マティスといえば1951年、東京国立博物館表慶館を皮切りとした「アンリ・マチス展」は一種の伝説です。戦後間もない時期に実現した西洋の現役の巨匠の大規模展(回顧展かつ新作展でもあった)は多くの人びとの記憶に深く刻まれ、ある年代――現在90歳前後――以上の画家や美術史家にお話をうかがっていると、話題に上ることがよくありました。
 
芸術新潮
2023年6月号(定価1,500円)5月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2023/05/25] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
芸術新潮
編集長から
マティスのとびらを開く
 マティスといえば1951年、東京国立博物館表慶館を皮切りとした「アンリ・マチス展」は一種の伝説です。戦後間もない時期に実現した西洋の現役の巨匠の大規模展(回顧展かつ新作展でもあった)は多くの人びとの記憶に深く刻まれ、ある年代――現在90歳前後――以上の画家や美術史家にお話をうかがっていると、話題に上ることがよくありました。
 現在、東京都美術館では約20年ぶりとなる総合的なマティス展が開催されており、没後70年の来春には国立新美術館で切り紙絵を中心とした展覧会が予定されています。マティスの画業はなぜこんなにも私たちを魅了するのでしょう。素描と色彩、窓としての絵画といった、西洋美術の伝統的な枠組を受け継ぐ最後の画家であると共に、絵画からイメージへというアートのその後の流れをも胚胎する前衛でもあったマティス。特集「マティスのとびら」では、豊かな光と朗らかな形に溢れたその探求の軌跡をたどります。
芸術新潮編集長 高山れおな
芸術新潮
芸術新潮
芸術新潮
芸術新潮
芸術新潮
●目 次


【特集】マティスのとびら
解き放たれた色と形

グラフ
マティスのある室内



マティスの手のあと

I 絵画
布とゆく、室内画の冒険
解説 関 直子

II 彫刻
秘められた、形の実験
解説 藪前知子

III 切り紙絵
緻密にして自由な、晩年の到達点
解説 大久保恭子



エッセイ
マティスの意外な点と線
文 森村泰昌

グラフ
たちあがる色と光 ヴァンスのロザリオ礼拝堂

ヴァンスの白昼夢
文 青木 淳

2人の日本人作家とマティス

| 略年譜 | 遅咲き画家の彩りゆたかな84年

マティスと10人のアーティスト

関連展案内



◆ Art News exhibition ◆

版画は語る。
スペインとスペイン的なるもの

予測の神様からのプレゼント
コレクター太田正樹さんのこと
文 木下直之

カラヴァッジョの謎の弟子
チェッコ・デル・カラヴァッジョとは何者?
文 高橋恵理

◆ Review ◆

  • 「吹きガラス たえなるかたち、技のみょう」展
  • 吉野祥太郎
  • アオフ・スミス



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

国宝クラス仏をさがせ!〈30〉
與喜天満神社 天神坐像

Goods & Shop

時と光の美術館〈74〉
ミラモア

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈107〉
文 堀江敏幸

幻々夢譚〈6〉
絵・文 と金

国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈30〉
選・解説 瀬谷貴之

山下裕二の
新・今月の隠し球〈17〉
津絵太陽(上)

中野京子
名画に見る悪の系譜〈12〉
暴飲暴食

千住博の往復書簡〈59〉
宛先 福武 總一郎 様

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈3〉
ブレケル・オスカル さん

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈101〉

◇ PICK UP ◇

movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈35〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

時と光の美術館SPECIAL〈10〉
パテック フィリップ
時を飾る枝

ショパール
翔ぶ宝石を讃えて

NFTアートカレッジ〈3〉Adam by GMO
オカユウリ
NFTアートでひらかれた
デジタルペイントの活路

彫刻家、大森暁生
回顧展を前に新たな大作に挑む!

ART CAFE
GALLERY'S PLAZA

「大人のための印象派講座」は今月休載します。
〉「芸術新潮」最新号 試し読み

芸術新潮 プレゼント
alt_text
【1】「テート美術館展 光」(東京)のチケット
「光の画家」と呼ばれるターナー、風景画の名手コンスタブルから、モネをはじめとする印象派、ジェームズ・タレル、オラファー・エリアソンなどの現代アーティストまで、錚々たるアーティストによる「光の作品」約120点を俯瞰できる貴重な機会です。しかも、そのうち約100点は日本初出品というから見逃せません![→]全文を読む
alt_text
【2】大竹昭子『姓がおなじ人 極私的大竹伸朗論』(カタリココ文庫)
本作には、長年大竹伸朗の創作を追ってきた著者ならではの視点が光る随想のほか、展覧会終了の翌日に行われた大竹昭子と大竹伸朗というダブル大竹対談、大竹伸朗の祖母であり、井上てる女の俳号で俳句を詠んでいた井上照のエッセイなども収録され、ポケットサイズながら充実の構成。[→]全文を読む
「芸術新潮」の定期購読について

★特別定価号も通常価格で購入できます(1年間/12冊 18,000円)
★送料無料でお届け、買い逃しの心配がありません

インターネットで簡単にお申し込みいただけます。
〉定期購読お申し込み

または下記へご連絡ください。
雑誌定期購読「芸術新潮」係
フリーコール:0120-323-900(平日 9:00~17:00)
FAX:0120-988-959(24時間)
Image    Image    Image
今月のおすすめ
《とんぼの本》

若きマティスと同時代のパリの画家たち
『モディリアーニの恋人』
橋本治、宮下規久朗/著
パリで出会ったモテ画家と美貌の画学生の運命は……新資料・新知見を交えて解き明かすモディリアーニ解体新書。日本で見られる作品ガイド付。
短くも激しく生きた伝説の2人
『ミュシャ―パリの華、スラヴの魂―』
小野尚子、本橋弥生、阿部賢一、鹿島茂/著
ポスターで功成り名遂げた画家は、なぜパリから祖国チェコに帰り、歴史画に命を懸けたのか? 畢生の大作《スラヴ叙事詩》の魅力と、知られざるミュシャの全貌に迫る。
パリ時代の作家・作品論も充実!
『原田マハの印象派物語』
原田マハ/著
マネからモネ、ドガ、ルノワール、ゴッホまで――貧困や病、世評と闘いながら、新しい道を切り拓いた画家たち。代表作とともに読む、7つの物語。
マティスの先輩たち、かくありき
『旅する画家 藤田嗣治』
林洋子/監修
「乳白色の裸婦像」や「戦争画」で知られる画家は、生涯にわたり世界各地を旅し、多様な地を舞台に描き続けた。その足跡をたどりながら、傑作を読みなおす決定版!
1913年、東京からパリへ!
〈とんぼの本〉メールマガジンのご案内
〈とんぼの本〉は、1983年に創刊したビジュアルブックのシリーズです。美術、工芸、建築、写真、文学、暮らし、旅……あなたがそのとき知りたい・見たい・読みたいものを、気軽に手にとってみてください。[→]メルマガのサンプルを見る

※メールマガジンの登録・退会はこちらからアクセスし、「情報変更・配信停止」から行ってください。

Copyright(c), 2023 新潮社 無断転載を禁じます。
発行 (株)新潮社
〒162-8711 東京都新宿区矢来町71
新潮社読者係 03-3266-5111
芸術新潮