自己肯定感、自己啓発、自己責任……現代は自分で自分を鼓舞し、徹底的にコントロールすることが重要視される時代です。 しかし、それは自分を孤独へと追いやっているだけなのではないか、もっと別の「自分の助け方」、そして本当の「人生の幸せ」があるのではないか……。臨床心理士として、カウンセリングルームにやってくる人々の悩みを聞いてきた著者・東畑開人さんは、そんな思いから、本書の執筆を思い立ちました。 本の中には、自分の心を知るための様々な「補助線」が登場します。例えば「馬とジョッキー」。情動としての馬と、そんな馬の部分も含めて自分を律するジョッキー。どちらも心の中に必ずいる、複数のあなたです。 東畑さんは、3年をかけて書き上げた本書について「心理士人生で一度しか書けない一冊になったと思います」と語っています。 発売以降、「日々感じていた、心のしんどさが軽くなりました」といった読者の方々の声がSNSで広がり、重版を重ねて現在5刷となっています。