|
 |
編集長から
杉本・養老・山下 “影老”たちの競演
|
このごろ、いや数年前から、頭にこびりついて離れない標語がある。「日々是口実」。最初に目にしたのは、現代美術家・ 杉本博司が小田原市の郊外に開設したアートサイト・江之浦測候所の茶室「 雨聴天」の床に掛かる掛軸だった。もちろん禅語の「日々是好日」のもじりだが、デュシャンピアン(=マルセル・デュシャンの信奉者)としての自己の本質を軽妙的確に捉えつつ、お前もやってみろと誘いかけてくるような気配もある。特集「杉本博司と日本の神々」では、杉本が自ら“遺作”と位置づける江之浦測候所と、そこへの春日社の 勧請を機とした「春日神霊の旅―杉本博司 常陸から大和へ」展をフィーチャー。3月には小社から『杉本博司自伝 影老日記』(またもやダジャレ)も刊行される予定だ。
第二特集では、虫愛ずる影老・ 養老孟司が年下の虫友と虫談義に耽る。初老耽美派を自称する 山下裕二による新連載「山下裕二の新・今月の隠し球」もスタート。賑々しい新春号となった。
芸術新潮編集長 高山れおな
|
|
 |
 |
 |
 |
|
|
|
「春日神霊の旅 ―杉本博司 常陸から大和へ」展に出品される春日舎利厨子を調査中の杉本博司
神奈川県山北町の不動尊常実坊にて。
撮影:広瀬達郎(本誌)
|
|
春日の神様は行かせてくれない
新春号の巻頭特集は、現代美術作家・杉本博司と神奈川県立金沢文庫のコラボ展「春日神霊の旅―杉本博司 常陸から大和へ」を機としたもの。杉本氏は、古美術コレクターとして多数の“春日物”の名品を所蔵し、小田原市郊外で運営するアートサイト・江之浦測候所には鎮守のお社として春日社を建立。それも社殿を建てただけではなく、2022年3月には奈良の春日大社から御霊分けまでしていただくという。[→]続きを読む
|
|
|
|
●目 次
【特集】杉本博司と日本の神々
- 巻頭グラフ
- 神体顕現――滝から海へ
- 鹿島のカミは春日のカミ
- かくかく鹿々 春日の神とつながるご縁
- ようこそ、カミ鳴りわたる広間へ
- 社を造る、像を迎える
- 威徳寺再訪
前田青邨・白洲正子旧蔵、十一面観音のふるさとへ
杉本博司エッセイ
- I
- 私の内なる神々
- II
- 神仏習合の頃
- III
- 春日神との邂逅
- IV
- 題字な話
影老絵日記――杉本博司クロニクル
空前絶後の“遺作”プロジェクト
江之浦測候所は
日々是増殖
江之浦測候所MAP
令和4年、春日のカミが江之浦測候所に降臨する
春日大社宮司
花山院弘匡×杉本博司
日本的霊性をめぐる対話
オブザーバー 瀬谷貴之
“書家”杉本博司を知っていますか?
COLUMN
人は如何にして悟るか、または空中戦と大燈国師
杉本コレクション
神道美術12選
選・解説 瀬谷貴之
展覧会案内
◆ 第2特集 ◆
養老孟司×横山寛多
ムシのいい話
◆ Art News exhibition ◆
ショーメ×日本の伝統美
ものづくりの声を聴く
文 本間恵子
横尾忠則とマルセル・デュシャンの原郷
文 平芳幸浩
◆ Review ◆
◆ Global News ◆
- Paris「異邦人ピカソ」展
- Berlin「H.R.ギーガー&ミレ・リー」展
- London「北斎:万物絵本大全図」展
- New York「越境するシュルレアリスム」展
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
国宝クラス仏をさがせ!〈13〉
高幡不動尊 不動三尊像
Goods & Shop
時と光の美術館〈57〉
ブチェラッティ
◇ 連載 ◇
国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈13〉
選・解説 瀬谷貴之
新連載
山下裕二の
新・今月の隠し球〈1〉
大西茅布(上)
海外アートStudy最前線〈71〉
文 前橋重二
定形外郵便〈90〉
文 堀江敏幸
大人のための印象派講座〈7〉
女性画家として生きることI
モリゾとカサットの場合
文 三浦 篤
画家・中園孔二を追って。〈4〉
絵のマグマ
取材・文 村岡俊也
千住博の往復書簡〈42〉
新春特別編
お相手 酒井邦嘉 様
科学と芸術の接点を探ろう
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈86〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎 歓
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈19〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
歌舞伎座の快人〈3〉
二代目中村獅童 小川陽喜之巻
霊気を彫り出す彫刻家、大森暁生の25年間の軌跡
連載 唯一無二の美〈4〉
女神アスタルテの像 浮彫護符
レンゾ・ピアノに捧げた
キンベル美術館のピクチャーレール
連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈46〉
法隆寺 百済観音堂《百済観音像》
ART CAFE SPECIAL
Gallery's Plaza
ART CAFE
|
|
|
|
|
楳図の芸術性に焦点を当てた展覧会が今春、東京を皮切りにスタート。1990年代の「14歳」以来、実に27年ぶりとなる新作《ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館》が初公開されます。12歳の悟と真鈴の手によって、工業ロボットが意識を持ち、“真悟”と名乗って動き始める――コンピュータ社会の光と影を予見するような物語を80年代に圧巻の緻密さで描いた「わたしは真悟」。新作はその続編であり、同時に時空を超えたパラレル・ビジョン(並行世界)でもあります。[→]全文を読む
|
|
|
先史時代から現代まで5000年以上にわたる世界各国の文化遺産が150万点以上所蔵されているメトロポリタン美術館――通称THE MET(メット)。なかでもヨーロッパ絵画部門は創設以来150年にわたって同館が注力してきた分野で、現在は約2500点を所蔵しています。今回、その中から選りすぐりの名画65点が来日中。大阪展の終了後、東京にもやって来ます。オールドマスター(=18世紀以前に活躍した大家)から印象派まで、巨匠の絵画作品に焦点を絞り、なんと出品作品中46点が日本初公開という豪華な展観となっています。[→]全文を読む
|
|
|
|
「芸術新潮」の定期購読について
★特別定価号も通常価格で購入できます(1年間/12冊 18,000円)
★送料無料でお届け、買い逃しの心配がありません
インターネットで簡単にお申し込みいただけます。
|
|
または下記へご連絡ください。
雑誌定期購読「芸術新潮」係
フリーコール:0120-323-900(平日 9:00~17:00)
FAX:0120-988-959(24時間)
|
|
|
|

|
|
|
|
|
|
エロとアートの共犯関係に、あなた自身のワイセツ観も一変する――!?
ロダンから裸のマハまで。土偶から黒田清輝に、街中の銅像まで。斯界のエロフェッショナルとコラムニスト界の巫女が、「芸術だもの」を合言葉に生み出されてきた古今東西のハダカをタネに大談議。二人初の共著。カラー図版多数。
|
|