「新潮」5月号次号予告
東京駅と三色旗
巻頭は出口裕弘氏の一挙掲載三二〇枚。表題がタイト
ルで、副題は辰野金吾・辰野隆(ゆたか)父子と言えば、
もうお分かりでしょう。父はコンドルの弟子で、東京駅
や日本銀行を設計して西洋建築を移植した大立者、子は
東大仏文科の名物教授で「シラノ・ド・ベルジュラック」
「信天翁の眼玉」などの名訳・名随想で知られ、谷崎潤
一郎とは同窓、小林秀雄、三好達治らの師として、わが
国フランス文学の黄金時代を築いた泰斗。両者を円形広
場にすると、日本とフランスのかかわり合いは、さなが
らパノラマを見るように、鮮やかに浮かび上がります。
小説はオペラ「蝶々夫人」に想を得た島田雅彦氏の
「無限カノン」一二〇枚ほか。評論は新保祐司氏「ブラ
ームス・左手・ヴァリエーション」、饗庭孝男氏「祖型
の森から神話の変容へ」、四方田犬彦氏「モロッコ流謫」
第二回。福田和也氏「見張り塔から、ずっと」は今号で
完結です。
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)
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