初めてだ! こんなにわかりやすいイソザキは 難しいことをわかり易く――これは常に心掛けていることではありますが、今回の特集作りに当たってはとりわけ強く意識しました。なぜか。磯崎新の追悼特集だからです。
 
芸術新潮
2023年10月号(定価1,500円)9月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2023/09/25] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
初めてだ!
こんなにわかりやすいイソザキは
 難しいことをわかり易く――これは常に心掛けていることではありますが、今回の特集作りに当たってはとりわけ強く意識しました。なぜか。磯崎新の追悼特集だからです。
 昨年暮、91歳で逝去した磯崎は、2019年に建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞するなど、最晩年に到っても存在感は抜群でした。問題は、彼が極めて多産な言説の人でもあったこと。その影響は美術や文学、思想の領域にも及ぶ程ですが、それだけに、うかつに足跡をたどろうとすると、知と創造の迷宮に踏み入る感あり。しかし、ご心配なく。建築探偵・藤森照信氏が、アリアドネの糸をたぐり、みごと迷宮を突破しました。12の磯崎建築を読み解くと共に、「孵化過程」「デミウルゴス」といった磯崎一流の難解な概念が、そうだったのか!と腑に落ちる楽しさ。撮りおろし写真による建築グラフと合わせ、この稀代のアーキテクトを偲ぶためのまたとない1冊となりました。
芸術新潮編集長 高山れおな
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●目 次


【追悼特集】いまこそ知りたい!
建築家磯崎 新入門


鍵はこの12作だ!
建築探偵・藤森照信が挑む
磯崎 新の謎

解説 藤森照信
聞き手 磯 達雄

略年譜
[01]新宿ホワイトハウス
[02]大分県立大分図書館 現・アートプラザ
[03]孵化過程
[04]ふたたび廃墟になったヒロシマ
[05]群馬県立近代美術館
[06]つくばセンタービル
[07]ロス・アンジェルス現代美術館
[08]水戸芸術館
[09]有時庵(うじあん)
[10]大分県立図書館 豊の国情報ライブラリー
[11]フィレンツェ新駅設計競技案
[12]砂漠の寝所 Obscured Horizon



Book Guide
建築は消え、言葉が残る
磯崎 新の危険な図書館

選・文 磯 達雄

アートを横断するアーキテクト

荒ぶる「孵化培養器(デミウルゴス)」
――磯崎 新が美術/アートに打ち下ろしたもの

文 椹木野衣

世界で孵った磯崎流ミュージアム

磯崎 新 建築MAP



Travel Stories
九州で磯崎建築を巡礼する

“反建築家”磯崎 新を生んだ海、街、人
解説 菅 章

大分→別府→北九州→博多
3日でめぐる九州9つの磯崎建築




Memories of Arata Isozaki
ホンマタカシ
植田 実
横尾忠則
辛 美沙


ON THE COVER/EXHIBITION



◆ Art News exhibition ◆

日本一の西洋工芸コレクションが、
日本民藝館にやってきた

謎多き幕末の洋風画家
安田雷洲の襲来

呪符、占術書、暦……
モノからよみとく陰陽師

◆ Review ◆

  • 三島正
  • 「ミュージアムコレクションII 雑誌にみるカットの世界『世界』(岩波書店)と『暮しの手帖』(暮しの手帖社)」展
  • 児玉靖枝
  • 荒木珠奈



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈78〉
ルイ・ヴィトン

絵育のススメ〈2〉
川畑秀明

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈111〉
文 堀江敏幸

山下裕二の
新・今月の隠し球〈21〉
福田 亨(上)

中野京子
名画に見る悪の系譜〈16〉
悪夢

千住博の知となり肉となり〈3〉
毎日一万歩あるいたこと

幻々夢譚〈10〉
絵・文 と金

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈7〉
古賀純二 さん

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈105〉

◇ PICK UP ◇

movie 北村紗衣
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈39〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

NFTアートカレッジ〈7〉Adam by GMO
手仕事の町・盛岡から見るクラフトとNFT、ふたつのマーケット

古美術から現代アートまで
見て、触れて、買える美の祭典「2023東美アートフェア」開催
柳ケ瀬画廊/靖雅堂 夏目美術店/門司ファインアートギャラリー/GALLERY NAO/柳井美術

秋のアートスポット
MIND TRAIL 奥大和
心のなかの美術館 2023

ART CAFE
GALLERY'S PLAZA

「大人のための印象派講座」は今月休載します。
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芸術新潮 チケットプレゼント
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【1】「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネ、シャガールへ」(東京)
日本初お目見えの作品50点以上を含む約140点が来日し、日本ではおよそ50年ぶりとなる大キュビスム展が開催されます。ピカソの裸婦像に衝撃を受けて制作されたブラックの重要作《大きな裸婦》(日本初出品)、ポンピドゥーセンターを代表するピカソの傑作《肘掛け椅子に座る女性》など必見の作品がならぶほか、ふたりとは異なるアプローチでキュビスム旋風を巻き起こした「サロン・キュビスト」たちの作品も多数紹介。[→]全文を読む
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【2】「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展
本展では、クラース、ドラクロワ、マネ、モネ、ピサロ、ルノワール、ゴーギャン、セザンヌ、ヴラマンク、シャガールなど、17世紀から20世紀にヨーロッパで活躍した画家たちの中にゴッホを位置づけ、ゴッホが先人の静物画からいかに学び、独自のスタイルを身につけたのか、その軌跡をたどります。国内外25か所からの出展作品69点のうち、ゴッホの作品は25点! 最初期の静物画《麦わら帽のある静物》から晩年の傑作《ひまわり》まで、貴重な作品が集結します。[→]全文を読む
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今月のおすすめ本
磯崎新とともに日本建築の核心へ
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『日本の建築遺産12選―語りなおし日本建築史―』
磯崎新/著
古代以来の「構築する力」を求めて
出雲大社から三十三間堂、代々木オリンピックプールに水戸芸術館アートタワーまで、「垂直の構築」「水平の構築」という独自の観点から12件の建物を選び、日本建築史を読みかえる!
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『建築における「日本的なもの」』
磯崎新/著
建築を、日本を思考する全ての人へ
西欧モダニズムを独自に受容した日本近代建築の変遷を大胆に再構成、自らの活動を新たに見つめ直す表題作ほか、洞察に充ちた桂離宮論、ネット時代の未来都市像など、壮大な射程の日本=建築論。
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