80代の親が50代の子どもを金銭的に支え、生活の世話をするという「8050問題」――。『不機嫌な果実』『下流の宴』など、時代とともに変化する家族を描いてきた林真理子さんが、この問題をテーマに描いた最新長編が『小説8050』です。「週刊新潮」連載中から大きな反響を呼び、異例の発売前重版が決定しました。さらに、NHK「あさイチ」「おはよう日本」で紹介され、新聞各紙にインタビューや書評が掲載、引きこもり経験のある伊集院光さんがラジオで絶賛するなど、まだまだ話題が収まる気配はありません。 元農水次官が息子を殺害した事件から着想を得たという林さんは、「真面目に生きて積み上げてきたものが、子どものせいで全て失われてしまう『8050問題』の恐怖は、誰にとっても他人事ではありません。有吉佐和子さんが『恍惚の人』で介護問題の深刻さを世に問うたように、人々の意識をこの問題に向けることができたら」と意気込みを語ります。 「引きこもり100万人時代」に生きるすべての日本人に捧げる、絶望と再生の物語です。