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私が、私としてあるための方法は?

yom yom vol.53 2018年12月号

(隔月1、3、5、7、9、11月第三金曜日発行)

756円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/11/16

発売日 2018/11/16
JANコード F80319
価格 756円(税込)
◆NEW SERIES
朱野帰子「わたし、定時で帰ります。2 ブラック企業討入り篇」 画:Minoru
話題集中のお仕事小説第二弾! 定時で帰るのがモットーの結衣の元に集まったのは、個性強めの新人ばかりで……。

寺地はるな「ここにない希望」 画:夜久かおり
「読み進めるほどに彼のことがわからなくなる」新連載スタート。あの女は、大嫌いだった同級生に似ている。

結城充考「アブソルート・コールド」 画:與座 巧
死者の最後の記憶を辿るテクノロジーが、孤児と捜査官の運命を結びつけた。

荻上チキ「理不尽と闘う武器を持て!」
日々感じる「ちょっと苦しい」「なんか変」をやり過ごすな。理不尽に立ち向かうための僕らの武器とは。

平原 卓「知のバトン 哲学者が考え、引き継いできたもの」
現代の哲学は、名言や簡略化された学説によって〈不安〉を解消する方法に成り下がったのか。それしか力は残っていないのか――。哲学の逆襲はここから始まる。

渋谷直角「パルコにお店を出したくて」
ファッション・映画・音楽・演劇。「あたらしい」の入り口にはいつもパルコがあった。カルチャーを愛する全ての人に捧げる、シブヤ発・お店づくりプロジェクトが始動!

柳瀬博一「日本を創った道、国道16号線」
日本の文明を規定したのは、全長340キロの国道16号線である――。この見立ててで日本を読み解く、壮大な地域文明論の登場!

◆SPECIAL ARTICLES
[連続特集最終回]
ピカチュウの肩から飛び降りる!!
『ポケモン』から20年と未来の日本ゲーム

ゲームは今なお、日本がかろうじて世界と肩を並べている分野である。ゲームについて考えることは、私たちの社会を、世界を、そして文化を考えることにつながっている。
「ゲームは日本の『同人文化』をリブートする」文/企画協力:さやわか

◆SPECIAL STORY
越谷オサム「二十歳のおばあちゃん」画:田中寛崇
高校生の美羽と祖母の二人旅。「路面電車に乗りたい」という祖母の探している思い出とは――。

伊藤朱里「ピンク色なんかこわくない」画:山田 緑
姉たちのおさがりで生きてきた四女の私は何を着ればいいの。

十市 社「薄月の夜に」画:中島梨絵
高校の同級生が失踪した。行方を探す彼女の親友の連絡を受け、同窓会で会った時のことを思い出すが――。

◆CLOSE UP
そして、僕たちは舞台に立っている。[連続企画第5回]
俳優・赤楚衛二インタビュー

◆SERIES
中山七里「死にゆく者の祈り」[最終回]画:にしざかひろみ
下された死刑執行命令。関根は絞首台の露と消えてしまうのか――。

宮木あや子「手のひらの楽園」[最終回]画:大宮いお
島の大人たちが信じられなくなった友麻は、こづえの実家がある神戸を訪れ、自分の本当の願いに気付く――。

九螺ささら「きえもの」[第2回]写真:餅井アンナ
短歌と散文が共鳴して、日常の中に非日常への扉を開く。

吉野万理子「トリカブトの残り香 忘霊トランクルーム2」[第3回]画:中村至宏
トランクルームに現れた小学生、中学生、高校生の女の子。彼女たちは皆、西条さんの亡霊だった。

青柳碧人「猫河原家の人びと2」[第3回]画:MITO(監修:uki)
憧れないハワイ航路! 羽田発ホノルル行き、消えた凶器の謎。ハワイに向けて順調に飛行していた旅客機内で突然殺人が! 突然悪臭が! 突然うにあられが!?

東川篤哉「三人組にうってつけの迷宮 かがやき荘アラサー探偵局2」[第7回]画:ヤスダスズヒト
一人きりのクリスマス。帰宅の途につく礼菜に魔の手が迫る! ん? この光景、前にも見たことあるような……。

最果タヒ「暗闇くん/暗闇くん 別邸」[第10回]
液晶テレビの中へ忍び込んで読む詩/栄養素/雇用/進化/終電消失

乾 緑郎「機巧のイヴ3 如洲望郷篇」[第2回]画:獅子猿
林田によって新しい価値観に目覚めた、ナオミ。しかし林田はフェルと八十吉の過去に繋がることが明らかに。

門井慶喜「地中の星」[第6回]画:山田ケンジ
土留め、杭打ち、覆工、掘削……。職人たちのテンポを巧に指揮して、竹五郎は地下鉄工事を進めていく。

◆COMIC
ふみふみこ「愛と呪い」[第9回]
誰もがノストラダムスを忘れてしまい、17歳たちは孤独に壊れる。

◆CULTURE & COLUMN
千葉雅也「境界線に置くことば」
「過激で不愉快な同性愛者」の批評性

砂田麻美「世界のαに関するカルチャー時評」[第8回]
なぜ、いま『北の国から』なのか? ~興味はあるが、とても全話見返せないあなたへ~(前編)

カレー沢 薫「モテる技術(仮)」[第10回]
ジブリは大切なことを教えてくれる。そう、モテとは何かってことを。ジブリ男子考察回。

本坊元児「午前一時のノスタルジア」
鬼からの手紙

恒川光太郎「多摩川異聞録」[第2回]
見渡す限りの泥水が去り、村人は野の片隅で神様を見つけた……。洪水と土地の精神文化は深く結びついている。

新納 翔「東京デストロイ・マッピング」[第6回:山谷]写真/テキスト
圧倒的な力が東京を概念化された秩序で塗り潰す。2020年に向けた再開発で消えてゆく、様々な街の「核」を捉える写真都市論。

新井久幸「読みたい人、書きたい人のための、ミステリ超入門」[第10回]
何のために世界を作るのか?

◆BOOKS
あいみょん「アンサーソング」
[燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』]

執筆者紹介/編集後記

編集長から

私が、私としてあるための方法は?

 いまここで答えが出せないこと、あるいは暫定的な保留付きでしか出せない答えを大切にしたいと思います。「こうしておくのが正解」というような答えを誰かから貰えれば、それは確かに嬉しいのですが、そんなものがあるのかしらと疑わずにはいられないのです。「決めつけはいけません」とかそういうことではなくて(確かに「決めつけ」はいけないんですけど)、私を取り巻く世界を受け止め応じる主体としての私を、誰かに預けるようなことはできないわけで。物語とは、そうしたたくさんの暫定的な「私」の応じ方を、創作者が提出してくれたものだと思います。

 その一方で、私たちは理性をもって、この世界とは何なのかを問わずにはいられない存在でもあります。そもそも「問いたい!」という衝動がないところに、「答えが出せないことが大切」もなにもない。私たちはこうして、問いかけと応答との間を、振り子のように往復運動し続けるものなのでありましょう。そう、まさに新潮文庫のキャラクターのキュンタくんが、いつも「この感情は何だろう。」と呟き続けているように。

 この振り子的な往復運動を、ひとつの雑誌の中でやれたらという願いがありまして、今号から「問いたい!」側の素晴らしい連載が始まります。荻上チキさんの「理不尽と闘う武器を持て!」と平原卓さんの「知のバトン 哲学者が考え、引き継いできたもの」、いずれも人の理性がこの世界に積み上げてきた財産、いわば私たちをその肩の上に乗せてくれている巨人の姿に、正面から向き合う試みです。マイノリティーが社会に対して持つ批評性を捉えた千葉雅也さんの論考「『過激で不愉快な同性愛者』の批評性」(「境界線に置くことば」コーナーです)と併せてお読みください。

 小説の新連載も三作あります。働き方改革が社会的なテーマとなる中で大きな注目を集めた朱野帰子さんの「わたし、定時で帰ります。」は、第二弾「ブラック企業討入り篇」がスタート。寺地はるなさん「ここにない希望」、結城充考さん「アブソルート・コールド」も、長期間にわたって構想を温めてくださった自信作です。

 さらには国道16号線という視座から日本という国の姿を浮き彫りにする柳瀬博一さんの「日本を創った道、国道16号線」、サブカルチャーシーンに絶大な影響力を持ってきたパルコの発想力に迫る渋谷直角さんの「パルコにお店を出したくて」も新連載。
 改めて目次を眺めると、ずいぶんと欲張りな雑誌になったなと思います。面白いから、よいのですが。

「yom yom」編集長 西村博一

次号予告

バックナンバー

雑誌から生まれた本

yom yomとは?

世界はこんなにも様々な可能性に満ちているから。

「yom yom」はそんな物語の囁きを、あなたがこっそり聞きに来る雑誌です。あなたと一緒に歩いてくれる、あなたのための物語が、見つかる場所になりたいのです。それでお気に入りを読み終えたら、「しょうがない。明日も生きていってやるさ」とでも思っていただければ幸せです。注目作家の小説も詩もコミックも……文芸の「イマココ」に必ず出会えるボリュームたっぷりの文芸誌です。

yom yom

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