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【特集】新・「空気」の研究

新潮45 2011年9月号

(毎月18日発売)

特別定価827円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/08/18

発売日 2011/08/18
JANコード 4910049370919
定価 特別定価827円(税込)

【特集】新・「空気」の研究

・日本を覆う「3・11シンドローム」/吉崎達彦
・メディアの風向きは一気に変わる/蓮舫
・村の鎮守の神様である/堀井憲一郎
・世界に冠たる「座持ち」の芸/中野翠
・「心のケア」って言うな/正高信男
・明治憲法という自爆装置 国の死に方3/片山杜秀

◆2ちゃんねる化する世界/濱野智史

◆日本は必ず復興できる/マハティール・モハマド

◆動き出した「ガレキ利権」/一橋文哉

◆新連載 復興への道「国道45号線」をゆく/稲泉連

◆だから言わんこっちゃない! 「中国新幹線」悪夢の乗車記/宮崎正弘

◆ノルウェーの惨劇 北欧諸国の憂鬱/村井誠人

◆「最後の皇太子」死す ハプスブルク家の終焉/中島義道

◆今こそ『ぴあ』が必要だ/坪内祐三

◆幼児性と反時代性の天才、市川海老蔵/矢野誠一

【特集】ボランティアに行ってみた
・独りよがりの善意、疲弊する組織/歌代幸子
・被災者と社会の「難民」たち/長谷川まり子
・飲み屋をたたんで東北へ/松本彩子
・宮本常一の「落ち穂拾い」に導かれて/引地達也

【特別対談】
戦後日本「失敗の本質」/半藤一利vs.岩見隆夫

【特別対談】
釈迦とドラッカー/佐々木閑vs.岩崎夏海

【記者匿名座談会】妄執総理と「ウブで律儀」な民主党

【追悼】「総合的知識人」小松左京の断片/長山靖生
 ◇自伝『SF魂』編集余話


◆お背中、流します 石巻小竹浜「湯治支援」の記/山崎まゆみ

【達人対談】古流剣術の達人/笹森建美vs.ビートたけし

◆天災と砕身――浜口梧陵と篤志の人々/出久根達郎

◆カンニングと八百長で国滅びず/里見清一

◆反・幸福論 第十回 *総理の品格は、国民の品格/佐伯啓思

◆震災日記(五) 裸の王様はいつまで王様?/玄侑宗久

◆[シリーズ]エネルギーと人類の歴史……第三回
 *化石燃料と文明/大河内直彦


◆限界家族/岩井志麻子

◆人間関係愚痴話 第四回 *或る日の新聞記事から/曽野綾子

◆人生の星の時間 平沼騏一郎/福田和也

【巻頭コラム】風が時間を/徳岡孝夫
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆道聴途説/外山滋比古
◆閻魔堂の吹き流し *見えざる映像/山本一力
◆名門と国家 *徳川将軍家の「お家芸」/徳川家広
◆プロ野球血風録 最終回/坂井保之
◆過去と未来の対話 最終回 *台湾のアイデンティティ/東郷和彦

■書物の森

■シネマ・ブレイク

■第十回 新潮ドキュメント賞 候補作品発表

[グラビア]
◆「電気」のゆくえ/田中和義
◆世界の学び舎 最終回*キューバ/川畑嘉文

編集長から

節電の夏は翼賛の夏?
今こそ再び「空気」の研究を
 このところ年々強まっている気がしてなりません。曰く言い難い「空気」の支配が。震災後、この傾向にいっそう拍車がかかっているのではないでしょうか。
 電力不足をお上が言えば、世を挙げて節電節電。夜道や階段まで暗くしてどうする。原発論議では「どのようなスパンの話か」を無視したヒステリックな議論ばかり。政治も熔解し、わけがわからないまま、一つの方向に押し流されそうな気配……。
 そんなご時世だからこそ、故山本七平氏にあやかって、「新・『空気』の研究」という特集を組んでみました。特に注目は、先頃「なでしこ」優勝にツイッターで祝意を表したところ、批判に晒されてしまった蓮舫氏の手記。ウェブを含めたメディアの恐ろしさを考えさせられます。
 七平翁の論考のポイントは、空気に支配されやすいからこそ、日本人は「水を差す」知恵をもっていたというところでした。雑誌の役割はまさに「水を差す」こと。猛暑も冷えるような水を差さねば。

新潮45編集長 三重博一

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞