「北の人って、なんか小説好きな気がしない?」という、完全な思い込みから始まった今号の「北海道文学」特集。でも取材を重ねるうちに、ただの思い込みではない気がしてきました。
 
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2022年8月号(定価1000円)7月22日発売
小説新潮メールマガジン[2022/07/22]
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編集長から
怪談と北海道、W特集で涼しく
「北の人って、なんか小説好きな気がしない?」という、完全な思い込みから始まった今号の「北海道文学」特集。でも取材を重ねるうちに、ただの思い込みではない気がしてきました。河崎秋子さんの新連載「ともぐい」は、開拓がまだ続く明治の道東で、熊を獲って生きる男が主人公。厳しくも時に素晴らしい実りをもたらす自然、多様なルーツを持つ人間同士の相克……そんな物語のタネが、この土地にはまだまだいっぱい詰まっているようです。
 新連載は他に二作。新川帆立さんのミステリは、離婚専門の弁護士事務所が舞台で、この弁護士先生にもなにやら訳ありの匂いが。そして酒井順子さんは、没後三〇年を迎えた松本清張の作品を、女というキーワードから読みほぐしていきます。
 もうひとつの特集「真夏の怪談」は怪異を描く短編四作を掲載。吉田悠軌さんと澤村伊智さんの対談は、ホラーと怪談、そして小説の在りようを探る知的な面白さに満ちています。
小説新潮編集長 西麻沙子
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■目次
【特集】真夏の怪談

小田雅久仁/灰色の獣たち
――精神的疲労で休職した彼の前に現れたのは、夢で見た女

矢樹 純/血腐れ
――覇気のない弟。キャンプ場に子供を残し、森の中で何を

◆芦花公園/あたえるひと
――息子を失い悲嘆に暮れる桜子。心療内科で紹介されたのは

◆新名 智/いてはいけない部屋
――祖父の家で見たあの部屋が、何度も目の前に現れて――

〈『怪談小説という名の小説怪談』刊行記念対談〉
◆吉田悠軌×澤村伊智/小説と怪談、その輪郭を探して
――小説として、怪談として、〈怖い話〉を紡ぐ。その行為に向き合う表現者たちの思いとは

〈特別企画〉
真梨幸子vs.宇津呂鹿太郎/怪談とは、誰かがそこにいた「証」
――百円で怪談を売り買いする男とミステリ作家が物語を取り交わす。その深淵には何が――
【特集】北海道文学

◆河崎秋子/ともぐい〈新連載〉
――森で生き、自然と人間の狭間で揺れた男の雄大な一代記

〈ルポ〉
◆「ともぐい」の舞台、白糠を巡って

◆まさきとしか/母の骨噛み
――死んでしまった蒼ちゃん。ただの甥以上の、存在だった

〈マンガ〉
◆ながらりょうこ/ふりむけば北海道
――本誌初登場! ベルリンで思い出す故郷・北海道の香り

〈インタビュー〉
桜木紫乃/しがらみから離れ、ひとりで立つ

〈STV「ブギウギ専務」コラボ座談会〉
◆ぼくらはずっと、北海道LOVE
――専務と係長が本誌に出張! 真夏のブギウギトーク炸裂

〈コラム〉
◆大きな土地の、大きな本屋さん

【新連載】
◆新川帆立/三行半のお手伝い 縁切り弁護士・松岡紬
――夫の浮気に気付いた聡美。幼い子どもを連れて逃げた先で、息をのむほど綺麗な女性に出会い

酒井順子/松本清張の女たち
――なぜ清張作品は愛され、読まれ続けているのか。没後三十年、その秘密を解き明かす鍵とは――

【傑作読み切り】
井上荒野/真木とマキ、あるいはきっと辿り着ける場所
――明日は娘の相手が家に来る。だから僕は蒸発するのか?

彩瀬まる/マグノリアの夫
――生まれに秘密を持つ、俳優の夫。彼がある日、花になった

【グラビア】
日本ファンタジーノベル大賞2021贈呈式

【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆スズキナオ/家族が一番わからない
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
◆友近/友近道中
益田ミリ/ツユクサナツコの一生
◆宮下洋一/デス・ペナルティー 生と死のあいだで 最終回
群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
【バラエティコラム】
〈うれしい買い物〉安壇美緒
〈わたしの東京〉山崎あおい
〈もういちど会いたい〉山口ミルコ
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺
乾 緑郎/おどろかし 戯場國の怪人 最終回
乙川優三郎/ロゴスの海のジプシー
桐野夏生/ダークネス
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
篠田節子/ドゥルガーの島
寺地はるな/雲に届く
中山七里/絡新婦(じょろうぐも)の綸(いと) 警視庁サイバー犯罪対策課
原田マハ/晴れの日の木馬たち
宮城谷昌光/公孫龍
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈ノンフィクション〉東えりか
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第十回「新潮ミステリー大賞」募集要項
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『怪談小説という名の小説怪談』澤村伊智/著
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