本・雑誌・ウェブ
第十一回 三島由紀夫賞発表

 
記念品及び副賞百万円

〈受賞作〉

カブキの日 (「群像」平成十年四月号)    小林恭二

小林恭二〈受賞の言葉〉

「カブキの日」は、わたしにとって初めて書いた小説のような気がします。これまでは自分の身を小説という枠にもたれさせているだけで、意識的に作りきるということができなかったように思うのです。今回はどうやらこうやら最後まで書ききれたのではないかと、うぬぼれています。おそまきの再出発に餞をおくってくださった選考委員の方々に心から感謝をします。本当にありがとうございました。

[三島由紀夫賞規定]

本賞は下記の規定により、文学の前途を拓く新鋭の作品一篇に授与する。
一、選考の対象は、小説、評論、詩歌、戯曲とする。
一、第十一回は、平成九年四月より平成十年三月までに発表された作品を選考の対象とする。
一、選考委員(任期四年)
  石原慎太郎 筒井康隆 青野聰 宮本輝
 (江藤淳委員は健康上の理由で辞任)

財団法人 新潮文芸振興会

 
(候補作品)

飯嶋和一 『神無き月十番目の夜』
見沢知廉 『調律の帝国』
角田光代 『草の巣』
町田康  『夫婦茶碗』
小林恭二 「カブキの日」
リービ英雄『国民のうた』