「新潮」11月号
定価900円
10月7日発売
小説、評論二部門で 新人賞決定
今期より応募規定を改めて、賞の強化をはかった、第
31回新潮新人賞(選考委員は、小川洋子、佐伯一麦、福
田和也、別役実、李恢成の五氏)が決定しました。小説
部門は遠藤純子氏「クレア、冬の音」、評論・ノンフィ
クション部門は酒井隆之氏「賭け、待ち、決着す――三
島由紀夫と近代の青春」。静謐と熱気、作品の肌触りは
対照的ですが、その主題と方法は、新しい文学を切り拓
く可能性を確実に秘めています。受賞を機に大きく育っ
てくれることを期待します。
小説は、短編が村上春樹氏「タイランド」、中薗英助
氏「廃城」、岩阪恵子氏「ムクドリがやってきた」。太
田道子氏「サラセニアの耳」一三〇枚は、アパートの隣
室の男性に恋着する女性ストーカーの深層心理に降り立
った野心作。富岡多恵子、司修、天沢退二郎、清水哲男、
吉増剛造の新選考委員による、第七回萩原朔太郎賞も発
表になります。
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)
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