謎めいた村上春樹の「街」へ。
著者が長く封印してきた「物語」の扉が、ついに開かれます。
長編小説が刊行されるのは『騎士団長殺し』(全2冊)以来、6年ぶりで、原稿用紙(400字詰)で1200枚、672ページの作品です。
十七歳と十六歳の夏の夕暮れ。川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを。高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、きみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう……。
版画家タダジュンさんの装画が、村上春樹ワールドの深淵に静かにいざないます。
なお、村上作品の長編小説では初めて、本作は電子書籍で同日配信されます。
また、「試し読みページ」で冒頭の一部をお読みいただけます。
(編集担当より)