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「新潮」10月特大号
             定価950円
             9月7日発売

盛夏に逝く
 江藤淳氏自裁の衝撃がさめやらぬというのに、今度は
辻邦生氏が軽井沢で急逝、大阪では後藤明生氏が他界し
ました。現代文学の旗手を一時に三人も失う悲しみに言
葉もありませんが、それぞれに交友の深かった方々の弔
辞や追悼文、伝記、対談、評論、エッセイ等を編んで、
一二〇頁を越す追悼特集としました。同時代にありなが
ら、経歴も作品の傾向も全く異なった三氏を偲ぶなかで、
各々が切り拓いたその独自な文学の意義が、いっそう明
らかになることを、望みます。
 小説は津村節子氏の三〇〇枚一挙掲載「瑠璃色の石」。
学習院大学文芸部での日々、吉村昭氏との出会いと結婚、
小女小説作家としてのデビュー、作家としての成長を、
清らかな筆に描いた自伝的長編。村上春樹氏の短期集中
連作は、今号の「神の子どもたちはみな踊る」で、早く
もピークを迎えました。ほかに短編は瀬戸内寂聴、村田
喜代子(「馬光ホテル」)両氏を予定。
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)