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[有川 浩『ストーリー・セラー』刊行記念対談]

波 2010年9月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2010/08/27

発売日 2010/08/27
JANコード 4910068230904
定価 105円(税込)

[有川 浩『ストーリー・セラー』刊行記念対談]
湊 かなえ×有川 浩/読者がいるから生まれた小説

乃南アサ『禁猟区』
吉野 仁/警察官が禁を冒すとき

志水辰夫『引かれ者でござい―蓬莱屋帳外控―』
北上次郎/理解は突然やってくる

佐藤賢一『新徴組』
池上冬樹/佐藤文学を代表する秀作

西澤保彦『からくりがたり』
倉阪鬼一郎/顔のない名探偵が操る「からくり」

堀川アサコ『魔所―イタコ千歳のあやかし事件帖2―』
三村申吾/『魔所』ねぷたが行く

蜂谷 涼『舞灯籠―京都上七軒幕末手控え―』
杉江由次/分厚い壁を破った時代小説作家

島尾敏雄『島尾敏雄日記―「死の棘」までの日々―』
潮田登久子/奄美の家の膨大なモノの中から

芳地隆之『満洲の情報基地ハルビン学院』
芳地隆之/歴史に翻弄された人々からの伝言

長田美穂『ガサコ伝説―「百恵の時代」の仕掛人―』
長田美穂/「芸能界のゴッドマザー」と呼ばれた女

高平哲郎『今夜は最高な日々』
坪内祐三/なぜ高平哲郎は小説を書かなかったのか

新潮社 小林秀雄全集編集室・編『小林秀雄全集 補巻III―註解 追補 下―』
池田雅延/小林秀雄全集完結に寄せて

茂木健一郎『生命と偶有性』
南 直哉/ありえるはずのニルヴァーナ

小泉武夫『絶倫食』
高橋秀実/なんか、勃ってきそうです。

アン・アリスン『菊とポケモン―グローバル化する日本の文化力―』
【著者インタビュー】アン・アリスン/気鋭の文化人類学者がクール・ジャパンを斬る!

中川右介『大女優物語―オードリー、マリリン、リズ―』(新潮新書)
中川右介/三人の女優のそれぞれの完璧さ

北川歩実『僕を殺した女』(新潮文庫)
【文庫復刊記念対談】大森 望×佐藤誠一郎/ミステリ熱、再び。

新見正則『西洋医がすすめる漢方』(新潮選書)
草野 仁/西洋医学は直球、漢方は変化球

阿刀田 高/国際ペン東京大会は楽しんで

コラム
三橋曉の海外エンタ三つ巴

連載
【新連載】三田 完/モーニングサービス
瀧井朝世/サイン、コサイン、偏愛レビュー 第6回
宮城谷昌光/古城の風景 第87回 御器所西城
佐木隆三/わたしが出会った殺人者たち 第4回
吉川 潮/【対談】寿限無の言い分 三遊亭円丈(前篇)
小林朋道/ヒト、動物に会う 第4回
蓮池 薫/拉致と決断 第5回
山折哲雄/長谷川伸と日本人 第9回
花村萬月/百万遍 流転旋転 最終回

編集室だより 新潮社の新刊案内 編集長から

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、『ストーリー・セラー』が刊行された有川浩さん。今回の対談は、親交のある湊かなえさんとのコラボレーション企画(湊さんの新刊『往復書簡』は、九月下旬に幻冬舎から刊行)で、幻冬舎の女性誌「ジンジャー」十月号には、有川さんと湊さんの往復書簡が掲載される予定です。
◇「喪神」で芥川賞を受賞し、『柳生武芸帳』をはじめとする作品で、戦後の新たな時代小説の世界をひらいた作家・五味康祐。その没後三十年にあたる今年、「没後30年 五味康祐の世界―作家の遺品が語るもの」展が、九月五日(日)から十月十一日(月・祝)まで、練馬区立石神井公園ふるさと文化館で開催されます(観覧料は一般三百円)。展示されるのは、尾張柳生家ゆかりの刀剣をはじめ、鐔、書画、無名時代の原稿、少女雑誌に連載した童話の原稿、書簡、創作メモや日用品、電蓄テレフンケンなどの音楽とオーディオを巡る資料など、初公開資料を多数含む約四百点。展覧会の詳細は、(財)練馬区文化振興協会(電話03-3993-3311)まで、お問合せください。
第二十二回日本ファンタジーノベル大賞(主催/読売新聞東京本社・清水建設 後援/新潮社 選考委員/荒俣宏、井上ひさし、小谷真理、椎名誠、鈴木光司。井上ひさし氏は、四月九日に急逝されたため、選考は四人の選考委員によっておこなわれました)の受賞作が決定しました。
 昨年を上回る、史上最多の応募総数六七〇編のなかから選ばれたのは、大賞の紫野貴李「前夜の航跡」(「わだつみの鎮魂歌」を改題)と優秀賞の石野晶「月のさなぎ」(「しずかの海」を改題)の二作。受賞者の略歴、選評などは、ただいま発売中の「小説新潮」九月号に掲載されています。詳しくはそちらをご覧ください。
 なお、大賞、優秀賞の二作は、十一月に単行本として刊行されます。刊行までしばらくお待ちください。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。