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「新潮」12月号
             予価900円
            11月6日発売


ゲーテとは誰だったのか
 生誕二五〇年を機に、ヨーロッパではゲーテ再評価の
動きが活発化しています。「ファウストI・II」の全訳
(講談社)を完成した柴田翔氏と話し合ううち、戦後わ
が国では凋落著るしかった文豪ゲーテに、新たな照明を
当てる角度が定まってきました。同氏の「無限宇宙へ伸
びる視線──ゲーテとは誰だったのか」一二〇枚を柱と
し、現代の思想や科学との関連をも追求する特集「超近
代人ゲーテ」に、ご注目ください。
 岡谷公二氏「南の精神誌」三〇〇枚は、柳田国男の到
達点「海上の道」を、その後の研究成果を踏まえて辿り
直し、神社の発生や森の信仰を通して、日本人の心の基
層をさぐった力篇。好評の村上春樹氏の連作「地震のあ
とで」は、今号の「かえるくん、東京を救う」をもって
終了し、来春、書き下ろしの短篇を加えて、単行本化の
予定。小説はほかに、辻章氏「母と子の日」、冬川亘氏
「ペルセウス座流星群」等。
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)