朝ドラの主人公・槙野万太郎はまさに「らんまん」のノリで驀進中だけれど、モデルとなった牧野富太郎について調べる程に、その実像もドラマさながらの天真爛漫ぶりであったことを知り驚いている。
 
芸術新潮
2023年7月号(定価1,500円)6月23日発売
芸術新潮メールマガジン[2023/06/23] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
「らんまん」の彼は
ほんとに爛漫だった
 朝ドラの主人公・槙野万太郎はまさに「らんまん」のノリで驀進ばくしん中だけれど、モデルとなった牧野富太郎について調べる程に、その実像もドラマさながらの天真爛漫ぶりであったことを知り驚いている。生涯を日本の植物相フロラの解明に捧げたこの“日本植物分類学の父”の軌跡を追う大特集を組んだ。牧野が残した膨大な標本や植物図譜の数々もたっぷりと紹介。図譜製作において、多くの植物学者は画工と協業するが、牧野は不惑の頃までは絵も自分で描いた。その高い完成度には、ただもうびっくり。自身、大の植物好きでもある作家の梨木香歩さんと練馬区立牧野記念庭園学芸員の田中純子さんの対談では、現代人としてまた女性としての視点から、辛口牧野評も飛び出す。 多角的な誌面となった。
「はじめてのBL展」開催を機に、漫画文化論・ジェンダー論を研究する藤本由香里さんと古典エッセイストの大塚ひかりさんが語り合った。ホットな古今東西BL談義をお楽しみあれ。
芸術新潮編集長 高山れおな
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編集部から
最新号PICK UP
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ユキモチソウの隣に、牧野が描いた絵が。高知県立牧野植物園にて。
撮影:広瀬達郎
美しすぎる植物画の正体
牧野富太郎は植物学の世界の偉人ですが、非常に精巧な植物画を描いたことでもよく知られています。花の図などは美術的な鑑賞に十分堪えうるクオリティをもち、花のないシダの図でも、描線のあまりの細かさに異様な気迫が滲み出ています。植物を時に愛人としていつくしみ、時に神として崇めた、そんな牧野の心象風景が立ち現れてくるようです。[→]続きを読む
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●目 次


【特集】牧野富太郎
博士の愛したフローラ


『大日本植物志』風 牧野富太郎解剖図

[グラフ]写生ができなければ植物学者にあらず!?
精密完全、墨色の草花たち

学者の花、画家の花
文 諏訪 敦



I生き方篇
学問は底の知れざる技芸なり

赭鞭一撻しゃべんいったつ 故郷・佐川さかわで誓った15箇条

[略年譜]分類学を究め、市井に説く 牧野富太郎の94年

[対談]梨木香歩×田中純子
老少年・牧野富太郎さんへ



II お仕事篇
もはやアート! 牧野博士の図譜と標本
図譜への情熱/『牧野日本植物図鑑』ができるまで

牧野式植物図のルーツ
解説 大場秀章

今も活躍! 時をかける標本
解説 村上哲明

教えて! 牧野流・植物標本のつくり方



III 足あと篇
マキノイズム息づく高知へ

牧野巡礼の聖地
高知県立牧野植物園

植物園のお仕事拝見
働く人に聞いてみました
中野善廣/村上有美/小松 冴/藤井聖子

若き日のホームグラウンド
佐川の裏山から横倉山へ

全国採集“珍”言行録

牧野富太郎にであえる場所



◆ Art News exhibition & book ◆

藤本由香里×大塚ひかり
止まらない!
 BLボーイズラブ今昔対談

◆ Art News exhibition ◆

瀬戸者せともの”河本五郎の躍るやきもの

London発
イギリス人は「犬の肖像画」がお好き!?
文 内田さり

NYで発見!
語りかける絵画の力
若手画廊で出会った2人の画家の魅力
文 藤森愛実

◆ Review ◆

  • 植竹邦良/カリム・B・ハミド
  • ヤン・ヘギュ「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」展より
  • ディノス・チャップマン



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

国宝クラス仏をさがせ!〈31〉
観松院 菩薩半跏像

Goods & Shop

時と光の美術館〈75〉
ヴァレクストラ

時と光の美術館
SPECIAL
ヴァシュロン・コンスタンタン

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈108〉
文 堀江敏幸

国宝クラス仏をさがせ!
解説篇〈31〉
選・解説 瀬谷貴之

山下裕二の
新・今月の隠し球〈18〉
津絵太陽(下)

大人のための印象派講座〈21〉
死後の評価と名声の確立
文 三浦 篤

中野京子
名画に見る悪の系譜〈13〉
虚栄

千住博の往復書簡〈60〉最終回
宛先 横尾忠則 様

幻々夢譚〈7〉
絵・文 と金

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈4〉
おおうちおさむ さん

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈102〉

◇ PICK UP ◇

movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈36〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

近代を超えて、
日本画は世界へ開く

NFTアートカレッジ〈4〉Adam by GMO
パンダと三人四脚!
NFTアートで人生を切り拓く

連載 美に魅せられて/ アジア文化芸術協会〈55〉
興福寺《無著・世親立像》
ART CAFE
GALLERY'S PLAZA
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芸術新潮 チケットプレゼント
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【1】ポーラ美術館「シン・ジャパニーズ・ペインティング」展
横山大観、杉山寧(やすし)、高山辰雄、杉本博司、野口哲哉など名だたる作家の創作はもちろん、明治期の高橋由一や浅井忠、大正・昭和期の岸田劉生、レオナール・フジタ(藤田嗣治)など、近代洋画家の作品も併せて展示し、日本画と洋画の相違や、日本画の多様な表現を味わうことができる展観となります。[→]全文を読む
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【2】「永遠の都ローマ展」(東京)
カピトリーノ美術館の所蔵品を軸とした彫刻、絵画、版画など約70点が来日し、ローマ2000年の歴史と芸術をひもとく展覧会が開催されます。《ディオニュソスの頭部》など古代ローマの彫刻、ミケランジェロによって計画されたカンピドリオ広場の建設プロジェクト、ルネサンス・バロック期の絵画コレクションなど、ローマの歴史と文化を日本にいながら通覧できる機会。[→]全文を読む
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今月のおすすめ
《とんぼの本》

ゆたかな森、うるわしき草木へのいざない
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『クマグスの森
―南方熊楠の見た宇宙―

松居竜五/著、ワタリウム美術館/編
先駆的エコロジストの面目躍如!
森に生きる粘菌、キノコ、藻、昆虫から男色、刺青、性、夢まで――この世あの世の謎を追い、世界を放浪、原生林を駈け巡った熊楠は、森羅万象の本質に迫るため、見たままを詳細に記述しまくった。奇才が遺した膨大で不思議な資料を大公開、その頭脳と心の森に踏み込む、新しいクマグス論!
『神の木―いける・たずねる―
川瀬敏郎、光田和伸/著
これだけは見ておきたい神木12選
桂は水の神、樟(くすのき)は稲の神、松があかす日本語の起源――天才花人が木の心を語って花をいけ、異能の国文学者がその歴史をたどる。松山の椿から三輪山の杉、山形の欅(けやき)まで、全国12カ所の「御神木」案内も。
『草づくし』
白洲正子/著
草から読みとく日本文化
万葉の時代より、私たちの祖先は草花をいとしんで、歌に詠み、工芸品にかたどり、さまざまな思いを語ってきた。わかな、かきつばた、夕顔、菊など、野の花に秘められた歴史や伝説にふれ、古来の人々の草との交わりに光をあてる。
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