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編集長から
藤田嗣治と5人の妻たち
没後50年を記念して、過去最大規模の藤田嗣治展が開催されるのを機に、改めて彼の画業を回顧。作風やモティーフが時とともに変化するのは画家として当然のことだが、藤田の場合、その転換が妻交代のタイミングと重なっている。パリでの模索期、彼の代名詞とも言える「乳白色」の裸婦像の登場、エキゾチックなモティーフへの傾倒、戦争画の時代、子どもを描くことへの執心などなど、その移り変わりを5人の妻たち―鴇田とみ、フェルナンド、ユキ、マドレーヌ、堀内君代―から解き明かしてみると、これまで気づかなかった画家の顔が見えてきた。2009年に亡くなった君代夫人のもとには、写真や日記帳、書簡など約6000件もの資料が残されており、目下、東京藝術大学による調査が進行中。その最新動向もお伝えする。
また、奈良美智が藤田晩年の安息の地を訪ねる。奈良自身による写真とエッセイで綴る、現代の美術家が見た巨星の姿にも注目してほしい。
芸術新潮編集長 吉田晃子
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最新号PICK UP
新たな切り口で迫る藤田嗣治
藤田嗣治は、美術史上、初めてヨーロッパで認められた日本人といって良いかもしれません。にもかかわらず、その画業が体系的に理解・研究されるようになったのは、比較的、近年のこと。その背景には、さまざまな事情があったようですが、2000年前後から徐々に状況は変わり、生誕120年にあたる2006年には、東京・京都・広島で本格的な回顧展が開催されました。 [→]全文を読む
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●目 次
【特集】
藤田嗣治と5人の妻たち
Prologue
妻たちを通して振り返る画家の軌跡
解説 林洋子
妻たちとたどる藤田画伯のキャリアマップ
1 とみ 真夏の恋で結ばれた、同い年の才媛
2 フェルナンド フランスへの同化を 誘った女性画家
3 ユキ 絶頂期をともにした“トロフィー・ワイフ”
4 マドレーヌ 中南米遊歴の果て、日本に散った薄幸のミューズ
5 君代 花も嵐も踏み越えて添い遂げた、最後の妻
奈良美智がカメラでたどる
フジタの愛した場所
撮影・文 奈良美智
君代夫人が遺した「 藤田嗣治資料」拝見!
解説 古田亮
1949-50 ニューヨーク日記の波乱万丈
世界の巨匠たちが撮った!
Foujitaポートレイト 傑作選
あり得たかもしれない
天才漫画家・ 藤田嗣治
「本のしごと」展をめぐって
文 鹿島茂
COLUMN
猫派画伯の犬ものがたり
戦争画への階段、壁画に挑んだ30年代
編集部のおすすめ! 藤田嗣治を知る本
幻の挿絵本? 版画原版見つかる
文 富田芳和
展覧会案内
◆ 第二特集 ◆
徳川家の栄光と文化のニューウェイヴを映し出す
名古屋城本丸御殿
復元完成
◆ 特別対談 ◆
『ホンマタカシの換骨奪胎』刊行記念 同級生対談
ホンマタカシ×原田マハ
ふたりの“換骨奪胎”
◆ Art News report ◆
一八九八年の 普段着のふたり
――西郷どん像とバルザック像の奇縁にまつわる一考察
文 木下直之
◆ Art News book ◆
現役営業中!
元妓楼旅館が語るもの
撮影 関根虎洸
◆ Art News exhibition ◆
アマゾンの聖獣たちがやってきた!
ブラジル先住民の天と地をつなぐ 椅子
選・コメント ミロコマチコ
◆ Review ◆
- ゴードン・マッタ =クラーク
- 菱田雄介/江上茂雄/沖潤子
◆ Global News ◆
- Venezia「第16回国際建築展 ヴェネツィア・ビエンナーレ2018」ヴァチカン・チャペル
- Aix-en-Provence「プロヴァンスのニコラ・ド・スタール」展
- London「ザ・ロンドン・オープン2018」展
- New York「メアリー・コース:光の追求」展
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
ちょっといいで書?〈16〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水
Goods & Shop
時と光の美術館〈16〉
ブルガリ
◇ 連載 ◇
海外アートStudy最前線〈39〉
文 前橋重二
定形外郵便〈51〉
文 堀江敏幸
中野京子が読み解く
画家とモデル〈5〉
シャガールと《誕生日》
新連載
千住博の往復書簡〈1〉
宛先 隈研吾様
フィリップ・ワイズベッカーの
郷土玩具
十二支めぐり〈11〉[戌]
千 宗屋の
飲みたい茶碗、
点てたい茶碗〈49〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈28〉
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
志摩観光ホテルで出会う
藤田嗣治 幻の大作
ギャルリーためなが
爲永清司会長が語る、素顔の藤田嗣治
名古屋・愛知のとっておきアートスポット
ポーラ美術館
平野薫が解きほぐす三つの都市の記憶の糸
新潟の「水」「土」の境界領域で考える
ART CAFE SPECIAL
ART CAFE
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19世紀末のパリで、ゴーギャンの影響のもと結成された前衛画家集団・ナビ派。その代表作家のひとりであるピエール・ボナール(1867~1947年)は、2015年にオルセー美術館で開かれた展覧会が前年のゴッホ展に次ぐ歴代2位の入場者数となる51万人を記録するなど、近年再評価が進んでいます。[→ 全文を読む]
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京都市上京区の大報恩寺(だいほうおんじ)は、鎌倉時代の承久2年(1220)に義空(ぎくう)上人によって開創された、かの『徒然草』にも登場する古刹です。洛中最古の木造建造物であるその本堂には、「千本釈迦堂」と呼ばれる名の通り、快慶の一番弟子・行快(ぎょうかい)による本尊《釈迦如来坐像》が鎮座し、天皇お墨付きの御願寺として貴族から庶民まで広く信仰を集めてきました。[→ 全文を読む]
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