『白い夏の墓標』の文庫は1983年に刊行され、以後ロングセラーとして読まれてきましたが、今年、再び売れゆきが上昇。実はその背景には、丸善お茶の水店の書店員さんによる仕掛けがありました。 「以前から帚木さんのファン」という書店員さんは、コロナ禍で「ウィルス」と医学の闇を扱った本書に着目。「これ面白いから読んで!」という熱意があれば伝わるはずと、POPと販促を展開します。その結果すぐに売り上げに結びつき、弊社でも丸善お茶の水店推薦の特別帯に変更、すぐに増刷を重ねています。この帯のフレーズを一部ご紹介します。 「この本、本当に凄いぞ!!!」「名作といわれるものは絶対に色褪せることはありません!!!」 書店員さんの想いと長く売れ続けてきた作品の底力が結びついての「話題の本」。帚木さんの新潮文庫最新刊『沙林 偽りの王国』(上・下)もまた、元警察庁長官國松孝次さんの心を掴み、「本書は第一級の質をもっている」と言わしめる傑作です。こちらもご一読ください。