訪れた詩織には、運命的な出会いが訪れる。

浅原ナオト「今夜、もし僕が死ななければ」[第4回] 画:新井陽次郎
妻が妊娠して、僕は人の親になる。ばあちゃんがいつか分かるといった「能力」の本当の意味はまだ分からないけれど。

青柳碧人「猫河原家の人びと3」[第3回] 画:MITO(監修:uki)
かおり姉が結婚! しかし名探偵嫌いの相手家族から謎解き勝負を挑まれて……どうする猫河原家!

小林勇貴「殺界団地」[第6回] 画:石川晃平
廃人を街に送り出す汚い大人をぶっ殺す!

結城充考「アブソルート・コールド」[第7回] 画:與座 巧
工場に潜入したコチを「猟犬」が襲う。尾藤は花城父子に自分と娘の姿を重ねている。来未は謎の女と接触した。

武内 涼「阿修羅草紙」[第6回] 画:加藤木麻莉
ひとり、また一人……熾烈な闘いに命を散らす忍びたち。伊賀の音無は、事件の背後に凶悪な思念を嗅ぎとっていた。

◆WORLD TRENDS
山本美希「トレンドを、読む読む。」
社会を反映する「カルチャー」としての絵本

◆CULTURE & COLUMN
新井見枝香×千早 茜「胃が合うふたり」[第3回 銀座編] 絵:はるな檸檬
1日5パフェ完走! パフェ先生と究極銀座パフェ巡り。書店員×作家、胃袋無尽蔵の食べ友エッセイ。

今 祥枝「海外エンタメ考 意識高いとかじゃなくて」[第6回]
ポリコレは娯楽を窮屈なものになんてしない。365日ドラマと映画を見ながら考える。

出井康博「午前一時のノスタルジア」
「スカイ・イズ・ザ・リミット」

高橋ユキ「境界線に置くことば」
「証言」だけでは心を知るのに弱すぎる

平原 卓「知のバトン 哲学者が考え、引き継いできたもの」[第6回]
社会のあり方と個人の存在。古代中国でも、儒家、道家が激しい議論を闘わせていた。

恒川光太郎「多摩川異聞録」[第6回]
上流で出会えるいくつもの将門伝説。“史実ではない”のは確かとして、そこに滅びた三田氏一族の幻影を見た。

カレー沢 薫「モテる技術(仮)」[第16回]
オタクだがモテる。そんな世界はありうるのか。衝撃の結論にあなたはきっと涙する。

パリッコ「たそがれドリンカーズ」[第3回]
こんなのんきでいいのだろうか。曖昧な不安が絡みつく午後、ふと浮かぶのは突き抜けてのんきな朋友の顔。そうだ、今日は学生時代のあの街へ――思いつき途中下車、ちょい飲み物語。今回の思いつきは高円寺。

執筆者紹介/編集後記

「東京デストロイ・マッピング」(新納 翔氏)、
「パルコにお店を出したくて」(渋谷直角氏)、
「世界のαに関するカルチャー時評」は本号休載です

編集長から

辛さやモヤりを誤魔化さない

 本誌前号で連載最終回を迎えた、ふみふみこさんのコミック『愛と呪い』第3巻が発売されました。“半自伝的”な形で作品として性的虐待や宗教問題に踏み込んだこの作品には、時に「主人公の境遇が辛すぎる」といった声も寄せられました(もちろん、それに劣らぬ多くのご声援もいただきました)。

 実際、作者の体験が色濃く映れば映るほど、その物語は出口を見つけにくくなるのでしょう。執筆が止まりかけたこともありましたし、そうした時に“辛くない”方向にストーリーを作り替えて行くことも、きっとプロの創作者なら可能でしょう。それでも作者は、主人公を苛む怒りや憎しみから目を逸らしませんでした。今号掲載のふみさん×渡辺ペコさん特別対談「本当は憎しみと違うものを探していた」で、渡辺さんは本作について「自分は何によって救われ得るのか」がわからないままもがくリアリティーを捉えた――と感想を語っています。

 今号からは、新たにコミック作品のダブル連載が始まります。磯谷友紀さん「ぬくとう君は主夫の人」は、“主夫”や“妻”や“一人暮らし”など、様々な人の心模様を家事を通じて描きます。谷口菜津子さん「今夜すきやきだよ」は女性二人のシェアハウス会話劇。結婚だとか女の役割とされる事々だとか、そういうものへのモヤッとした思いを、語り合えるってよいことだなと感じます。

 舞台やミュージカルで活躍するキャストたちへの連続インタビュー企画「そして、僕たちは舞台に立っている。」。しばらくお休みしておりましたが、今号は平間壮一さんにご登場いただきました。北海道から上京し、孤独感のなか「踊っている時だけは、人の気持ちを気にしないで笑うことができた」という平間さんに、芝居と向き合う魅力を伝えたのは、大先輩の岸谷五朗さんだったそうです。

 南沙良さん「届かない手紙を書きたい」は、女優として、またモデルとして活躍している南さん初のエッセイ連載です(押見修造さん原作の映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で、吃音に苦しむ主人公を演じた南さんの熱演をご記憶の方も多いでしょう)。17歳の感性が捉えた瑞々しい日常の瞬間を、気鋭のフォトグラファー・石田真澄さんの撮り下ろし写真とともにお届けします。

 毎号の巻頭を飾る最果タヒさんの連載詩は、「森森花畑ぼく森森海」として新章スタート。これまでの「暗闇くん」同様、誌面中にもさらに数篇の詩が掲載されます。目次の「森森花畑ぼく森森海 雷雷雷」をタップしてお進みください。

 ほかにも榎田ユウリさんの大人気「死神」シリーズ特別編として読切短編「死神の弟子」、前号休載させていただいた平原卓さんの哲学論考「知のバトン 哲学者が考え、引き継いできたもの」、傍聴ライターというユニークなアプローチから事件取材を続ける高橋ユキさんの特別寄稿(〈境界線に置くことば/「証言」だけでは心を知るのに弱すぎる〉)など、小説、エッセイ、ノンフィクションなどジャンルの垣根を越えた充実の誌面。感興と思索のヒントがしっかり詰まった一冊です。

「yom yom」編集長 西村博一

次号予告

バックナンバー

雑誌から生まれた本

yom yomとは?

世界はこんなにも様々な可能性に満ちているから。

「yom yom」はそんな物語の囁きを、あなたがこっそり聞きに来る雑誌です。あなたと一緒に歩いてくれる、あなたのための物語が、見つかる場所になりたいのです。それでお気に入りを読み終えたら、「しょうがない。明日も生きていってやるさ」とでも思っていただければ幸せです。注目作家の小説も詩もコミックも……文芸の「イマココ」に必ず出会えるボリュームたっぷりの文芸誌です。

yom yom

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