村上春樹 新潮社 メールマガジン[2021/06/30] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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村上さん、なんでそんなに翻訳が好きなんですか?
――新潮文庫『本当の翻訳の話をしよう 増補版』発売!

「翻訳は塩せんべいで、小説はチョコレート」という村上さん。交互に食べて、あとは猫がいれば、いくらでも時間が過ぎちゃうそうです。はい、われわれ読者も、ていねいに手焼きで焼かれた“翻訳”塩せんべいと、厳選したカカオ豆を熟成させて作られた村上フレーバーの濃厚な“小説”チョコレートを堪能しています(笑)。

 さて今回、新潮文庫『本当の翻訳の話をしよう 増補版』は、単行本(スイッチ・パブリッシング刊)に大幅に加筆し、春樹さんと柴田さんの絶妙にして深淵な「小説を読むこと・書くこと・翻訳すること」をめぐる話をまとめた増補決定版です。
 7つの対話が加えられ、文庫版にあたって新たに二人の“クロージング・セッション”も行いました!
 2014年に構想され、2015年に翻訳リストを整え、2016年4月から開始された新潮文庫「村上柴田翻訳堂」シリーズの10冊ですが、各巻に二人の新訳のあとがき、復刊作品には解説対談を掲載しました。今回、その「解説セッション」の7本すべてを収録しています。
 どの対話も、村上さんと柴田さんは、時代に刻印された作品群を縦横に語り、創作や翻訳の舞台裏を楽しく熱をこめて語っています。
 ある日の午後のカフェ、隣の席から熱心に翻訳について語り合う村上春樹と柴田元幸の声が聴こえてくる――「僕たちはこんな(風に)翻訳を読んできた」という5つの章を、そんな風に読んでいただければと思います。

 それから、この文庫増補版には特別な一編(単行本の序文)が収録されています。文庫版(301p~343p)、40頁余りの村上春樹さんの文章です。
 英国のペンギン・ブックスから刊行された“The Penguin Book of Jpanese Short Stories”(『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短編29』新潮社、2019)に村上さんが寄せた序文で、明治期から現代までの日本の短編小説について書かれています。この文章は柴田さんが章の扉に書いているように、「日本翻訳史 明治篇」(柴田元幸、187p~258p)と合わせ鏡のように読むことができます。ぜひ、ご一読を。

 TOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」は、4月から毎月の放送になっています。番組内でも時々紹介されますが、村上さんが翻訳の楽しさを知ったのはお気に入りの音楽の歌詞翻訳だったそうです。“DJ村上春樹”の声を脳内再生しつつ、村上さんと柴田さんの自在な翻訳対話を楽しむのも一興ですね。

(「村上さんのところ」縁の下チーム)

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「村上RADIO」毎月最終日曜日:午後7時~7時55分
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村上春樹の本|新潮社
意外とも思える饒舌さで作家・村上春樹の創作の秘密が明かされる必読の対話集!
『本当の翻訳の話をしよう 増補版』村上春樹/著、柴田元幸/著
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『心は孤独な狩人』カーソン・マッカラーズ/著 、村上春樹/訳
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『みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―』川上未映子/著 、村上春樹/著
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