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「自分の人生がどっちに向かってるかぜんぜん見当もつかん」。執筆にトークイベントに飲み会に、疾走する社会学者の日記、久しぶりの更新で今週の第1位。

ICUから一般病棟に戻り、編集部に初メール。いきなり始まったハードなリハビリ。窓の外の世界の美しさ。痛み止めは飲み薬、座薬、注射、どれにする? 術後の奮闘を綴る村井さんの日記が今週もランクイン。

伝説の珈琲屋、大坊勝次さんが、二日間限定で「大坊珈琲店」を復活営業させた。訪れた熱心なコーヒー愛好家たち、そしてかつての常連客。甦る森光宗男さんの思い出。『珈琲屋』著者の小坂章子さんによるエッセイ。

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今週は盛りだくさんで、お知らせが3つあります。

1つ目。硬派なトークイベントを配信しました。『神聖喜劇』で知られ、 2014年に97歳で没するまで、戦後日本の社会や文学状況に骨太な問題提起を続けてきた特異な小説家・大西巨人を知ってますか。彼の仕事に深い関心を寄せる哲学者・國分功一郎さんらが、この小説家について大いに語ります。

2017年11月10日、『歴史の総合者として:大西巨人未刊行批評集成』(幻戯書房)刊行記念として開催されたトークイベント「歴史の総合者とは何か?」(表象文化論学会協賛)。『歴史の総合者として』の編者である山口直孝さん、石橋正孝さん、橋本あゆみさんの3名と司会の國分功一郎さんが、現在だからこそ大西巨人の批評を読む意義についてそれぞれの切り口から迫りました。

2つ目。『昆虫学者はやめられない―裏山の奇人、徘徊の記』刊行記念としておこなわれた、ラーメンズ片桐仁さんと昆虫学者の小松貴さんのマニアックな情熱にあふれた対談「昆虫愛!」を配信しました。

芸人、俳優として知られる片桐さんは昆虫などをモチーフにした精緻なオブジェの制作でも知られており、ご家族でも昆虫採集に出かけられるとか。そんな片桐さんの知られざる一面を小松さんがあぶりだします。一部は新潮社の雑誌「」に掲載されましたが、こちらが完全版です。今まであまり意識してこなかった昆虫の存在が、急に興味深く感じられてくる対談です。

3つ目。新潮選書の話題の新刊、細谷雄一さんの『戦後史の解放II 自主独立とは何か 』(前編・後編)より「まえがき」部分を配信しました。

世界史と日本史を融合させた視点から、まったく新しい現代史を描き、ベストセラーとなった『戦後史の解放I 歴史認識とは何か』(細谷雄一/新潮選書)から3年、ついに待望のシリーズ第2弾『戦後史の解放II 自主独立とは何か』(前編・後編)が7月27日に刊行されます。「Webでも考える人」兼任メンバー三くんの代表作のひとつで、細谷さんが日本の歴史を、解き放とうとする大きな仕事です。ぜひ、冒頭の前書き部分をお読みください。

また、これを機会に新たに『戦後史の解放I 歴史認識とは何か』から読んでみるのはいかがでしょうか。当サイトではこの第1巻のサイン本プレゼント企画を計画中です。


7月16日(月)
亀山郁夫さんの『ショスタコービッチ 引き裂かれた栄光』を読む。評伝のかたちをとりながら、亀山さんがショスタコービッチの楽曲を愛情深く語った本だ。

ショスタコーヴィチ、高校時代や大学時代はそれなりに好きだったが、会社に入ってからはほとんど聞いてない。読んでいるうちの昔の記憶がよみがってくる。そして、それと同時にいかに、自分がショスタコーヴィチ自身の人生やソヴィエトでも異質だとされてきたその特異性を知らずに音楽を聞いていたかを知った。

一部では彼は、「トランス状態のやっつけ仕事屋」なんて批判されてたんだそうだ。そんなことを言ったルーマニアの作曲家フィリップ・ゲルシコーヴィッチのほうがあまり聞かれてないじゃないか、などとは思うが、なるほど彼の本質を言い当ててるな、という感じもする。

なかなか伝記としても教えられるところの多い本だった。亀山さんの対象に対する深い愛情と熱気に圧倒される。


7月18日(水)
芥川賞・直木賞の選考会の日。「新潮」掲載のノミネート作は今回はないが、どきどきする。若いときはこういうお祭り騒ぎに、やや抵抗があったが、年々、これはこれで文学の流れが変わったり注目されたりする貴重な機会なのだ、という気持ちのほうが強くなってきた。

数日前から、豊崎由美さんと大森望さんの、ラジオ日本「芥川賞直木賞メッタ斬り!」のポッドキャストを聞いたりして気持ちを盛り上げる。読んでいる小説が、二人のあらすじの説明や解説を聞いているとまた新鮮に思えてくる。

担当になったことはないが、共に昔から知っている高橋弘希さん(芥川賞)と島本理生さん(直木賞)が受賞してとてもうれしい。

高橋さんは『指の骨』で新潮新人賞を受賞し、選考会後の懇親会に駆けつけてきてくれたときの記憶もまだ生々しい。『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』で昨年冬に、第39回野間文芸新人賞を受賞してから、たてつづけの芥川賞受賞となった。

島本理生さんは、ずっと担当している佐藤友哉さんのパートナーとして、間接的にかかわりをもっている。実は佐藤友哉さんの新作中篇小説「アイスピック」が次号9月号に載る予定で、現在ゲラを渡している最中である。慶事だが、しばらく島本さん、佐藤さんお二人とも忙しくなって大変だろうなあ。


7月20日(金)
広島から仕事で上京した小山田浩子さんとの打ち合わせで、谷中の穴子寿司の名店「すし乃池」にうかがう。一くん、田畑くんと一緒。西日本豪雨や、先週ドラマ化した「この世界の片隅に」の話などをする。

江戸前の穴子、煮方にこだわった店。50年ぐらいの歴史の店らしいが、なんだか、しっかりと江戸が東京につながっているのを感じるいい店だ。ふわふわとした穴子の食感。おいしい。今まで食べた穴子寿司で一番かも。穴子のきも煮も美味だ。わいわいがやがやしていて、寿司屋で感じる緊張感があまりない。ビールがいつもよりおいしく感じる。


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