御殿場線
昨日に続き、内田宗治氏の駿河小山取材レポートです。谷口梨花が『汽車の車窓から』で「煌々たる電燈は夢の如く竜宮城を現出して、目を見張らずには居られぬ光景」と描写した筋紡績小山工場は、一瞬にして瓦礫となりました。
関東大震災の起こった大正12年は、まだラジオ放送も始まっていませんでした。そんな日本のメディア状況だったのですが、未曾有の大震災を映した動画が残されていました。そこには静岡県小山町の様子が2分余り映されています。今日から3回、『関東大震災と鉄道』(小社刊)の筆者内田宗治氏にこの動画をもとにあらためて取材していただきました。
来週の日曜日は9月1日、関東大震災が起こった日です。大正12年9月1日から今年は90年目になります。2年前の東日本大震災は、巨大地震にもかかわらず、地震によって発生した津波による死傷者の方が圧倒的に多数でした。関東大震災では、やはり地震によって発生した火災によって多くの人命が失われました。では鉄道はどうだったのでしょうか。