
バンド・デシネとはフランス語圏で刊行されているマンガのことで、略称はBD(ベーデーまたはベデと読む)。マンガといっても日本のものとは少々事情が異なり、オールカラーでハードカバー、1冊48ページくらいのものが主流。絵本や画集を思わせる、コマ割りされていない作品も少なくない。大友克洋は1970年代から、BD作家たちの画力の高さに関心を寄せてきた。そこで「芸術新潮」2016年7月号では「大友克洋と見るバンド・デシネ」と題して、その魅力にズームイン。さらに大友による描き下ろしSF短篇も掲載。細かく描き込まれた画面が、BDの世界観を伝えている。
BDの芸術性にはルーヴル美術館も注目。日本にだって画力の高いマンガ家、マンガ界を改革した巨匠がいる。我らが誇る作家たちを、いま再び見つめ直してはどうだろう。
少女マンガを変革する“カウンター”でありつづけた巨匠の万華鏡のごときアートワーク。
言われた通りにちょっと直すということが、私はできない性分なんです。ただ、編集者の要求していることがどういう部分なのかは分かる。だから別の答えを出して、全然違う話にしてしまう。
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伝えたいことが強いほど描くことに熱心になれる
[竹宮惠子 「波」2016年10月号より →全文へ]
名作は、一朝一夕に誕生したわけではなかった。
手塚治虫は、よく「雑誌連載は“原作”である」と言っていました。つまり、漫画の雑誌連載はあくまでおおもとの“素材”であって、単行本が完成品だ、というわけです。
[担当編集者のひとこと より →全文へ]
戦場で左腕を失った青年は、やがて右腕一本で、あらゆる“異界”をまざまざと描きだす。
私は人一倍、生きることが好きだったんです。
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死と虐げられた者たちへの眼差し
[本書 目次より →目次へ]
その作品群は新たな世代のファンを生みつづけている。
「この本は買っても買わなくても後悔するでしょう」(つげ義春)
史上初めて夢をダイレクトにマンガに反映し、しかも周到な脚色を加えた作品に対する反響は凄まじかった。
[本書より →立ち読みへ]
漫画家として行き詰まった〈私〉は、他人の目にはろくでなしに映るかもしれない。
現実と夢、日常と狂気の領域を融通無碍に往還する
一貫して江戸風俗を題材にした作品を描き続けた、文筆家であり、漫画家。
人々が目に見えないものを見、理性では説明のつかぬことを信じていた江戸の時代。
町娘の純情な恋や、スネかじりの若旦那、長屋の夫婦喧嘩など江戸庶民の日常ドラマ……。