村上文学90年代の代表作『ねじまき鳥クロニクル』の舞台が再演されます。
2020年2月、東京芸術劇場での初演時に大きな注目を浴びながら、コロナ禍で公演期間の短縮を余儀なくされた伝説のステージが帰ってきます。
https://horipro-stage.jp/stage/nejimaki2023/
演出・振付・美術のインバル・ピントは、10月28日開催の国際シンポジウム「世界とつながる日本文学 ~after murakami~」(国際交流基金主催)にも参加、村上ワールドの身体表現を語る予定です。
演じる・歌う・踊る――前回公演でも、脚本に藤田貴大、音楽に大友良英などトップクリエイターが集まりましたが、今回は綿谷ノボル役(大貫勇輔とダブルキャスト)でバレエダンサーとして世界的に活躍する首藤康之が加わり、さらに躍動する舞台が展開します。
息の合った演技を見せた岡田トオル役の成河(ソンハ)と渡辺大知、好演が光った門脇麦が今回も笠原メイ役をつとめます。
岡田トオル、妻クミコ、笠原メイ、加納マルタ・クレタ姉妹、綿谷ノボル、本田老人、間宮中尉、
そして消えた猫……。
さて、原作を読み直してから観るか、観てから読むか。
お申込みはこちら↓
https://horipro-stage.jp/nejimaki_shinchosha
この舞台観劇を希望される本メルマガ会員には、前回同様、小説の中に出てくるアイテム、公演オリジナルの「レモンドロップ」が特典としてつきます。茶筒の製法で作られた黄色い缶に、インバル・ピントが描いた猫の“サワラ”のイラストがプリントされています。

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初めてのアニメーション映画化
さて10月28日に開催される国際シンポジウムですが、午後の第2セッションに登場するピエール・フォルデス監督のアニメーション映画が、渋谷のユーロスペースで2024年初夏に公開されることが発表されました。
http://www.eurospace.co.jp/BWSW/
映画の原作になっているのは6つの短編です。「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「UFOが釧路に降りる」、そして題名になっている「めくらやなぎと、眠る女」。映画は短編小説を翻案していますが、実は村上春樹作品がアニメーション映画になるのは、初めてのことです。
https://natalie.mu/eiga/news/545153
すでに、舞台「神の子どもたちはみな踊る」(2019年、脚本:F・ギャラティ、演出:倉持裕)や映画「ドリーミング村上春樹」(2017年デンマーク、監督:ニテーシュ・アンジャーン)で「かえるくん」が出てきますが、今回はアニメーション映画に登場です!
この作品は「新潟国際アニメーション映画祭」(2023年3月)グランプリはじめ、国際映画祭でも注目の作品になっているようです。
フォルデス監督のメッセージもなかなかユニークです。
「……この映画が、優れたアニメーションを生み出すことで知られた国で公開されることに興奮しています。私はこの映画の脚本を、新幹線の中でお弁当を食べながら書き終えたのですから、なおさらです!」
公開が楽しみなアニメーション映画ですね。
(『村上さんのところ』縁の下チーム)