東福寺――日本の禅の始まりの場所へ 京都東山の東福寺と言えば、何はともあれ紅葉の名所のイメージ。しかし、このお寺がすごいのは紅葉だけではありません。日本に禅宗を伝えたのは栄西ですが、じつは栄西の時代には禅宗は広まりませんでした。
 
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2023年4月号(定価1,500円)3月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2023/03/24] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
東福寺――日本の禅の始まりの場所へ
 京都東山の東福寺と言えば、何はともあれ紅葉の名所のイメージ。しかし、このお寺がすごいのは紅葉だけではありません。日本に禅宗を伝えたのは栄西ですが、じつは栄西の時代には禅宗は広まりませんでした。禅宗が日本に根付くのは、円爾えんにが京都に東福寺を、次いで蘭渓道隆らんけいどうりゅうが鎌倉に建長寺を開いてからのこと。東福寺は日本の禅宗の実質的な始まりの場所なのです。
 東京国立博物館で開催中の「特別展 東福寺」は、円爾とその師である南宋の禅傑・無準師範ぶじゅんしばんの“以心伝心”(←歴とした禅語です)の師弟愛を証言する名宝(←軒並み国宝)、伝説の絵仏師・明兆みんちょう描く全50幅の超大作《五百羅漢図》など見応えたっぷり。特に後者の本格的な展示は初のことで、修理によって甦ったばかりの画面の美しさには感嘆の他ありません。
 アート・ニューズでは没後40年となる寺山修司について中森明夫大槻ケンヂが語り合います。サブカルの巨星たちのホットな対談をお楽しみください。
芸術新潮編集長 高山れおな
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●目 次


【特集】仏教美術的大宝庫 東福寺の実力

巻頭グラフ
伽藍面がらんづら」の四季

Introduction
将軍は息子、天皇は孫
九条道家が夢見た中国式巨大伽藍
解説 石川登志雄
略年譜/境内図
心から心へ――禅傑たちの系譜

  • 円爾えんに無準師範ぶじゅんしばん
    国境を越えたスーパー師弟
  • |第一則|ポートレイト・イン・ゼン
     解説 高橋真作
  • |第二則|「墨蹟」を読んでみよう
  • |第三則|師の文字で寺を飾る
     解説 六人部克典
  • |第四則|聖一派しょういちは、人材あまた雲と湧く

  • 雪舟も狩野派もみんな仰いだ
    絵仏師・明兆みんちょうの遺産
    解説 高橋真作 第五則~第七則
  • |第五則|全50幅で描いた羅漢ワールド
  • |第六則|近世を先取りする闊達なる線
  • |第七則|白衣観音が、好き!
  • |第八則|大々的に大涅槃図

東福僧堂訪問

展覧会案内



◆ Art News book ◆

寺山修司とは何者だったのか?
サブカル巨星対談
中森明夫×大槻ケンヂ


◆ Art News exhibition ◆

ジュエリー×剥製標本
をめぐるアートとサイエンスの世界

◆ Art News interview ◆

画像生成AIが1冊まるごとマンガを描いた!
サイバーパンク桃太郎』作者Rootportインタビュー
マンガとAIの未来はどうなる?

◆ Art News exhibition ◆

作家がメンターとともに歩む、
ユニークな育成プログラム始動!

◆ Review ◆

  • 金仁淑「 恵比寿映像祭2023」より
  • 小瀬村真美
  • 中村裕太×ユアサエボシ
  • 岡ともみ



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

国宝クラス仏をさがせ!〈28〉
浦添ようどれ石厨子

Goods & Shop

時と光の美術館〈72〉
SPECIAL
ショパール

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈105〉
文 堀江敏幸

幻々夢譚〈4〉
絵・文 と金

国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈28〉
選・解説 瀬谷貴之

山下裕二の
新・今月の隠し球〈15〉
鈴木明日香(上)

大人のための印象派講座〈19〉
印象派展の知られざる画家たちII
文 三浦 篤

中野京子
名画に見る悪の系譜〈10〉
悪徳政治家

ジャニー喜多川が創ったもの〈10〉最終回
文 立川輪太郎

Around Geijutsu Shincho
マハさんと33人
文 宮下規久朗

千住博の往復書簡〈57〉
宛先 神戸峰男 様

新連載 福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈1〉
訪問先 小林 忠 さん

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈99〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎 歓
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈33〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

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デビューはNFTアート! 30歳からの挑戦

アートスポット in 京都

絵と言葉のチカラ展
第2回の受賞&入選作が決定!

春陽会100年の現在・過去・未来

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【1】「マティス展」
世界最大規模のマティス・コレクションを誇るパリのポンピドゥー・センターから、初期の重要作で日本初公開となる《豪奢、静寂、逸楽》をはじめ、貴重な約150点が来日。彼の精力的な芸術表現の数々を網羅的に味わうことができる展観です。[→]全文を読む
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【2】特別展「恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造」(東京展)
19世紀に描かれた奇妙な復元画、20世紀に活躍したパレオアートの巨匠チャールズ・R・ナイトとズデニェク・ブリアンによる記念碑的作品、さらにスター作家が描く現代恐竜画などの絵画はもちろん、立体模型や書籍、玩具など、世界各国から集結した約150点で、魅力あふれる恐竜イメージの歴史をたどります。[→]全文を読む
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