|
|
編集長から
教養を積む近道「ラノベ日本書紀」
歴史と宗教がざっくり分かっているだけで、美術鑑賞は格段に愉快なものになる。が、大づかみに理解しようにも、そうさせてくれない代表格が『日本書紀』。“正史”ならではのお堅さとボリュームゆえ、現代語訳ですら途中で挫折しがち。ならばいっそ、おいしいところだけをラノベにしてみてはどうだろう? というのが今月号の特集だ。著者は『ラノベ古事記』で神話読者の裾野をグッと広げた小野寺優。神武のドタバタ東征記、身重で朝鮮半島に遠征した神功皇后、外来の仏教を前に煮えきらない天皇たち、天武・持統夫妻による近代的国家づくりへの道のり――日本誕生の物語が、劇画的なビジュアル感を伴って頭に入ってくる。さらに『日本書紀』編纂の背景や内容の要点を、古代史研究者・遠藤慶太が解説する。
第2特集はハマスホイ。静謐で叙情感ただよう世界観で知られる、デンマークを代表する画家だ。12年ぶりとなる待望の展覧会は、話題となること必至。
芸術新潮編集長 吉田晃子
|
|
|
|
|
|
●目 次
【特集】日本書紀編纂1300年記念 ラノベ日本書紀
史上もっともわかりやすい日本誕生の物語
ラノベライズ 小野寺優
扉絵:五月女ケイ子
挿絵:駒碧
プロローグ
日本書紀編纂はこうしてはじまった
第一章◆ 紀元前660~紀元前98年
ヤマトへの道のり
【ラノベ】誤算続出! 神武天皇のドタバタ東征記
第二章◆ 紀元前97~紀元後310年
日本書紀最強のヒーロー&ヒロイン現る!
【ラノベ】奇跡の子・日本武と重たすぎる父王の愛
【ラノベ】マタニティ司令官、海を渡りますの
第三章◆ 313~456年
殺し合う兄弟、譲り合う兄弟
【ラノベ】聖帝・仁徳の憂鬱
第四章◆ 456~506年
ふたりの暴君 皇統あやうし!
【ラノベ】最強のパワハラ大王・雄略
第五章◆ 507~539年
新天皇、越前より来たる
【ラノベ】なんで私が天皇に?
第六章◆ 539~628年
仏教伝来! 祀るべきか、祀らざるべきか、それが問題だ
【ラノベ】崇仏・蘇我氏vs.排仏・物部氏の仁義なき戦い
第七章◆ 629~671年
クーデター、敗戦、そして律令国家へ
【ラノベ】乙巳の変――クーデターの陰に謎のランチタイムあり
第八章◆ 672~697年
天武・持統の夫婦二人三脚
【ラノベ】天皇になるのはどっちだ 天下分け目の骨肉決戦・壬申の乱
展覧会案内
ここが知りたい! 日本書紀(1)~(9)
解説 遠藤慶太
神話でくらべる古事記と日本書紀
文 三浦佑之
[グラフ] 大王たちの風景
橿原(かしはら)神宮/香椎(かしい)宮/大山古墳/三輪山/足羽山(あすわやま)公園/飛鳥大仏/談山(たんざん)神社/薬師寺
◆ 第2特集 ◆
美しき静寂の部屋
19世紀デンマーク絵画とヴィルヘルム・ハマスホイ
◆ Art News exhibition ◆
ヴァン クリーフ&アーペルの魔法
談 村中恵理
ある米国人美術史家の 頌した
彭城百川
◆ Art News report ◆
ドイツ現地レポート
被害額1200億円!?
盗まれた「レジデンツ宮殿」の宝物
文 かないみき
◆ Review ◆
吉田穂高/青木野枝/郡司慶子/蝸牛あや
◆ Global News ◆
- Le Cateau-Cambresis「マティスになる」展
- London「自動車:現代世界を加速させて」展
- Milano「カノーヴァ/トルバルセン 近代彫刻の誕生」展
- New York「ファッションの追求:サンディ・シュライアーのコレクション」展
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
御贔屓 御馳走帖〈2〉
選・文 森川裕之
Goods & Shop
時と光の美術館〈34〉
ジラール・ペルゴ
◇ 連載 ◇
リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝〈22〉
ヤマザキマリ とり・みき
海外アートStudy最前線〈50〉
文 前橋重二
定形外郵便〈67〉
文 堀江敏幸
原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈27〉
青木 淳
新連載
あの人と食器棚〈1〉
伊藤まさこ
料理家 冷水希三子
千住博の往復書簡〈19〉
宛先 林望様
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈64〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
藤田一人の展声人語〈4〉
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
「菊池ビエンナーレ」が探りつづける
現代陶芸の可能性
ART CAFE
Gallery's Plaza
|
|
|
|
|
「古典」と「現代」の作品を組み合わせ、日本美術の魅力を新しい視点から発信する展覧会が開かれます。江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、8名の現代作家の作品と対になるよう組み合わせ、1組ずつ8つの展示室で構成する試みです。[→]全文を読む
|
|
|
今日、世界で最も重要なアーティストのひとりと言われるピーター・ドイグ(1959年生れ)。スコットランドに生れ、ニュー・フィギュラティヴ・ペインティング(新しい具象)の画家として1990年頃にデビューしてまもなく注目を集め、現在はポート・オブ・スペイン(トリニダード・トバゴ)を拠点に制作している現代絵画の巨匠です。[→]全文を読む
|
|
|
ニューヨークのブロードウェイの舞台を中心に人気作を映画館で上映する「松竹ブロードウェイシネマ」。日本映画史上初の試みとして2019年からシリーズ化され、ミュージカルやストレイトプレイ(台詞劇)の名舞台を臨場感たっぷりに、手軽に楽しめると好評を博してきました。この春、第四弾作品として『シラノ・ド・ベルジュラック』が公開されます。[→]全文を読む
|
|
|
「芸術新潮」の定期購読について
★特別定価号も通常価格で購入できます(1年間/12冊 18,000円)
★送料無料でお届け、買い逃しの心配がありません
インターネットで簡単にお申し込みいただけます。
|
|
または下記へご連絡ください。
雑誌定期購読「芸術新潮」係
フリーコール:0120-323-900(平日 9:00~17:00)
FAX:0120-988-959(24時間)
|
|
|
|
|
|
『懐かしいお菓子―武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう―』
伴田良輔、今村規子、山岸吉郎、河西見佳/著
|
密かに遺された、世界一おいしそうな絵。素朴でかわいいお菓子尽くし!
現在も食べられるお菓子情報をあわせて紹介! |
|
|
|
〈とんぼの本〉は、1983年に創刊したビジュアルブックのシリーズです。
美術、工芸、建築、写真、文学、暮らし、旅……あなたがそのとき知りたい・見たい・読みたいものを、気軽に手にとってみてください。
|
|
|
|
|
|
|