歴史と宗教がざっくり分かっているだけで、美術鑑賞は格段に愉快なものになる。が、大づかみに理解しようにも、そうさせてくれない代表格が『日本書紀』。“正史”ならではのお堅さとボリュームゆえ、現代語訳ですら途中で挫折しがち。ならばいっそ、おいしいところだけをラノベにしてみてはどうだろう?
 
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2020年2月号(定価1,500円)1月24日発売
芸術新潮メールマガジン[2020/01/24] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
教養を積む近道「ラノベ日本書紀」

 歴史と宗教がざっくり分かっているだけで、美術鑑賞は格段に愉快なものになる。が、大づかみに理解しようにも、そうさせてくれない代表格が『日本書紀』。“正史”ならではのお堅さとボリュームゆえ、現代語訳ですら途中で挫折しがち。ならばいっそ、おいしいところだけをラノベにしてみてはどうだろう? というのが今月号の特集だ。著者は『ラノベ古事記』で神話読者の裾野をグッと広げた小野寺優。神武のドタバタ東征記、身重で朝鮮半島に遠征した神功皇后、外来の仏教を前に煮えきらない天皇たち、天武・持統夫妻による近代的国家づくりへの道のり――日本誕生の物語が、劇画的なビジュアル感を伴って頭に入ってくる。さらに『日本書紀』編纂の背景や内容の要点を、古代史研究者・遠藤慶太が解説する。
 第2特集はハマスホイ。静謐で叙情感ただよう世界観で知られる、デンマークを代表する画家だ。12年ぶりとなる待望の展覧会は、話題となること必至。
芸術新潮編集長 吉田晃子
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●目 次

【特集】日本書紀編纂1300年記念
ラノベ日本書紀
史上もっともわかりやすい日本誕生の物語


ラノベライズ 小野寺優
扉絵:五月女ケイ子
挿絵:駒碧

プロローグ
日本書紀編纂はこうしてはじまった

第一章◆紀元前660~紀元前98年
ヤマトへの道のり
【ラノベ】誤算続出! 神武天皇のドタバタ東征記

第二章◆紀元前97~紀元後310年
日本書紀最強のヒーロー&ヒロイン現る!
【ラノベ】奇跡の子・日本武と重たすぎる父王の愛
【ラノベ】マタニティ司令官、海を渡りますの

第三章◆313~456年
殺し合う兄弟、譲り合う兄弟
【ラノベ】聖帝・仁徳の憂鬱

第四章◆456~506年
ふたりの暴君 皇統あやうし!
【ラノベ】最強のパワハラ大王・雄略

第五章◆507~539年
新天皇、越前より来たる
【ラノベ】なんで私が天皇に?

第六章◆539~628年
仏教伝来!
祀るべきか、祀らざるべきか、それが問題だ

【ラノベ】崇仏・蘇我氏vs.排仏・物部氏の仁義なき戦い

第七章◆629~671年
クーデター、敗戦、そして律令国家へ
【ラノベ】乙巳の変――クーデターの陰に謎のランチタイムあり

第八章◆672~697年
天武・持統の夫婦二人三脚
【ラノベ】天皇になるのはどっちだ 天下分け目の骨肉決戦・壬申の乱

展覧会案内

ここが知りたい! 日本書紀(1)~(9)
解説 遠藤慶太

神話でくらべる古事記と日本書紀
文 三浦佑之

[グラフ]大王おおきみたちの風景
橿原(かしはら)神宮/香椎(かしい)宮/大山古墳/三輪山/足羽山(あすわやま)公園/飛鳥大仏/談山(たんざん)神社/薬師寺



◆ 第2特集 ◆

美しき静寂の部屋
19世紀デンマーク絵画とヴィルヘルム・ハマスホイ

◆ Art News exhibition ◆

ヴァン クリーフ&アーペルの魔法
談 村中恵理

ある米国人美術史家のしょうした
彭城さかき百川ひゃくせん

◆ Art News report ◆

ドイツ現地レポート
被害額1200億円!?
盗まれた「レジデンツ宮殿」の宝物
文 かないみき

◆ Review ◆

吉田穂高/青木野枝/郡司慶子/蝸牛あや

◆ Global News ◆

  • Le Cateau-Cambresis「マティスになる」展
  • London「自動車:現代世界を加速させて」展
  • Milano「カノーヴァ/トルバルセン 近代彫刻の誕生」展
  • New York「ファッションの追求:サンディ・シュライアーのコレクション」展



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

御贔屓 御馳走帖〈2〉
選・文 森川裕之

Goods & Shop

時と光の美術館〈34〉
ジラール・ペルゴ

◇ 連載 ◇

リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝〈22〉
ヤマザキマリ とり・みき

海外アートStudy最前線〈50〉
文 前橋重二

定形外郵便〈67〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈27〉
青木 淳

新連載
あの人と食器棚〈1〉
伊藤まさこ
料理家 冷水希三子

千住博の往復書簡〈19〉
宛先 林望様

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈64〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
藤田一人の展声人語〈4〉
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

「菊池ビエンナーレ」が探りつづける
現代陶芸の可能性

ART CAFE
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芸術新潮 プレゼント
「古典」と「現代」の作品を組み合わせ、日本美術の魅力を新しい視点から発信する展覧会が開かれます。江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、8名の現代作家の作品と対になるよう組み合わせ、1組ずつ8つの展示室で構成する試みです。[→]全文を読む
今日、世界で最も重要なアーティストのひとりと言われるピーター・ドイグ(1959年生れ)。スコットランドに生れ、ニュー・フィギュラティヴ・ペインティング(新しい具象)の画家として1990年頃にデビューしてまもなく注目を集め、現在はポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)を拠点に制作している現代絵画の巨匠です。[→]全文を読む
ニューヨークのブロードウェイの舞台を中心に人気作を映画館で上映する「松竹ブロードウェイシネマ」。日本映画史上初の試みとして2019年からシリーズ化され、ミュージカルやストレイトプレイ(台詞劇)の名舞台を臨場感たっぷりに、手軽に楽しめると好評を博してきました。この春、第四弾作品として『シラノ・ド・ベルジュラック』が公開されます。[→]全文を読む
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