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【特集】震災後をどう生きるか

新潮45 2011年6月号

(毎月18日発売)

特別定価827円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/05/18

発売日 2011/05/18
JANコード 4910049370612
定価 特別定価827円(税込)

【特集】震災後をどう生きるか

・詩の礫/詩ノ黙礼より/和合亮一
・技術文明の自壊/木田元
・ここはひとつ腹を据えて/古井由吉
・危機知らずが危機を招く/西部邁
・天を恨まない日本人/山浦玄嗣
・困難だが、輝いて見える未来/島田雅彦
・「原爆の子」と「原発の子」/片山杜秀
・失うものは最初からない/福嶋麻衣子

【二大ルポ】被災地三陸をゆく
・釜石 遺体安置所の人びと/石井光太
・気仙沼 今は絶望も希望もなく/稲泉連

◆畏れとおののきと祈りと 反・幸福論*第七回/佐伯啓思

◆米軍機密文書入手! 福島原発の「危険な話」/一橋文哉

◆モルモットにさせられた日本人/里見清一

◆世界が目撃したフクシマ/酒井信

【「震災酔い」も度が過ぎる】
◆「がんばろう日本」という暴力/中島義道
◆怒れ足立区・荒川区!/風樹茂
◆復興のどさくさで深まる「農政大混迷」/神門善久

◆あの国難を人々はどう受け止めたか 終戦後日記を読む/山本一生

◆戦中派と科学について/内田樹

【特別対談】ひとつになるなニッポン/池田清彦×養老孟司

【特別対談】少し貧しいくらいがちょうどいい/北方謙三×江夏豊

【新連載】人間関係愚痴話/曽野綾子

【達人対談】漆工芸の達人/小森邦衞vs.ビートたけし

[記者匿名座談会]
隠された遺体、原発という踏み絵

◆震災日記(二) 内閣審議官からの電話/玄侑宗久

◆「共死」を想え 連載第3回*懺悔の心かなしく、山河微動だにせず/山折哲雄

◆科学の興亡 最終回*原発事故と科学誌/竹内薫

【短期集中連載】鳥喰う人々 最終回
*縄文人も伯爵も口にした「鴨より美味い?!」カラス肉/福島清茂

【巻頭コラム】風が時間を 紅萌ゆる(2)/徳岡孝夫

[連載]
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆人生の星の時間 大隈重信/福田和也
◆道聴途説/外山滋比古
◆閻魔堂の吹き流し この不作法者が!/山本一力
◆名門と国家 *徳川家達に大命下る/徳川家広
◆昭和の特別な一日 *ブロードウェイがやってきた!(その2)/杉山隆男
◆プロ野球血風録/坂井保之
◆過去と未来の対話 3.11で日ロ関係をどう変えるか/東郷和彦

■書物の森

■シネマ・ブレイク

[グラビア]
◆被災地の夜明け/田中和義
◆清澄なる荒寥 一ヵ月後の被災地から/公文健太郎
◆世界の学び舎 第五回*日本(宮城県南三陸町)/川畑嘉文
◆この盃を受けてくれ 最終回/小平尚典

歌代幸子氏「私と母」は、今月休載いたします。

編集長から

震災後を生きるための
言葉と哲学
 3.11から二カ月が過ぎ、報道の重心は復旧・復興へと移りつつありますが、月刊誌には新聞や週刊誌とはまた違った役割があると思っています。
 大震災は私たちの文明が本来的に持つ危うさや、日常の中で忘れがちな生の儚さを改めて突きつけました。3.11を境に何かが変わった。そのことについてじっくり考えてみたいと組んだのが、特集「震災後をどう生きるか」。刺激に満ちた「言葉と哲学」をぜひご一読下さい。
 石井光太「遺体安置所の人びと」、稲泉連「今は絶望も希望もなく」は、気鋭の二人による腰を据えた三陸ルポ。日々の報道では伝わらない現実がここにあります。このほか池田清彦氏、養老孟司氏ならではの対談「ひとつになるなニッポン」など、読み応え充分な企画満載です。
 今月号から編集長を務めることになりました。九年ぶりの古巣で初心に帰って時代に向き合いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

新潮45編集長 三重博一

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞